【2025年最新版】日本人必見!ベトナム法人設立の全手順を解説|成功のカギはココにある

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2025年最新法規:法人設立に関わる主要改正点と注意事項

まず初めに、2025年時点でのベトナムの関連法規制の最新動向を押さえておきましょう。ベトナムでは2023年末から2024年にかけて不動産に関する主要な法律改正が相次ぎ、2024年8月1日から改正住宅法および改正不動産事業法が施行されています。

この改正により不動産ビジネスの規制や手続きが見直され、投資家にとっていくつか重要なポイントがあります。

項目改正前改正後
最低資本金要件20億ドン(約9,000万円)
※一定の事業規模を超える場合
撤廃(プロジェクトに応じて柔軟化)
※外資比率による別途条件あり
外国人所有上限コンドミニアム全体の30%
戸建住宅は最大10%
従来上限を維持
※延長申請により実質的に利用可能期間を拡張
届け出義務新規賃貸物件は当局への事後報告が中心賃貸前に住宅管理機関への届出必須
売買・賃料受領も原則銀行送金
その他
(外資規制緩和)
一部業種で
外資比率49%まで制限
一部業種の外資比率上限引上げ
(最大80%まで可能な場合あり)

ベトナム法人の種類と選択基準

ベトナムで現地法人を設立するにあたっては、いくつかの会社形態の中から適切なものを選択する必要があります。日本人投資家が不動産投資を目的として設立する場合、主な選択肢となる現地法人の種類と、その特徴・選定基準は以下のとおりです。

法人形態出資者の人数資本調達のしやすさ組織運営の複雑度適した投資規模
有限責任会社(LLC)1~50名外部出資の受け入れは可能だが、
株式発行がないため比較的限定的
取締役会は必須でない。
機関設計がシンプルで運営しやすい
中小規模の投資・単独出資に最適
株式会社(JSC)3名以上株式発行による増資が可能。
外部資本を集めやすい
取締役会と監査役の設置が必要。
運営コストが高め
大規模投資や将来のIPOを視野に入れる場合
駐在員事務所
(Representative Office)
営業活動・収益行為は不可。
資本調達の概念がない
人員は最小限。
連絡・調査目的のみ
市場調査や渉外のみ。
実質的な投資には不向き
支店 (Branch)外国企業本体の一部であり
法人格は独立せず
一般商取引は基本的に
認められない(銀行等例外あり)
特定業種限定
(金融・保険等でのみ活用可)

設立準備:必要書類・要件リストとスケジュール管理のポイント

法人形態の方針が決まったら、実際の設立準備に取り掛かります。ここでは会社設立に必要な書類・要件のリストと、スムーズに設立を進めるためのスケジュール管理上のポイントを解説します。

特に外国資本による現地法人設立では、書類の準備や当局手続きに時間を要するため、計画的な準備が重要です。

ベトナム法人設立フローチャート

(データ出典:JETROベトナム情報)

STEP 1
必要書類の準備
STEP 2
公的翻訳・領事認証
STEP 3
投資登録証明書
(IRC)申請
STEP 4
企業登録証明書
(ERC)申請
STEP 5
資本金払込み
STEP 6
開業届 & 追加許認可

(データ出典:JETROベトナム情報)

以上が設立準備段階での必要書類とスケジュール上の留意点です。次章では、実際の法人設立の手順について、投資登録申請からライセンス取得(IRC・ERC取得)までの具体的ステップを解説します。

法人設立の手順:申請からライセンス取得までの全ステップを解説

ここでは、日本人投資家がベトナム現地法人(外国資本100%のLLCを想定)の設立手続を進める際の全ステップを順を追って説明します。大きく分けて「投資プロジェクトの登録(IRC取得)」「企業設立登記(ERC取得)」の二段階となります。それぞれの段階で何を行うか、具体的に見ていきましょう。

ベトナム法人設立:スケジュール例

(データ出典:JETROベトナム情報)

タスク週1週2週3週4週5週6週7週8週9週10
書類翻訳&領事認証
投資登録証明書(IRC)申請〜取得
企業登録証明書(ERC)申請〜取得
資本金払込み(以降)(以降)

備考: 上記はあくまで一例のスケジュール目安です。
実際には審査の混雑状況や追加資料の有無によって前後する可能性があります。
詳細は JETROベトナム情報 をご確認ください。

【まとめ】ベトナム法人設立の成功への鍵:2025年最新ルールを踏まえた最終チェック

最後に、本記事の内容を簡潔にまとめ、2025年現在の最新ルールを踏まえた現地法人設立成功の鍵を再確認します。

◇ 法制度の最新動向を把握する

2024年施行の改正不動産事業法・住宅法により、最低資本金要件の撤廃や賃貸届出義務の追加など変更点が生じています。「2025年最新」のルールを正確に理解し、それに沿った計画と手続きを行うことが第一歩です。特に外資規制や所有制限といった重要ポイントは見落とさないよう常にアップデートされた情報を参照しましょう。

◇ 最適な法人形態とパートナー選定

不動産投資には通常、外資100%の有限責任会社が適していますが、事業規模や目的によっては株式会社や合弁も選択肢になります。自らの投資戦略に照らして最適解を選び、必要なら現地パートナーやプロの助言を得て決定してください。

◇ 書類準備とスケジュール管理の徹底

設立申請には多くの書類と認証が必要であり、標準でも2〜3ヶ月の時間を要します。書類不備による差戻しや遅延は投資機会の損失につながりかねません。必要書類リストに基づき丁寧に準備し、余裕あるスケジュールで進めることが成功への近道です。日本とベトナム双方の官公庁対応がありますので、事前に計画を立てて動きましょう。

◇ 専門家の活用

現地法人設立から不動産取得、運用、税務まで一連のプロセスでは、各分野の専門家(弁護士、会計士、不動産コンサルタントなど)のサポートが極めて有用です。費用はかかりますが、信頼できる専門家をチームに加えることでリスクを大幅に低減できます。言語・法制度の違いをカバーし、投資家自身は戦略的判断に専念することができます。

◇ コンプライアンスとリスク管理

法人設立後も含め、法令遵守(コンプライアンス)を徹底する姿勢が重要です。税務申告の確実な履行、外国人枠や契約上の義務の遵守、さらには社内ガバナンス(代表者不在時の対応策など)にも気を配りましょう。また、為替リスクや現地特有のビジネスリスクについてもあらかじめ対策を講じておくことが肝要です。

◇ 長期的視野に立った戦略

ベトナムの不動産市場は中長期的に成長が見込まれる一方で、短期的な景気変動もあります。現地法人を設立する以上、短期売買で終わらず、長期的な視野で資産運用計画を描くことをお勧めします。5年先、10年先を見据えたとき、法人という器をどう活用するか(別の物件追加取得や事業拡大など)、柔軟に対応できるようにしておきましょう。

以上、「2025年最新版」の情報を織り込みつつベトナムでの法人設立と不動産投資のポイントを解説してきました。本記事が現地法人設立の実務に役立つ包括的なガイドになれば幸いです。

ベトナム不動産市場は制度面でも徐々に整備が進み、外国人にとって参入しやすい環境が整いつつあります。適切な準備と対応さえ行えば、大きなメリットを享受できるでしょう。最後にもう一度、最新ルールの確認と専門家への相談という2点を強調し、ベトナム法人設立による不動産投資の成功を心より願ってまとめといたします。

執筆者

高橋 卓のアバター 高橋 卓 海外不動産のオクマン 代表

2014年:はぐくみカンパニー株式会社、代表取締役に就任
2017年:株式会社純な、代表取締役に就任
2018年:はぐくみカンパニーカンパニー株式会社を株式譲渡し退任
2023年以降:日本企業の進出コンサルティングと海外不動産メディアの運営に注力(バンコクのベイカリーショップ、小麦の王国立ち上げ等)

現在バンコク在住。海外不動産投資のことならお気軽にご相談ください。

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