【2025年最新】アブダビ(UAE)のビザ手続き完全攻略|日本人が押さえるべき申請ポイント

はじめに:アブダビのビザ制度の最新動向
近年、中東の経済中心地として アブダビのビザ制度 が世界中のビジネス関係者から注目を集めています。特に2023年にはUAE(アラブ首長国連邦)への海外直接投資額が前年比35%増の約306億ドルに達し、中東で首位となる過去最高額を記録しました。
この背景には、アブダビ政府による経済の多角化と外国企業誘致策が大きく影響しています。例えば、2021年の法人出資規制緩和により、それまで現地法人設立時に必要だったUAE国民の51%出資義務が撤廃され、100%外資出資が可能となりました。 この改革や、投資家・高度人材向けの長期ビザ(後述するゴールデンビザ等)の導入によって、アブダビは海外投資家にとってより魅力的なビジネス拠点へと進化しています。
日本人にとってもアブダビは「新潮流」と言える存在です。 日本とUAEの経済関係は年々強化されており、JETROの調査でも多くの日系企業がUAEを有望市場に挙げています。 その中で、最新のビザ制度を活用して現地に拠点を構える動きが広がっています。
日本人は観光や商用目的の短期渡航でビザ無し入国が可能なため(詳細は後述)、まず現地のビジネス環境を視察し、その後長期ビザを取得して本格進出するケースも増えています。 アブダビ政府も外国人投資家誘致に注力しており、投資誘致機関(例:アブダビ投資局ADIO)によるサポートや優遇施策が整備されつつあります。 こうした追い風の中、「2025年最新のアブダビのビザ手続き」を理解することは、日本人投資家にとってビジネス成功への重要なステップとなるでしょう。
【図解】アブダビ政府の投資促進策と多角化政策
アブダビの戦略イメージ
具体的な取り組み例(JETRO情報より)
- 製造業ハブ化:フリーゾーンを活用し先端製造拠点を誘致
- 金融・IT産業育成:アブダビグローバルマーケット(ADGM)での金融技術拠点づくり
- スタートアップ支援:世界各国の起業家を呼び込むインキュベーション施策
- インフラ整備・スマートシティ:交通・エネルギー分野でのAI活用を推進
ポイント:
アブダビは、世界有数の資本力と積極的な政策を背景に、石油依存から脱却し
製造・金融・ITなどの産業育成に注力。
外資100%出資解禁・ビザ優遇により、海外投資家の参入障壁が低減されています。
下記は、UAEへの海外直接投資(対内FDI)推移を示すグラフです。2019年から2024年にかけて、着実に流入額が増加し、2023年には300億ドルを超える実績となっています。

アブダビビザの主な種類:短期ビジネス・就労・投資家向け
アブダビで利用できるビザには、その目的や滞在期間に応じていくつかの種類があります。 ここでは日本人投資家に関係が深い短期観光・ビジネス渡航向けビザ、就労ビザ(雇用者向け)、そして投資家向けビザの主な特徴を解説します。
短期の観光・ビジネス渡航向けビザ
日本国籍保持者は基本的にUAE入国時に30日間滞在可能な訪問ビザ(オンアライバルビザ)が自動付与され、追加で10日間の猶予期間(グレイスピリオド)も認められてきました。 このため、30日以内の観光や出張、商談であれば事前にビザを申請する必要はありません。
ただし2024年末に制度が更新され、日本人も一部の欧州諸国同様に「90日間有効の観光ビザ(マルチプル入国可)」が入国時に発給されることが発表されています。 この90日ビザは発給日から6か月間有効で、その期間中合計90日まで滞在可能というものです。 制度移行期のため現場での扱いに多少の揺らぎも報告されていますが、2025年現在、日本人短期渡航者にとってアブダビ入国は以前にも増して柔軟になっています。
ビジネス目的の短期滞在では、このオンアライバルビザを活用しつつ、必要に応じて現地での商用ビザ延長手続き(最大延長30日間)も検討すると良いでしょう。
就労ビザ(雇用ビザ)
アブダビにおいて現地企業に就職したり、現地法人の従業員として働く場合には就労ビザが必要です。 UAEでは一般に雇用主(企業)がスポンサーとなり、入国前に労働許可(ワークパーミット)を取得し、入国後に健康診断(HIVや結核などの検査)を受けた上で、内務省管轄の居住ビザとIDカード(エミレーツID)の発行に進みます。 就労ビザの在留期間は通常2年間ですが、ドバイのJAFZAやアブダビの指定フリーゾーンなど一部では3年間のビザが発給されるケースもあります。
昨今は雇用主のスポンサー無しでも申請可能な「就職探求ビザ」も導入され、一定の学歴条件(学士号以上)や技能レベルを満たす人は、自らビザを取得してUAE国内で就職活動を行うことも可能になりました。 いずれにせよ、就労ビザを取得すれば在留中は合法的に就労でき、将来的に家族の帯同ビザ取得(扶養家族のスポンサー)も可能となります。
投資家向けビザ
アブダビで事業を起こしたり、不動産を購入するなど投資活動を行う人向けのビザも充実しています。 まず、現地で法人設立する場合は、その企業の出資者(オーナー)として投資家ビザを取得することができます。 従来は現地パートナーを必要としましたが前述のとおり外資100%設立が解禁されたため、日本人投資家が単独出資で会社設立し自ら投資家ビザを持つことも容易になりました。 一般的な投資家ビザ(法人ビザ)の有効期間は2~3年で、更新しながら居住が可能です。
加えて、一定規模以上の投資家には長期ビザ制度も用意されています。 代表的なのがゴールデンビザ(Golden Visa)とグリーンビザ(Green Visa)です。 ゴールデンビザは最長10年の長期滞在を認めるもので、主に高額投資家や高度専門職、起業家などが対象となります。
一方、グリーンビザは5年間の自営・投資家向けビザで、スポンサー不要で自身と家族の居住を認めるものです。 例えば、不動産に累計200万AED以上(約8億円弱)投資した場合や、認可ファンドに200万AEDの出資残高がある場合にはゴールデンビザ取得資格を満たします。 グリーンビザについては、明確な投資金額基準こそ示されていませんが、投資許可証と投資実行の証明書類が求められることから何らかの事業または出資を行っていることが条件となります。
ゴールデンビザやグリーンビザの利点は、企業スポンサーや毎年の更新手続きが不要となり長期的な居住権を得られる点です。 実際にゴールデンビザ保有者は配偶者や子供など家族をまとめてスポンサー可能で、家族全員が長期間UAEに滞在できます。 日本人投資家にとっても、まとまった資金投資によって得られるこれら長期ビザは、ビジネス拠点を中東に置く上で大きな魅力となっています。
ビザ名称 | 主な要件 (在留期間) | メリット | スポンサー要否 |
---|---|---|---|
短期ビジネスビザ(訪問) | 30 日(+10日猶予) | ・滞在期間が短いためビジネス調査・商談向き ・スポンサー不要、スムーズな入国 | 不要 |
就労ビザ | 2 年(更新可) | ・合法的に就労可能 ・家族帯同ビザを取得できる場合もある | 企業スポンサー |
投資家ビザ | 2〜3 年(種類によっては5〜10年) | ・外資100%出資で法人設立可 ・ゴールデンビザ等を活用すれば家族も長期居住可能 | 基本不要(投資形態による) |
申請前に確認すべき最新基準:書類準備と審査ポイント
2025年時点の最新基準に基づき、アブダビでのビザ申請前に確認しておくべき要件や必要書類、そして当局が審査で重視するポイントを整理します。 ビザの種類ごとに細かな要件は異なりますが、共通して押さえておきたい事項は次のとおりです。
基本書類の準備
どの種類のビザでも共通して提出が求められる書類として、有効なパスポート(残存有効期間が申請時に6か月以上あるもの)、顔写真(証明写真)、そして所定のビザ申請用紙があります。 日本で発行された書類(戸籍抄本や結婚証明など)が必要な場合は、英語あるいはアラビア語への翻訳公証+UAE大使館での認証が必要になる点にも注意しましょう。
また、長期ビザの場合は健康保険加入の証明も求められます。アブダビ首長国では従業員やビザ保持者に医療保険加入を義務付けており、未加入の場合は居住ビザの発給・更新が行われません。 そのため投資家自身も含め、ビザ申請前に適切な医療保険プランに加入しておくことが重要です。
追加書類・要件(ビザ種別別)
ビザ種別ごとに固有の書類や基準があります。例えば就労ビザであれば雇用元企業からの労働許可証(就労許可)や雇用契約書、学歴証明書(学位証等、専門職の場合は必須)などが必要です。 投資家ビザ(法人設立)では会社設立関連書類(商業ライセンス、出資証明書など)や残高証明が求められます。
特にゴールデンビザ申請では、不動産投資の場合は土地局発行の不動産所有証明書、事業投資の場合は出資資本金が200万ディルハム以上であることを示す定款や投資証明書類、加えて犯罪経歴証明書の提出も必要とされています。 審査では「自己資金による投資」であること(借入金ではない)が条件となっており、申請者の財務基盤や経歴も確認されます。犯罪歴が無いことの証明や、過去にUAEでビザ違反等がないかもチェック対象となるため、日本国内で無犯罪証明書を取得し翻訳・認証しておくとよいでしょう。
また近年は申請者の技能や貢献可能性も考慮される傾向があります。グリーンビザでは一定の技能レベル(学士号と月収基準)を満たすことが条件に含まれており、ゴールデンビザでも高度専門職(医師・研究者等)や優秀人材であることが評価ポイントになります。 自分がどのカテゴリーに該当するか、最新の公式基準を必ず確認し、要件充足を証明する書類をもれなく揃えてください。
健康診断と身元確認
UAEで新規に居住ビザを取得する際、健康診断(メディカルチェック)の受診は避けて通れません。 申請者は渡航後、指定医療機関で血液検査と胸部X線検査を受診しますが、HIV陽性や活動性結核など公衆衛生上重大な疾患が見つかった場合、ビザが下りないか強制退去となる可能性があります。 特に結核については既往があると追加審査となるケースもあるため、日本出発前に医師の診断書を用意しておくなどの対策も考えられます。
また、指紋登録を含む身元確認手続きも行われ、エミレーツID発行のためのバイオメトリクス登録に協力する必要があります。 これら健康・身元に関する審査ポイントは申請者自身ではコントロールできない部分もありますが、余裕を持って渡航し早めに手続きを開始することで万一追加検査や書類提出が求められても対応できるようにしましょう。
最新情報の入手
最後に、UAEのビザ制度は頻繁にアップデートされるため「最新基準の確認」が極めて重要です。 公式のUAE政府サイトや在日UAE大使館、JETROの情報ページなどを定期的にチェックし、直近の変更点(例えば必要投資額の変更、新しいビザカテゴリーの追加など)がないか確認しましょう。
実際、2022~2023年にもビザ制度の大改革が行われ、新規則が導入されています。2025年現在も細かな運用変更(例:オンアライバルビザの滞在日数延長など)が進行中です。 そのため、「最新」の情報源にあたって条件を再確認し、不明点があれば専門機関に問い合わせた上で申請準備を進めることを強くお勧めします。
【フローチャート】UAEビザ申請の基本フロー
Step 1:書類準備
・必要書類(パスポート、写真、申請用紙など)を一括準備
・日本国内で取得する書類は英語/アラビア語への翻訳認証を行う
Step 2:翻訳・公証・大使館認証
・戸籍抄本など日本発行の書類は翻訳+公証が必要
・UAE大使館での認証やアラビア語訳の確認を実施
Step 3:オンライン申請
・ICPやTAMMなどの公式サイトより申請フォームへ入力
・書類スキャンをアップロードし手数料をオンラインで支払い
Step 4:審査・追加資料対応
・提出後、数日~数週間で審査
・不備があれば追加書類の提出を求められることも
Step 5:入国許可(エントリーパーミット)発行
・承認されるとエントリーパーミットが発給
・観光ビザ等で既に滞在中の場合はステータス変更へ
Step 6:医療検査 & エミレーツID登録
・UAE入国後、医療検査&指紋登録
・問題なければレジデンシービザ発行へ進む
Step 7:ビザ発行 & エミレーツID受領
・2024年以降はパスポートへのスタンプは省略
・エミレーツIDカード受領で一連の手続き完了
【2025年版】アブダビビザ申請フローを完全攻略:オンライン&現地申請の手順
ここでは2025年最新版のアブダビビザ申請フローを、オンライン手続きと現地でのステップに分けて詳述します。 基本的な流れはビザの種類によって大きくは変わりませんが、申請経路(日本から申請するか、現地で行うか)によって一部手順が異なります。 以下に一般的な手順をまとめますので、自身のケースに照らし合わせて確認してください。
【概念図】オンライン申請 vs 現地申請:どちらが便利?
目的:自分でオンライン申請を行うか、現地申請(タイピングセンター経由)を選ぶか、迷っている方向けのイラストです。UAEのビザ申請をする際、それぞれの特徴をざっくり掴めます。
オンライン申請
- 💻 メリット:24時間いつでも手続き可、英語での操作ができればスムーズ
- 🔎 注意点:不備があるとメールでの追加連絡に気づきづらい
- 💳 支払い:クレジットカードでのオンライン決済がメイン
- 🔗 主なサイト:ICP(連邦内務省)、TAMM(アブダビ政府)
現地申請(タイピングセンター)
- 🏢 メリット:担当スタッフと直接やり取りでき、不明点をその場で解消
- 📝 注意点:代行手数料がかかる場合があり、混雑時は待ち時間も発生
- 💼 書類準備:紙のまま提出、スタッフに任せてシステム入力してもらえる
- ⌛ 進捗状況:結局はオンライン審査と同じフローだが、対面サポートで安心
総括:英語が得意、PC操作に慣れている方はオンライン申請が便利。一方、対面サポートを希望したり英語入力に不安がある方は、タイピングセンターの利用が安心です。いずれの場合も、追加書類依頼や審査期間は最終的に同じUAE当局が判断するため、入国時期に余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
資格の確認とビザ種類の決定
まず最初に、自分が申請したいビザの種類とその資格要件を確認します。前述の通り、投資額や雇用状況、学歴などによって適切なビザカテゴリーが異なります。 例えば「アブダビで会社設立を予定しており家族と長期滞在したい」という場合はゴールデンビザ取得も視野に入りますし、「まずは短期間滞在して市場調査したい」場合は観光ビザ(短期ビザ)で入国後に必要に応じてステータス変更する選択肢もあります。
最新の基準に照らして自分が満たす条件(収入レベル、投資金額、学位・職歴など)をチェックし、どのビザを申請すべきか明確にしましょう。
必要書類の準備
ビザ種類を決めたら、求められる書類を一式準備します。準備すべき書類の例は前項ですでに述べた通りですが、再度整理すると「共通必要書類(パスポート、写真、申請用紙、健康保険証券等)+ 種別固有の書類(招待状、事業計画書、投資証明、学位証明、無犯罪証明など)」となります。
オンライン申請の場合、書類はPDF等にスキャンしてアップロードしますので、高解像度でスキャンしておくとよいでしょう。 不備があると申請が差し戻され大きな時間ロスとなるため、漏れなく正確に書類を揃えてください。
ビザ取得に役立つ実践テクニック:よくあるトラブルと回避策
アブダビでのビザ取得手続きには様々なステップがあるため、途中で思わぬトラブルに直面するケースも少なくありません。 ここでは日本人投資家が陥りがちな問題をいくつか挙げ、その回避策・対処法と併せて紹介します。 事前にトラブル事例を把握し対策しておけば、申請プロセスをスムーズに進められるでしょう。
書類不備・不足による申請差し戻し
最もよくあるトラブルが「提出書類の不備」です。例えばパスポート残存期間が足りない、必要書類の翻訳認証がされていない、書類の一部が未提出だった等の理由で申請が受理されず差し戻されるケースがあります。 回避策としては、公式チェックリストを基に提出書類を再点検することが重要です。
特に日系企業の駐在員ビザ申請などでは、日本から準備すべき書類(大学卒業証明の公証・大使館認証等)が多いため見落としがちです。 提出前に第三者(同僚や専門家)にチェックしてもらう、あるいはタイピングセンターでプロに確認してもらうのも有効です。 またオンライン申請ではアップロードファイルの不鮮明さが問題となる場合もあるため、スキャン品質を高めに保つ、ファイル形式・容量を指示通りにする、といった点にも留意しましょう。
審査の遅延・音沙汰無し
申請後に通常の処理期間を過ぎても何の連絡もなく、不安になることがあります。審査遅延の原因は様々ですが、申請ピーク時期の混雑や追加セキュリティチェック、稀にシステム上の見落としなどが考えられます。 対策として、申請時に発行された追跡番号で進捗確認を行いましょう。ICPの公式サイトやアプリから現在の審査ステータスを確認できます。
それでも長期間進展しない場合は、カスタマーサービスへ問い合わせることも可能です。英語またはアラビア語での対応になりますが、「申請番号○○の審査状況を確認したい」と伝えれば調べてもらえます。 問い合わせ窓口はICPのヘルプデスクやアブダビのGDRFAオフィスなどです。なお審査を急かし過ぎると逆効果の場合もあるため、提示された標準処理期間+アルファの期間は忍耐強く待つことも必要です。
健康診断での引っ掛かり
医療検査で再検査や追加提出を求められるトラブルも時折あります。例えば結核の既往がある方は、治療済証明の提出や定期追跡検査の条件付きでビザが発給されるケースがあります。 HIV検査で陽性となった場合は残念ながらビザ取得は困難です。 渡航前に可能な範囲で健康チェックを行い、不安要素があれば事前に医師の英文診断書を用意するなど備えましょう。
検査当日はパスポート等忘れず持参し、指示に従ってスムーズに検査を受けることも大切です。検査結果に問題がなければ何も起きませんが、仮に要フォローとなった場合でも、指定された追加手順を速やかに踏めばビザ取得自体は可能なこともあります。焦らず冷静に対処しましょう。
オンラインシステムの利用ミス
近年はオンライン申請が主流ですが、初めてだと入力ミスやシステムエラーに戸惑うことがあります。例えば名前やパスポート番号の入力誤り、ファイルアップロードの失敗、決済エラーなどです。 対応策として、入力内容を都度保存し慎重に確認する、推奨ブラウザ(Chrome推奨)を使う、支払いは残高十分なクレジットカードで行う、といった基本を守りましょう。
もし途中でわからない項目があれば無理に進めず、一度保存して専門家に相談したり公式ヘルプを参照するのも手です。タイピングセンターに依頼する場合も、自分でも内容を理解しておくことでミスを防げます。
ビザ種別の選択ミス
知らずに誤ったビザカテゴリーで申請してしまい、後から取り直す羽目になる例もあります。例えば本当は投資家ビザ(3年)で申請すべきところを誤って就労ビザ(2年)枠で出してしまった、などです。 最初のステップで述べたように、自分に適したビザ種別を見極めることが何より重要です。
もし判断に迷う場合は、JETROの相談窓口や現地の行政サービス(TAMM窓口)で照会し、正しいカテゴリで進めてください。 万一申請後に種別ミスに気付いた場合、早めに当局に訂正申請を申し出れば修正できることもありますが、時間と手数料のロスにつながりますので、最初から正確を期すことが大切です。
オーバーステイ・期限管理ミス
ビザ取得後の滞在期限管理も疎かにできません。例えば居住ビザの期限をうっかり過ぎて更新せずにいると、期限超過の罰金が1日当たり50ディルハム程度課されます。 また通常の居住ビザ保持者は「UAE国外に6か月以上連続滞在するとビザが失効」する規定があります。日本に長期帰国する際など、このルールを知らずに放置してビザを失効させてしまう例も散見されます。
回避策はシンプルで、有効期限と出入国ルールを常に意識することです。スマホのカレンダーにビザ期限の半年前・3か月前など複数のリマインダーを設定し、更新手続きの準備を開始しましょう。 更新には現行ビザの失効前であれば比較的短時間で済みます(通常は健康診断+ID更新のみ)。6か月ルールについては、対策として半年に一度UAEに入国するか、あるいはそもそもその制限がないゴールデンビザを取得しておくのも一策です。
ゴールデンビザ保持者は国外不在が長期に及んでもビザが失効せず安心です。いずれにせよ、自らの滞在資格の期限と条件を把握し、うっかり違反しないよう管理することが求められます。
ビザ申請中の留意点
最後に、ビザの種類によっては申請中の特有の注意事項もあります。例えばゴールデンビザ申請の場合、「ビザ申請期間中はUAE国内に留まっていなければならない」という条件があると指摘されています。 これは審査中に出国すると申請が取り下げ扱いとなるリスクがあるためで、特に長期ビザ申請者は審査完了まで極力UAE国内で待機した方が無難です。
同様に、申請中に現在のビザ期限が切れそうな場合は、一旦観光ビザへステータス変更しておく、あるいは所管当局に延長を申請するなど、ブランク期間を作らない工夫も必要です。 申請プロセス全体を通して、常に先を見越して行動し、「何かおかしい」と感じたら早めに対処策を講じることで、多くのトラブルは未然に防げるでしょう。