インドネシア・ロンボク島移住は本当におすすめ?メリット・デメリットと移住前に知るべき注意点

目次

ロンボク島移住は本当におすすめ?結論と判断基準【図解あり】

結論:ロンボク島移住は「静かな環境+低コスト重視」の人におすすめ

ロンボク島移住は、静かな環境と低コストでの暮らしを重視する方に適した選択肢です。バリ島と比較して観光客数が約5分の1と少なく、物価も15~25%安いため、落ち着いた生活環境を求める移住者に選ばれています(*1)(*2)。

ロンボク島とバリ島の主要指標を比較すると、移住環境の違いが明確になります。

ロンボク島 vs バリ島|2024年観光客数・物価比較

出典:Eastern Edge「Lombok Tourism 2025」、HVS「In Focus: Indonesia」、Synergy Pro「Cost of Living in Lombok vs. Bali」、Little Steps Asia「Best International Schools In Lombok」

一方で、高度医療施設の不足や公共交通機関の未整備といった課題があります。医療や移動手段に関する事前準備が欠かせません(*3)(*4)。2026年現在、マンダリカ特別経済区では30億米ドル(約4,500億円)規模の開発が進行中で、インフラ環境は急速に改善しています(*5)。

移住を成功させるには、島の魅力と課題を正確に把握し、自身のライフスタイルとの適合性を見極めることが重要です。本記事では、最新データに基づいた6つのメリットと5つのデメリット、移住前に知るべき注意点を詳しく解説します。

ロンボク島移住に向いている人・向いていない人の判断基準

ロンボク島移住の適性を判断するための主要チェックポイントは以下の通りです。

ロンボク島移住の適性診断チェックリスト
判断基準 向いている 向いていない
生活環境 観光客が少なく静かな環境を求める 都市の利便性と娯楽施設を重視する
予算感 月10万~15万円で暮らしたい 予算より利便性を最優先したい
移動手段 バイク・車の運転ができる、または習得意欲がある 公共交通機関での移動を前提とする
医療ニーズ 基本的に健康で緊急医療の必要性が低い 高度医療・専門医療を頻繁に必要とする
教育環境 子どもがいない、またはオンライン教育併用が可能 多様な教育選択肢(IB認定校、日本語教育など)を求める
ライフスタイル リモートワーク、リタイア層、アクティビティ重視 現地でのビジネス展開や対面業務が多い
インフラ許容度 停電(1日平均1.5回)への備えと対応ができる 安定した電力・通信環境が業務上必須

出典:Lombok Loop, Synergy Pro, Sandy’s Lombok (2025年データ)

まず、ロンボク島移住に向いているのは、混雑を避けて自然豊かな環境で暮らしたい方です。バイクや車の運転に抵抗がなく、医療や教育の選択肢が限られることを許容できる柔軟性が求められます。

具体的には、リモートワーク可能なデジタルノマド、サーフィンやダイビングなどアクティビティを楽しむ方、リタイア後の生活費を抑えたい55歳以上の層に適しています(*6)(*7)。

一方で、向いていないのは高度な医療サービスを頻繁に必要とする方、子どもに多様な教育選択肢を提供したい家族です。ロンボク島には国際水準の総合病院がなく、緊急時はバリ島への搬送が必要になります(*3)。また、インターナショナルスクールはわずか4校で、バリ島の15校以上と比べて大幅に限られます(*8)。

バリ島より静かで安価な環境を得る代わりに、利便性と選択肢を一部犠牲にするというトレードオフを理解した上での判断が重要です。

2026年のロンボク島|マンダリカ開発で変わる移住環境

2026年のロンボク島は、マンダリカ特別経済区の大規模開発により移住環境が大きく変化しています。

マンダリカ特別経済区の具体的な整備内容と投資規模の詳細は以下の通りです。

マンダリカ開発プロジェクト|整備項目別の詳細データ
整備項目 計画規模 完成済み(2024年9月) 進捗率
道路網 25.95km 18.52km 71.4%
上水道供給網 24.6km 3.61km 14.7%
送電網 34.2km 工事中 進行中
早期警報・避難施設 11か所 3か所 27.3%
ホテル客室 1,500室以上 1,500室以上 100%
太陽光発電施設 2019年からフル稼働 稼働中
空港バイパス高速道路 完成 100%
緑地面積 開発エリアの51% 確保済み
総投資額 30億米ドル(約4,500億円) 49.37%執行済み

出典:Asian Infrastructure Investment Bank「Indonesia : Mandalika Urban and Tourism Infrastructure – Project Implementation Monitoring Report (#12)」(2025年1月)、Discover Lombok Guide「Mandalika’s $3 Billion Surge and Lombok’s Flight Expansion Spark 2026 Tourism Boom」

インドネシア観光開発公社が主導する30億米ドル(約4,500億円)の投資プロジェクトは、1,250ヘクタールのリゾートエリアを対象としており、2024年9月時点で総工費の49.37%が執行済みです(*9)。具体的には、18.52キロメートルの道路網と3.61キロメートルの上水道供給網が完成しています。

さらに24.6キロメートルの上下水道網と34.2キロメートルの送電網の整備が進行中です。すでに1,500室以上のホテル客室が稼働しており、太陽光発電施設も2019年からフル稼働しています(*5)。

この開発により、マンダリカ周辺エリアの生活利便性は急速に向上しています。国際空港とマンダリカを結ぶバイパス高速道路も完成し、移動時間が大幅に短縮されました(*10)。

移住を検討する際は、マンダリカ特区周辺を選ぶことで開発の恩恵を直接受けられます。

ロンボク島移住の6大メリット|物価・自然・静けさで選ばれる理由

メリット1:物価が日本の40%で月10万円の低コスト生活が実現

ロンボク島の物価水準は日本の約40%で、月10万~15万円の予算で快適な生活が可能です(*11)。インドネシア統計局の最新データによると、2025年12月時点で西ヌサ・トゥンガラ州の消費者物価指数は110.26、年間インフレ率は3.01%と安定しています(*12)。

単身者のライフスタイル別の月間生活費内訳は以下の通りです。

ロンボク島|ライフスタイル別・月間生活費内訳(単身者)
費目 ローカルスタイル 快適なExpat向け プレミアムヴィラ
家賃(住居費) 2万5,000〜4万円
(シンプルアパート)
6万〜8万円
(ヴィラタイプ)
12万〜18万円
(高級ヴィラ)
食費 1万5,000〜2万円
(現地食中心)
3万〜3万5,000円
(現地食+外食)
4万5,000〜6万円
(西洋料理・輸入品)
交通費 5,000〜8,000円
(バイクレンタル)
1万〜1万5,000円
(バイク所有)
2万〜3万円
(車所有・タクシー)
光熱費・通信費 8,000〜1万円 1万〜1万2,000円 1万5,000〜2万円
娯楽・雑費 5,000〜1万円 1万5,000〜2万円 3万〜5万円
月間合計 6万〜9万円 10万〜16万円 18万〜28万円

出典:Sandy’s Lombok「How Much Does It Cost to Live in Lombok?」(2026年1月)、Synergy Pro「Cost of Living in Lombok vs. Bali」、Crafted Mom「Living in Lombok Cost of Living & Lifestyle Breakdown」

単身者の場合、ローカルスタイルの生活なら月6万~9万円、快適なExpat向けライフスタイルでも月10万~16万円で暮らせます(*13)。家賃は月8万円でヴィラタイプの住居を借りられ、食費は月3万5,000円、交通費は月1万円程度が目安です。バリ島と比較しても、住居費で約40~60%、日常生活費で15~25%安く抑えられます(*2)。

長期賃貸契約を結ぶことで、短期滞在より40~60%安い家賃が実現できます。ただし、輸入品や西洋料理を好む場合は食費が高くなるため、現地の食材や料理を取り入れることが節約のポイントです。

インドネシア全体の移住環境や主要都市との詳細比較については、こちらで詳しく書いています↓

メリット2:年間平均気温26〜28度の快適な気候で過ごしやすい

ロンボク島の気候は、年間を通じて平均気温26~28度という温暖で安定した環境です(*14)。マタラム市の1991~2020年の長期平均では、年間平均気温は27.1度、最高気温は31.5度、最低気温は22.9度と記録されています(*15)。

日中の気温は8月の30度から4月の32度の範囲で推移し、夜間は8月の20度から12月の23度と過ごしやすい水準です。海水温も年間を通じて27~29度と温暖で、マリンスポーツを楽しむのに最適な環境が整っています。

降水量は年間約1,514ミリメートルで、雨季(11月~3月)と乾季(4月~10月)が明確に分かれています(*16)。乾季は晴天が続き湿度も低いため、観光やアウトドア活動に適しています。

日本のような四季の寒暖差がなく、衣替えや暖房費の心配が不要な点も移住者にとって魅力です。

メリット3:バリ島より観光客が少なく静かな環境で暮らせる

ロンボク島の観光客数は、バリ島の約5分の1と大幅に少なく、静かで落ち着いた生活環境が保たれています。2024年の統計では、ロンボク島への訪問者数は約120万人だったのに対し、バリ島は630万人を超えました(*17)(*18)。

2025年のロンボク島における外国人観光客数の月別推移は以下の通りです。

ロンボク島|外国人観光客数の月別推移(2025年)

出典:BPS NTB(インドネシア統計局西ヌサ・トゥンガラ州)「Perkembangan Pariwisata Nusa Tenggara Barat April 2025」「Mei 2025」「Juli 2025」

※参考:バリ島の2024年年間観光客数は約630万人(ロンボク島の年間約120万人の5.25倍)

2025年の最新データでは、4月に7,812人、5月に8,641人、7月に7,784人の外国人観光客がロンボク国際空港経由で訪れており、観光業は着実に成長しています(*19)(*20)(*21)。しかし、バリ島のクタやスミニャックのような混雑は見られず、ビーチや観光地でも人混みを避けられます(*22)。

この静けさを求めて、特に家族連れの移住者がロンボク島を選ぶケースが増えています。交通渋滞がほとんどなく、バリ島のような観光化による地価高騰も限定的です。

本格的なリゾート開発と未開発の自然が共存しており、喧騒を避けながらも便利な生活を送れるバランスが魅力です。

バリ島の観光環境や不動産市場との詳しい比較については、こちらで詳しく書いています↓

メリット4:マンダリカ開発でインフラ整備が進み生活利便性が向上

マンダリカ特別経済区の開発により、ロンボク島のインフラは急速に整備されています。2024年9月時点で、25.95キロメートルの道路網整備のうち18.52キロメートルが完成し、24.6キロメートルの上水道網のうち3.61キロメートルが稼働開始しています(*9)。

開発は2段階で進められており、第1期(2019~2023年)では基幹インフラの整備、第2期(2024~2026年)ではホテル・リゾート施設と娯楽施設の拡充が行われています(*24)。さらに、国際空港とマンダリカを結ぶバイパス高速道路が完成し、移動時間が大幅に短縮されました(*10)。

電力面では、太陽光発電施設が2019年からフル稼働しており、緑地面積は開発エリアの51%を占めるなど、環境に配慮した設計が特徴です(*5)。早期警報・避難施設も11か所の建設が計画されており、2024年9月時点で3か所が完成しています。

マンダリカ周辺に居住することで、これらの整備された環境を活用できます。

マンダリカ開発の詳細な計画内容やビジネス環境については、こちらで詳しく書いています↓

メリット5:犯罪率が低く安心して暮らせる

ロンボク島を含む西ヌサ・トゥンガラ州は、犯罪発生率が比較的低く、暴力犯罪は極めて稀です。2023年の統計では、州全体で5,478件の犯罪が報告されており、2022年の4,205件から30.27%増加しましたが、人口比で見ると依然として低水準です(*25)(*26)。

2025年の中部ロンボク県のデータでは、640件の犯罪が報告され、そのうち482件(約75%)が解決されています(*27)。観光客を標的とした暴力犯罪はほとんどなく、2023年に200万人以上の観光客を受け入れたにもかかわらず、重大事件はほぼ発生していません(*7)。

比較的安全なエリアとして、センギギ(警察の常駐が多い)、ギリ諸島(コミュニティが密接で事件が少ない)、テテバトゥ(伝統的で平和な村落)が挙げられますが、観光地であるセンギギとギリ諸島では夜間のスリや置き引きなど軽犯罪への注意が必要です。

主な注意点はスリや置き引きなどの機会犯罪で、貴重品の管理を徹底すれば大きなリスクは回避できます。地元住民は誠実で親切な人が多いと評価されています。

メリット6:日本からバリ経由で約9〜10時間とアクセスしやすい

日本からロンボク島へは、シンガポール経由で約9~10時間でアクセスできます(*28)。

東京からシンガポールまでの飛行時間は約7時間、シンガポールからロンボク国際空港までは約2時間30分です。乗り継ぎ待機時間を含めた総所要時間は、最短で約12時間48分から、平均的には9時間26分~16時間程度となります(*29)(*30)。

バリ島を経由するルートも選択でき、バリからロンボクへはフェリーで1時間15分~5時間20分、または飛行機で約45分です(*31)。フェリーの平均運航時間は約3時間13分で、料金は比較的安価です。

直行便は現在運航されていませんが、1回の乗り継ぎで到達できる距離感は、定期的な帰国や家族の訪問を想定する移住者にとって大きなメリットです。ロンボク国際空港は2011年に開港した近代的施設で、国際線・国内線ともに便数が増加しており、今後さらなるアクセス改善が期待されています。

ロンボク島移住の5大デメリット|医療・教育・災害リスクの実態

デメリット1:高度医療施設がなくバリ島搬送が必要になる

ロンボク島には国際水準の総合病院が不足しており、重症・緊急時はバリ島への医療搬送が必要になります(*3)。

主要病院としてシロアム・ホスピタル・マタラム(50名以上の専門医、24時間救急対応)、マンダリカ病院(マンダリカ特区から車で10分)などがありますが、心臓外科や脳神経外科などの高度専門医療には対応していません。

緊急搬送サービスは、ボートでロンボク島内の病院へ搬送する方法と、ヘリコプターでバリ島の医療機関へ搬送する方法があります(*32)。ヘリコプター搬送は、心臓発作・脳卒中・重度外傷など、時間が重要な症例で利用されます。

バリ島の病院が提供する医療搬送プログラムの年間費用は、単身で292万5,000ルピア(約2万9,250円)、夫婦で439万4,000ルピア(約4万3,940円)です(*33)。このプログラムは70歳まで加入でき、商用航空機・ヘリコプター・専用医療機での搬送手配を含みます。移住者は海外旅行保険への加入が強く推奨されます。

デメリット2:インターナショナルスクールが4校のみで選択肢が少ない

ロンボク島とバリ島のインターナショナルスクール環境の詳細比較は以下の通りです。

ロンボク島 vs バリ島|インターナショナルスクール環境比較
比較項目 ロンボク島 バリ島
学校数 4校 15校以上
年間授業料範囲 1,300〜4,116米ドル
(約19万5,000〜61万7,400円)
2,700〜2万米ドル以上
(約40万5,000〜300万円以上)
主要校例 ・マンダリカ・インターカルチュラル・スクール(MIS)
・セコラ・ヌサ・アラム(SNA)
・ロンボク・インターナショナル・スクール(LIS)
・グローバル・ジャヤ・スクール
・Green School Bali
・Bali International School
・Canggu Community School
・その他12校以上
初年度登録料 950万ルピア
(約9万5,000円)
100万〜500万ルピア
(約1万〜5万円)
国際バカロレア(IB)認定校 なし 複数あり
日本語教育プログラム なし 一部あり
カリキュラム多様性 限定的
(主に英米カリキュラム)
豊富
(IB、英米、豪州、シンガポール等)
所在地の分散 マタラム・クタに集中 島内各地に分散
オンライン教育併用の必要性 高い
(選択肢補完のため推奨)
低い
(通学のみで完結可能)

出典:Little Steps Asia「Best International Schools In Lombok, Indonesia」、Make The Move「Which school and how much for expat kids in Indonesia?」、International Schools Database「Mandalika Intercultural School Fees」

ロンボク島のインターナショナルスクールはわずか4校で、バリ島の15校以上と比較して教育の選択肢が大幅に限られます(*34)。主要校はマンダリカ・インターカルチュラル・スクール(クタ所在)、セコラ・ヌサ・アラム(マタラム所在)、ロンボク・インターナショナル・スクール(マタラム所在)、グローバル・ジャヤ・スクールです(*8)。

年間授業料はマンダリカ・インターカルチュラル・スクールで約1,300~3,100米ドル(約19万5,000~46万5,000円)、初年度登録料は950万ルピア(約9万5,000円)です(*34)(*35)。セコラ・ヌサ・アラムは年間約1,330~4,116米ドル(約19万9,500~61万7,400円)となっています。

バリ島では年間授業料が2,700~2万米ドル以上(約40万5,000~300万円以上)と幅広い選択肢がある一方、ロンボク島は比較的低価格帯に集中しています。日本語教育プログラムや国際バカロレア認定校はなく、教育環境を重視する家族には大きな制約となります。

オンライン教育の併用で学習レベルを維持する工夫が必要です。

デメリット3:公共交通機関がなくバイク・車の運転が必須になる

ロンボク島には包括的な公共交通網がなく、移動にはバイクまたは車の運転が事実上必須です。公共バスは空港~マタラム(片道2万5,000ルピア、約250円)、空港~アンペナン(片道3万5,000ルピア、約350円)、空港~センギギ間を運行していますが、運行時間は午前4時~午後10時に限られます(*36)。

ベモ(改造ミニバン)が市街地や村落内の主要交通手段ですが、センギギより北や夜間は運行が少なく、チャーターが必要になります。南部クタエリアではタクシーの降車は可能ですが、乗車はできず、配車アプリも利用できません(*37)。

スクーター(バイク)のレンタル料金は1日あたり6万5,000~7万5,000ルピア(約650~750円)が相場です。国際運転免許証(バイク運転許可を含む)の取得が必要で、運転経験がない場合は事前に講習を受けることが推奨されます。車を所有する場合は、駐車場付き住居の確保と維持費の予算化が必要です。

デメリット4:地震・津波の自然災害リスクが高い

ロンボク島は環太平洋火山帯に位置し、地震・津波の発生リスクが高い地域です。2018年には7月29日にマグニチュード6.4、8月5日にマグニチュード6.9、8月19日に再び地震が発生し、北部・東部・西部・中部ロンボク県とマタラム市で14~20名以上の死者、135名以上の負傷者、1万4,706名の避難者が出ました(*38)。

津波シミュレーションによると、フローレス断層帯での地震発生時、マタラムには9分以内に津波が到達し、波高は1.6~2.7メートル、内陸部への浸水距離は北海岸で55~140メートル、南海岸で230メートルに達する可能性があります(*39)。歴史的にも、1800年以降にマグニチュード6.5以上の津波を伴う地震が少なくとも6回発生しています。

西ヌサ・トゥンガラ地域では、マグニチュード6.0の地震が5~18年の周期で発生しています(*40)。2023年時点で中部ロンボク県の154村落のうち、災害対応チームが設置されているのは46か所(29.87%)のみです(*41)。

移住者は地震発生時の避難場所を事前確認し、2週間分の食料・水を備蓄することが重要です。

デメリット5:年間約550回の停電(1日平均1.5回)が発生し電力供給が不安定

ロンボク島を含む西ヌサ・トゥンガラ州は、電力供給の信頼性が著しく低い状況です。インドネシア国営電力会社の2020年統計によると、年間停電回数は550.60回、つまり1日平均1.5回の停電が発生しています(*42)。年間停電時間は635.44分、年間合計約10.6時間の停電が記録されています。

ロンボク島(西ヌサ・トゥンガラ州)とバリ島の電力供給信頼性の比較は以下の通りです。

ロンボク島 vs バリ島|年間停電回数・停電時間の比較(2020年データ)

出典:PLN (State Electricity Company)「Statistics PLN 2020」

補足:SAIFI(System Average Interruption Frequency Index)= 年間停電回数、SAIDI(System Average Interruption Duration Index)= 年間停電時間
※ロンボク島の年間停電回数550.60回 = 1日平均1.5回、年間停電時間635.44分 = 約10.6時間

この数値はバリ島の年間停電時間8.65分と比較すると約73倍悪く、インフラ格差が顕著です。電力供給の94基のディーゼル発電機(総容量168メガワット)が総発電量の約30%を占めており、架空送電線は樹木による損傷を受けやすく、電圧降下やサービス低下の原因となっています(*43)。

マンダリカ特区周辺では太陽光発電施設が稼働し、34.2キロメートルの送電網整備が進行中のため、状況は改善傾向にあります(*9)。それでも、移住者は無停電電源装置や発電機の準備、重要データのクラウドバックアップ、停電対応の冷蔵庫など、電力不安定に対する備えが必要です。

ロンボク島移住前に知るべき注意点と対策|治安・医療・災害の備え

治安:スリ対策と避けるべきエリア・時間帯

ロンボク島の主な治安リスクは、スリ・置き引き・ひったくりなどの軽犯罪です(*44)。

特にクタ、センギギ、ギリ諸島などの観光地では、昼間は比較的安全ですが、夜間外出時(特に午後11時以降)は注意が必要です(*7)。

英国政府の渡航情報では、バリ島・ロンボク島・ギリ諸島で性的暴行の報告があり、夜間の外出時は照明が不十分なエリアを避けるよう警告しています。米国海外安全保障評議会の2025年報告では、バリ島でスリ・ひったくり・詐欺などの機会犯罪の増加が確認されており、ロンボク島やギリ諸島でも飲み物への薬物混入事例が報告されています(*45)。

対策としては、貴重品をホテルの金庫に保管する、ビーチで荷物を放置しない、バイクを混雑エリアに駐車する際は施錠する、夜間は人気のない場所を一人で歩かないことが重要です。避けるべき時間帯は深夜(午後11時以降)で、特に繁華街以外のエリアでは単独行動を控えるべきです。

センギギビーチ沿いなど警察の巡回が見られる人通りの多いエリアを選び、明るい時間帯に行動することで安全性が高まります。

医療:バリ島搬送費用と海外保険の必要性

ロンボク島からバリ島への医療搬送は高額で、海外旅行保険または医療搬送プログラムへの加入が必須です(*1)。

バリ島の病院が提供する医療搬送プログラムは、年間費用が単身で292万5,000ルピア(約2万9,250円)、夫婦で439万4,000ルピア(約4万3,940円)、家族(夫婦+子ども4名まで)で585万ルピア(約5万8,500円)です(*33)。

このプログラムには70歳までの加入制限があり、商用航空機・ヘリコプター・専用医療機による搬送手配、24時間緊急連絡対応が含まれます。ヘリコプター搬送は心臓発作・脳卒中・重度外傷など時間的制約のある症例で利用され、最速でバリ島の病院に搬送されます(*32)。

海外旅行保険を選ぶ際は、医療搬送費用が十分にカバーされているか、ロンボク島が対象地域に含まれているか、緊急連絡先が24時間対応かを確認してください。ギリ・トラワンガンの診療所は基本的な医療サービスのみで、専門医療が必要な場合はロンボク島本島またはバリ島の病院に頼ることになります。

災害:地震リスクと備蓄・避難経路の確認

地震・津波リスクに対する備えとして、避難経路の事前確認と2週間分の備蓄が重要です。マタラムでは地震後9分以内に津波が到達する可能性があり、即座の避難が必要です(*39)。インドネシア政府は2017年に地震ハザードマップを改訂し、西ヌサ・トゥンガラ州全域が地震リスクゾーンに指定されています(*46)。

中部ロンボク県では、洪水・高波・地震・干ばつ・異常気象・土砂崩れ・鉄砲水・津波・リンジャニ山噴火・山火事など多様な災害リスクがあります(*41)。2023年時点で災害対応チームが設置されているのは154村落中46か所のみで、住民自身の備えが不可欠です。

具体的な対策として、居住地の標高と最寄りの高台を確認する、地震発生時の屋内退避場所(丈夫なテーブルの下など)を決める、水・非常食・懐中電灯・ラジオ・救急セットを2週間分備蓄する、家族との連絡方法を事前に決めておくことが推奨されます。

マンダリカ特区では早期警報・避難施設が整備されており、周辺居住者は避難訓練に参加することで備えを強化できます。

FAQ|ロンボク島移住のメリット・デメリットでよくある質問

ロンボク島移住とバリ島移住はどちらがおすすめ?

ロンボク島は静かな環境と低コストを重視する方におすすめです。

物価はバリ島より15~25%安く、観光客数も約5分の1のため、混雑を避けて暮らせます。一方、バリ島は医療施設・教育機関・娯楽施設が充実しており、西洋の利便性を求める方に適しています。

ロンボク島移住はどんな人に向いてる?

自然志向のライフスタイルを好み、利便性より静けさを優先できる方に向いています。

具体的には、リモートワーク可能なデジタルノマド、サーフィンなどアクティビティ重視の方、生活費を抑えたいリタイア層、バイク運転に抵抗がない方です。医療・教育の選択肢が限られることを許容できる柔軟性が求められます。

ロンボク島移住の生活費は月いくら必要?

単身者の場合、月10万~16万円で快適なExpat向けライフスタイルが実現できます。

内訳は家賃8万円、食費3万5,000円、交通費1万円、光熱費・通信費1万円、その他1万5,000円が目安です。ローカルスタイルなら月6万~9万円、プレミアムなヴィラ生活なら月18万~28万円以上となります。

まとめ|ロンボク島移住のメリット・デメリットと成功の3ステップ

ロンボク島移住は、静かな環境と低コスト(月10万円~)を実現できる一方、医療・教育・インフラに制約がある選択肢です。2026年現在、マンダリカ特区の30億米ドル(約4,500億円)規模の開発により、インフラは急速に改善しています。

移住成功の3ステップは、①自身のライフスタイルとの適合性を見極める(医療ニーズ・運転可否・静けさ重視度)、②海外旅行保険と医療搬送プログラムに加入する(年間約2万9,250円~)、③マンダリカ周辺など開発エリアを居住地に選び災害対策を徹底する、です。

バリ島と比較して観光客が約5分の1、物価が15~25%安く、年間約550回の停電(1日平均1.5回)という現実を理解した上で、静かな環境を優先できる方に適しています。

移住前の下見滞在で、生活環境・医療アクセス・災害リスクを実際に確認することが、後悔のない移住の鍵となります。

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執筆者

高橋 卓のアバター 高橋 卓 海外不動産のオクマン 代表

2014年:はぐくみカンパニー株式会社、代表取締役に就任
2017年:株式会社純な、代表取締役に就任
2018年:はぐくみカンパニーカンパニー株式会社を株式譲渡し退任
2023年以降:日本企業の進出コンサルティングと海外不動産メディアの運営に注力(バンコクのベイカリーショップ、小麦の王国立ち上げ等)

現在バンコク在住。海外不動産投資のことならお気軽にご相談ください。

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