【2025年最新】カンボジアへの不動産投資の基礎知識!有望な環境を詳しく解説

2025年のカンボジア不動産市場
急成長の背景と本当の理由
カンボジア不動産市場は、2020年代に入ってから目覚ましい成長を遂げています。2025年現在、多くの投資家がカンボジアに注目する背景には、同国がもともと「若年層が多く、経済成長が続く新興国」であること、さらに衣料品や農産物の輸出、観光業の発展など、複数の産業が同時に拡大している点が挙げられます。特に首都プノンペンを中心として都市開発が進み、国際企業の進出が加速しているため、住宅や商業施設、オフィスの需要が急増しているのです。
また、カンボジア経済の要と言われる観光業は、アンコール遺跡群が世界的に知られるシェムリアップなどを中心に拡大し続けています。観光客の増加はホテル需要やリゾート物件の建設ラッシュにつながり、現地の雇用拡大や消費活動の活性化につながります。その結果、都市部のインフラ整備や不動産開発が同時進行し、不動産市場全体を底上げしているのです。
さらに、最近はASEAN諸国との結びつきがより一層強まり、関税や投資に関する優遇措置が増加傾向にあります。日本企業や欧米の投資家のみならず、中国や韓国など、アジア近隣諸国からの投資資本も大量に流入していることが、カンボジア不動産市場を一層魅力的に感じさせる要因です。なお、2023年8月に長年首相を務めたフン・セン氏が退任し、息子のフン・マネット氏が新首相に就任したばかりであり、今後の法改正や税制変更の可能性にも注視が必要です。 一般的には政治・社会情勢は比較的安定していると見られていますが、政権交代による影響を見極めることも大切でしょう。
これから投資を検討する方にとっては、早めに現地の最新情報を把握し、市場の動向を見極めた上での投資判断が求められます。
経済インフラ強化の要点
対外直接投資が不動産を押し上げる理由
カンボジア政府は、経済発展を支えるためにインフラ整備と対外直接投資の拡大に注力しています。特に首都プノンペンを結ぶ高速道路や国際空港の拡張、水資源や電力供給網の強化など、大規模インフラプロジェクトを積極的に推進中です。これらのプロジェクトが進展するとビジネス環境が飛躍的に向上し、さらなる外資の呼び込みにつながると期待されています。
たとえば、中国や韓国、日本などからの大型投資は、工業団地の設立や商業エリアの開発などに注がれています。JETROのレポートでも紹介されているように、カンボジアは投資優遇策を整備しているため、比較的参入しやすい国として認識されてきました。また、近年では情報通信技術(ICT)分野やスタートアップ支援にも力を入れはじめ、カンボジア国内で起業を希望する外国人の数も増えている状況です。
このような政府の取り組みや対外投資の増加は、プノンペンやシアヌークビルなどの都市部を中心とした不動産価格の高騰を牽引します。とりわけ、商業ビルやホテル、コンドミニアムなどが集積する中心部は、地価上昇のペースが非常に速いです。今後インフラがさらに整備されれば、新たなエリアの開発が促進され、不動産投資の魅力がますます増すことでしょう。
インフラ整備の進展は、カンボジア不動産の将来性を語る上で欠かせない要素となっています。

上図:カンボジアへの対外直接投資推移を示すグラフ(2025年予測を含む)
必須知識とライセンス
カンボジア不動産関連法規を押さえる重要性
カンボジアで不動産投資を行う際は、関連法規とライセンスの仕組みを理解しておく必要があります。特に重要なのは「外国人が土地を所有できない」点で、一般的には外国人はコンドミニアム(マンションの上層階)を所有する形が主流です。一戸建てや土地を直接購入できるわけではないため、投資対象物件の種類には制限があります。
さらに、賃貸契約や売買契約を結ぶ際の契約手続きも、日本とは大きく異なる場合があります。権利関係の書類が不十分な物件や、所有権の名義が曖昧なケースも散見されるため、信頼できる不動産エージェントや現地の法律事務所との連携が不可欠です。また、土地付き物件を実質的に外国人が所有するスキーム(現地法人設立やノミニー契約など)には、将来的な法改正や政情変化で無効化されるリスクが指摘されていることも覚えておきましょう。
カンボジアの不動産投資では「ライセンス保持者が仲介を行う」ことが理想とされています。無許可のブローカーや経験の浅い仲介業者を利用すると、契約面やトラブル対応で苦労する可能性が高まります。購入時の移転税(譲渡税)や賃貸収入に対する所得税などの税制を正しく理解し、期限内に納付を行うことも重要なポイントです。
法規制の理解と専門家の活用が、投資成功の鍵を握るといっても過言ではありません。
物件タイプの特徴
コンドミニアム・一戸建て・土地・商業物件の違い
カンボジア不動産投資では、大きく分けて以下の4種類が主要な投資対象となります。
- コンドミニアム
・メリット:外国人でも所有できる、都市部で需要が高い、賃貸需要が旺盛
・デメリット:共同管理費や維持コストがかかる、価格変動リスクがある
- 一戸建て
・メリット:土地付き住宅として長期的な値上がりが期待できる
・デメリット:原則として外国人は直接所有できないため、信頼できるパートナーとの法人設立など特別なスキームが必要
- 土地
・メリット:将来的な転売益が大きい可能性がある、開発プロジェクトに乗じて価格が急上昇することも
・デメリット:外国人が直接所有できないため、現地法人を設立して購入するか、名義人を立てる必要がある
- 商業物件(店舗・オフィスなど)
・メリット:企業進出が進むエリアでは賃貸需要が高く、安定収益が得られる可能性
・デメリット:立地選びやテナント誘致が難しく、一定のビジネス知識が求められる
投資家の資金力や運用期間、リスク許容度に合わせて物件タイプを選ぶことが、最大リターンを狙う近道です。
物件タイプ | メリット | デメリット |
---|---|---|
コンドミニアム |
・外国人でも所有できる ・都市部で需要が高く、賃貸ニーズが旺盛 |
・共同管理費や維持コストがかかる ・価格変動リスクがある |
一戸建て |
・土地付き住宅として長期的な値上がりが期待できる ・建物に自由度がある |
・原則として外国人は直接所有できない ・購入時にはパートナーや法人設立などの特別スキームが必要 |
土地 |
・将来的な転売益が大きい可能性 ・開発プロジェクトの進展で価格が急上昇するケースも |
・外国人が直接所有できない ・権利関係が不明瞭な場合があるため、慎重な調査が必要 |
商業物件 (店舗・オフィスなど) |
・企業進出が進むエリアでは賃貸需要が高く、安定収益が狙える ・商業エリアの再開発に乗じた資産価値向上に期待 |
・立地選びやテナント誘致が難しい ・ビジネス知識や管理ノウハウを要する |
プノンペンの最新事情
開発エリアと再開発計画が示す投資チャンス
カンボジアの首都プノンペンは、人口増加と都市化が急速に進んでいる代表的な都市です。中心部では商業ビルやコンドミニアム建設が盛んに行われ、再開発事業も活発化しています。具体的には、政府や民間が共同で大型ショッピングセンターやオフィスビルを建設し、国際企業の進出先として整備を進めているのです。
また、プノンペン市内における公共交通の拡張計画も注目度が高いポイントです。バス路線の整備だけでなく、将来的には都市鉄道やLRT(ライトレールトランジット)の導入も検討されています。これにより、中心部だけでなく郊外にある地域にもアクセスが向上し、不動産開発のチャンスが広がることが予想されます。
さらに、プノンペンの不動産価格は同じ東南アジアの主要都市と比べると、まだまだ割安感があるのも投資家を引き付ける理由のひとつです。シンガポールやバンコクに比べると、単価は低めに設定されているケースが多く、将来的な値上がりを期待できる可能性があります。ただし、市街地中心部の物件は既に値上がりが目立っており、今後は郊外への投資が注目される可能性も高いでしょう。
都市交通と再開発計画をチェックすることが、プノンペン投資の重要なステップです。

地方エリアの可能性
シェムリアップ・シアヌークビル・バッタンバンの注目点
カンボジアではプノンペン以外にも、シェムリアップ、シアヌークビル、バッタンバンといった都市部が注目を集めています。それぞれの地域で特徴や主要産業が異なり、不動産投資の魅力も多様です。
- シェムリアップ
観光の拠点となるアンコール・ワットが最大の呼び物。ホテルやゲストハウスなど宿泊施設への需要が安定しており、観光業関連の投資案件が豊富です。特にコロナ禍後の観光復活に伴い、ホテル再開発プロジェクトも活発化しています。
- シアヌークビル
カンボジアの主要港湾都市で、中国資本を中心にカジノやリゾート開発が進んでいます。一方で、工業団地や物流拠点としても整備が進められており、商業物件や長期賃貸物件への投資チャンスが期待されます。ただし、近年は急激な開発による景観や治安面での課題も指摘されており、エリア選定には細心の注意が必要です.
- バッタンバン
農業地帯として知られるバッタンバンは、近年観光地としての知名度も上昇中です。農産物の集散地として物流インフラが整いつつあり、長期的な視点で見れば倉庫などの商業物件、あるいは農業関連施設に投資するチャンスがあります。まだまだ開発の余地が残されているため、将来的な地価上昇を期待できる地域とも言われています。
地方都市にはプノンペンにない投資メリットが潜んでいるため、視野を広げることが肝要です。
初期費用と資金調達
自己資金・ローン・海外融資の実情
カンボジア不動産投資に必要な初期費用は、日本国内で不動産を買う場合と同様、物件価格と各種諸経費(契約手数料、移転税〔譲渡税〕、弁護士費用、不動産仲介手数料など)から構成されます。カンボジアでは、物件価格に対して約4%ほどの移転税がかかるのが一般的です(物件の種類や契約形態によって多少異なる場合がありますが、JETROなどの情報によれば4%が目安とされています)。
資金調達方法としては、自己資金だけでなく、日本の銀行からの融資、あるいはカンボジア現地の銀行ローンを利用する選択肢があります。しかし、日本の金融機関は海外不動産投資向けローンには厳しい姿勢をとるケースが多く、担保評価の問題で思うような金額を借りられないことがあります。また、カンボジア現地の銀行でも外国人向けローンは金利が高止まりしがちで、与信や担保条件が厳しいため、思うように融資が受けられない可能性があります。
さらに、海外融資専門の金融サービスや、投資家同士が組合を作る形で出資を募る「シンジケートローン」などの手法を活用する例もあります。いずれにしても、海外不動産投資は流動性や為替リスクが伴うため、十分なリスクヘッジや資金管理の仕組みを整えることが重要です。無理のない範囲で投資規模を設定し、キャッシュフローをしっかりとシミュレーションするようにしましょう。
初期費用の把握と適切な資金調達は、安定した運用を続けるための基盤となります。
費用項目 | 目安費用 | 備考 |
---|---|---|
物件価格 | ― | 投資する物件の購入価格。都市部では価格差が大きいため要調査 |
印紙税(移転税) | 約4.0% | 物件価格に対して課税。カンボジアでは一般的に4%が目安とされる |
不動産仲介手数料 | 1〜2% | 物件価格に応じた仲介報酬。仲介業者によって異なる |
契約手数料 | 300〜500 USD | 売買契約書の作成や手続きにかかる費用。交渉次第で変動あり |
弁護士費用 | 500〜1,000 USD | 権利関係の確認やリスクヘッジのため、専門家に依頼する場合の費用 |
融資関連手数料 | ― | 日本・海外の金融機関ローンを利用する際、審査手数料や保証料などが発生 |
リスク管理・トラブル回避
カンボジア特有の課題と対処法
カンボジア不動産投資には多くのチャンスがある一方で、リスクやトラブルが存在するのも事実です。以下に主なリスクを挙げ、それぞれの回避策を考えてみましょう。
- 所有権・権利関係の不明瞭さ
対策:信頼できる不動産エージェントや弁護士を選び、公的機関発行の登記書類を必ず確認する
- 政治・社会情勢の変動リスク
対策:最新の政治・経済ニュースを注視し、情勢が不安定になった際の撤退戦略をあらかじめ検討する。汚職や不透明な取引慣行が指摘される点も踏まえ、許認可やライセンス取得には余分なコストと時間がかかる可能性があります。
- 為替リスク・資金の持ち出しリスク
対策:資産を複数の国や通貨で分散投資し、カンボジア国外への送金方法を確保しておく
- 現地パートナーとのトラブル
対策:契約書を厳格に作成し、お互いの責任範囲や報酬形態を明確化する
適切なリスク管理は、想定外のトラブルから大切な資産を守るために欠かせません。
現地パートナーと管理会社選び
サポートを得るためのチェックポイント
海外不動産投資では、現地での管理業務や契約手続き、税務申告などをサポートしてくれるパートナーが不可欠です。カンボジアでは、日本語対応可能な管理会社や不動産エージェントも増えていますが、その中から信頼できる企業を見つけるのは簡単ではありません。以下のチェックポイントを参考にしてみてください。
- 実績と専門性
過去にどのような投資家をサポートしてきたのか、物件運用や税務、法務の実務に精通しているかを確認する。
- ライセンスや公的機関とのつながり
正式にライセンスを取得しているかどうか、JETROや商工会など公的機関からの評価はどうかを調査する。
- コミュニケーション体制
定期的に報告を行い、問題が発生した際に素早く連絡が取れるか。現地スタッフとの連携が円滑に行われているか。
- 手数料や管理費の透明性
契約時に提示される費用の内訳が明確かどうか。追加料金の発生条件もあらかじめ確認する。
優良なパートナーを見つけることは、不動産投資の成功率を飛躍的に高める要因となります。
商業・工業・観光の発展計画
2025年以降のカンボジア不動産を読む
カンボジア政府は、商業・工業・観光といった主要セクターをさらに成長させるべく、中長期の開発計画を策定しています。たとえば、プノンペン近郊の工業団地への外資誘致や、シアヌークビルの港湾拡張計画などが進められており、これらが実現すれば物流や商業活動が活発化し、不動産需要は一段と高まることでしょう。
観光分野では、アンコール遺跡群以外にも自然遺産やビーチリゾートの開発が注目されています。国際線の就航先を増やすことで、欧米や中東からの観光客も取り込もうとする動きが見られます。観光客が増えるとホテルやレジャー施設、飲食店の需要が増加し、その周辺の不動産価格が上昇しやすくなるのです。
カンボジアは「すでに飽和した先進国市場」とは異なり、まだまだ「伸びしろ」が大きい新興市場といえます。2025年以降もこれらの産業発展の波に乗り続ける形で、不動産市場も拡大すると予想されています。ただし、国際的な景気後退や地域紛争、自然災害などの外的要因が市場の変動要素になる可能性も否定できません。中長期の視点で投資判断を行う際は、世界経済やカンボジア国内の政治・経済の安定性を総合的に考慮する必要があります。
多角的な視点でカンボジアの開発計画を捉えれば、将来性の高いエリアやセクターを見極めやすくなります。
2025年以降のカンボジア不動産需要に向けたフローチャート
(高速道路、港湾拡張、空港拡張など)
(工業団地への投資、自由貿易区の拡充 など)
・商業:新規ショッピングモール、オフィスビル開発
・工業:物流拠点・工場用地への需要拡大
・観光:ホテル・リゾート開発による雇用増
(経済活性化により可処分所得が増大)
・商業用物件(ショッピングセンター・オフィスなど)
・住宅用物件(コンドミニアム、一戸建て など)
・工業用地(倉庫・工場用地など)
投資事例から学ぶポイント
成功・失敗を分ける具体例
ここでは、実際にカンボジア不動産投資で成功した事例と、失敗してしまった事例をいくつかピックアップし、そのポイントを学びます。
- 成功事例:コンドミニアムの賃貸運用で高利回りを実現
プノンペン中心部の高級コンドミニアムに投資したAさんは、国内外のビジネスマンや外交関係者を主な入居者として想定。立地の良さから安定した賃貸収入を得られ、管理会社との協力で空室リスクを最小限に抑えることに成功しました。結果的に物件価格が上昇し、転売時にも大きなキャピタルゲインを得られたとのことです。
- 失敗事例:所有権が不確かな土地を購入しトラブルに
名義の確認が曖昧な状態で土地を購入してしまったBさんは、後に元の所有者と称する人物が現れ、権利を主張する事態に発展。裁判手続きや書類不備が多数見つかり、購入価格の一部を損失する結果となりました。Bさんは現地の法制度に精通する専門家を介さずに契約を進めたため、リスクを十分に把握できなかったことが失敗の原因とされています。
投資事例から学べるのは、充分な情報収集と専門家の活用が不可欠ということです。
税制優遇・投資インセンティブ
減税措置と手続きのポイント
カンボジア政府は、海外投資家を呼び込むためにさまざまな税制優遇や投資インセンティブを導入しています。たとえば、一定期間にわたる法人税の免除や減税措置、輸入関税の優遇などが代表的です。これらの措置を受けるためには、投資対象が政府指定の重点分野(工業開発、観光、農業など)に該当する必要がある場合があります。
不動産投資においては、開発型投資(ホテルや商業施設の建設など)が該当することが多く、投資額や雇用創出の規模によって優遇措置が変動します。また、特定の工業団地や経済特区では追加の減税やインセンティブが適用されるケースもあるため、事前の情報収集が重要です。必要書類の提出や審査手続きには時間がかかる場合があるので、早めに計画を立て、専門家やエージェントのサポートを受けることが賢明でしょう。
加えて、カンボジアでは将来的にキャピタルゲイン税(不動産売却益への課税)が検討されているといわれます。 まだ本格運用されていないものの、政策が変われば転売時の利益に税金がかかる可能性があるため、最新の税制変更情報を追いかける必要があります。税制メリットを活用できれば、投資回収期間を短縮できる可能性があるため、積極的に検討する価値があります。
税制優遇を上手に活用することで、投資効率を大幅に高めることが可能です。
保有戦略を考える
長期か短期か?リターン別の発想
カンボジア不動産投資では、大きく分けて「長期保有型」と「短期転売型」の2つの戦略が考えられます。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自身の資金状況やリスク許容度、投資目標に応じて選択しましょう。
- 長期保有型
・メリット:賃貸収入を安定的に得られる可能性が高い。インフラ整備や都市開発が進めば、物件価値が上昇しやすい。
・デメリット:管理コストや維持費がかかる。市場変動や政情不安が長期的に影響を及ぼす場合がある。
- 短期転売型
・メリット:ディベロッパーのプリセール段階で安く購入し、完成後や開発進行中に値上がりしたタイミングで売却することで大きなキャピタルゲインを得られる。
・デメリット:売却時期の見極めが難しく、買い手がつかないまま保有期間が延びる場合がある。短期売却を前提とすると、賃貸収入は得にくい。
自身の投資スタイルを明確にしたうえで戦略を立てることが、高いリターンを得る大前提となります。
政治・社会情勢を見据える
不動産市場へ与える影響
カンボジアは近年、政権が比較的安定し、海外からの投資を積極的に受け入れてきました。しかしながら、今後の政治・社会情勢が変化すれば、不動産市場への影響も大きく左右されます。具体的には、以下のようなシナリオが考えられます。
- 政情安定が継続する場合
国際関係を良好に保ち続け、インフラ投資や海外資本の誘致がさらに加速する可能性があります。結果的に不動産価格の上昇や大規模開発が進行し、投資家にとっても追い風となるでしょう。
- 政治的緊張が高まる場合
選挙や政権交代、周辺国との外交摩擦などがきっかけで、投資家がカントリーリスクを懸念する可能性があります。資金流出が起きると不動産価格の成長が鈍化し、投資環境が厳しくなる恐れもあるでしょう。
また、社会情勢の変化としては、若年人口の労働市場への参入や都市への人口流入がどの程度続くかが鍵を握ります。経済成長による所得水準の向上が維持されれば、住宅ローンを組む中間層が拡大し、コンドミニアムや一戸建てに対する需要が高まりやすくなります。逆に、賃金停滞や雇用不安が顕著になると、物件価格の伸びが停滞する可能性も否定できません。
政治・社会情勢は不動産市場の根幹を左右する要因であり、継続的な情報収集が大切です。
まとめ
今こそ狙いたいカンボジア不動産投資
カンボジア不動産投資は、2025年に入ってもなお成長余地が大きく、魅力的な投資先として注目を集めています。首都プノンペンの急速な都市開発やシェムリアップ、シアヌークビル、バッタンバンといった主要都市の拡張計画、さらには観光業・工業の発展による経済成長の継続など、ポジティブな要素が数多く見られます。
一方で、所有権の制限や政治・社会情勢の変動リスク、税制や法手続きの複雑さなど、慎重な対応が求められるリスク要因も存在します。成功するためには、現地パートナーや管理会社の選定、法務・税務の知識、資金調達方法の検討など、念入りな準備を欠かすことはできません。
なお、2025年現在の経済成長率については、IMFが5.8%、ADBが6.0%と予測しており、観光業や製造業のさらなる成長を後押しすると見られています。また、2021年10月15日に施行された新投資法ではオンライン登録や優先分野の追加が進み、海外投資家へのインセンティブが拡充されています。加えて、最低賃金は月額208ドルに引き上げられ、ベトナム(最高196ドル)よりやや高く、タイ(主要都市部372ドル)よりは低い水準です。ASEAN経済共同体(AEC)の進展により関税撤廃が進む一方、非関税障壁の削減や規制の調和といった課題も残されています。
長期保有か短期転売かを含む投資戦略を明確にし、物件タイプやエリアを的確に選択すれば、賃貸収入や転売益を通じて大きなリターンを得られる可能性は十分にあります。カンボジア不動産投資は、他の新興国と比較してもまだ割安感があり、今後のインフラ整備や経済成長による上昇余地が期待される市場といえるでしょう。
常に最新の情報を収集し、JETROなどの公的機関が提供するデータや専門家のアドバイスを活用して、堅実かつ大胆な投資活動を目指してください。