カンボジアへの不動産投資のメリットとデメリットを徹底解説!おすすめエリア

プノンペン
目次

はじめに:カンボジア不動産投資は本当に儲かるの?

カンボジアは近年、高い経済成長率と外資の積極的な進出を背景に、不動産投資の注目度が急上昇している国の一つです。「カンボジア不動産投資」というキーワードで検索すると、多くの情報が飛び交い、その将来性を期待する声もあれば、リスクに対する懸念を示す意見も見受けられます。実際のところ、カンボジアで不動産投資を行うことは本当に儲かるのでしょうか?

本記事では、カンボジア不動産投資のメリットとデメリットを徹底的に解説するとともに、どのエリアが実際におすすめなのかをわかりやすくまとめています。具体的な利回りの目安や法規制の現状、注意点など、投資を検討するうえで把握しておくべきポイントを網羅してご紹介します。最後までお読みいただくことで、カンボジア不動産投資の全体像をしっかりと理解できるはずです。

プノンペンのビル群

カンボジア不動産投資のメリット①:高い利回りが期待できる

都心部で狙える高利回り

カンボジア不動産投資の最大の魅力の一つが「高利回り」です。主要都市プノンペンでは、都心部のコンドミニアムやサービスアパートメントを中心に、年間5〜8%程度の表面利回りを期待できるケースが多く報告されています。立地や物件のグレードによっては、さらに高い利回りを狙う投資家も存在します。

物件タイプ表面利回り(%)補足(需要層やエリア特性)
コンドミニアム5〜8都心部に集中し、富裕層や駐在員からの需要が高い
サービスアパートメント6〜10短中期滞在の外国人向けに需要があり、ホテル的なサービスを提供
一戸建て5前後郊外エリア中心で、ローカル需要と長期滞在ファミリー層がメイン

観光国としての地位

カンボジアは世界的な観光国としての地位も確立しつつあり、特にプノンペンでは外資系企業の進出が顕著です。そのため、駐在員向けの高級コンドミニアムやサービスアパートメントに一定の需要が存在します。こうした物件は賃料が高めに設定されており、投資家にとっては魅力的な収益源となるでしょう。

さらに、カンボジアでは土地や建物の取得コストが一部の東南アジア諸国と比べてまだ低いケースが多く、物件価格の上昇余地が残されていると考える投資家も少なくありません。都心部での物件取得価格は上がりつつありますが、それでもシンガポールや香港、東京などと比べると手の届きやすいレベルだといえます。


カンボジア不動産投資のメリット②:今後の市場拡大とインフラ開発

カンボジアの不動産市場は、依然として“発展途上”の段階にあります。これは、今後もさらなる市場拡大が期待できることを意味します。首都プノンペンの都市開発計画やシェムリアップの新空港プロジェクト、シアヌークビルの大型港湾開発など、さまざまなインフラ整備が進行中です。

インフラ開発の具体例

  • プノンペン〜シアヌークビル高速道路:2022年に開通した高速道路により、首都と港湾都市間の移動が大幅に改善。
  • 新空港プロジェクト:シェムリアップ国際空港の拡張やプノンペン近郊での新空港建設計画が進行中。
  • 港湾施設の拡大:シアヌークビル港の再開発により、貿易量の増加が期待される。

このような大規模なインフラ投資は、周辺地域の地価や物件需要を押し上げる大きな要因となります。特にプノンペンでは、主要幹線道路沿いの大型コンドミニアム建設や国際的なホテルチェーンの進出が活発化しており、不動産需要は今後も堅調に推移する可能性が高いでしょう。カンボジアはまだまだ開発の余地が大きく、プロジェクトによっては早期参入することで大きなキャピタルゲイン(資産価値の上昇益)を得るチャンスも十分にあります。


カンボジア不動産投資のデメリット①:法整備や権利関係の不透明さ

外国人名義での土地所有における制限

一方で、カンボジア不動産投資にはリスクやデメリットも存在します。その代表例が、法整備や権利関係の不透明さです。カンボジアでは外国人名義で土地を所有することが認められておらず、実質的にコンドミニアムや一部の区分所有権のみが取得可能となっています。土地を取得したい場合は、現地法人を設立したり、信頼できるカンボジア人パートナーと共同名義にしたりといった手続きが必要になることもあります。

法改正と裁判制度の課題

また、法律や規制が頻繁に改正される可能性もあるため、最新の情報収集が欠かせません。現地の不動産会社や弁護士、コンサルタントの助けを借りるのは必須といえるでしょう。契約書類の作成や権利保護についても、国際標準から見ればまだまだ不十分な部分があります。万が一トラブルが発生した場合、法的手続きに時間がかかることや、裁判制度の透明性に課題がある点を理解しておく必要があります。


カンボジア不動産投資のデメリット②:為替リスクと市場の流動性

ドル建て取引のメリット・デメリット

カンボジアの通貨はリエル(KHR)ですが、実際の取引では米ドル(USD)が幅広く使われています。日常的な商取引や不動産売買でも、ドル建てが主流です。一見すると「ドル建てなら為替リスクは小さいのでは?」と思われがちですが、実際には円との為替変動リスクが存在します。カンボジア国内でドルが流通しているとはいえ、日本円で資金を用意する投資家にとっては、円安や円高による損益の変動が避けられません。

物件流動性の不確実性

また、カンボジアの不動産市場はまだまだ発展途上で、物件の流動性が高いとは言い切れないのも事実です。日本やシンガポールと比べ、売却時に買い手を見つけるまで時間がかかる可能性があります。市場全体の規模が小さいため、特定のエリアや物件タイプに投資資金が集中すると、値動きが予想以上に大きくなるリスクも考えられます。急激な需要の増大で物件価格が上昇する一方、一旦需要が冷え込むと価格が下落しやすい側面もあるでしょう。


おすすめエリア①:首都プノンペンの魅力と注意点

カンボジア不動産投資の中心地といえば、やはり首都プノンペンです。政治・経済の中枢として発展しているだけでなく、商業施設や外資系企業が集まるエリアも拡大しています。代表的なエリアとしては、以下のような地区が挙げられます。

ボンケンコン(BKK)

  • プノンペンでも屈指の高級住宅街で、海外駐在員や富裕層が多く居住。
  • カフェやレストラン、ショッピングモールが充実しており、賃貸需要が高い。
  • 物件価格も高めだが、安定した家賃収入が期待できる。

トゥールコーク(Toul Kork)

  • 新興住宅地として開発が進んでおり、ショッピングセンターや教育施設が多い。
  • ボンケンコンほどのステータス感はないが、今後の開発余地が大きく、価格上昇の期待も高い。

リバーサイド周辺

  • 観光客も多く訪れるエリアで、カンボジアの歴史的な建造物や市場が点在。
  • 賑やかで利便性は高い反面、物件によっては騒音や治安面で注意が必要。
  • ホテルやゲストハウスへの投資も選択肢となる。

プノンペンは、カンボジア最大の都市でありながら、まだ開発途上の地域が多く、今後も地価や賃料の上昇余地が十分にあります。反面、建設ラッシュによる供給過多が指摘されることもあり、短期的には物件の過剰在庫が発生して賃貸利回りの下落につながる可能性も否定できません。投資する際は、エリアの将来性や需要動向をしっかりと見極める必要があります。

プノンペンの街並み

おすすめエリア②:急成長中のシェムリアップとシアヌークビル

プノンペン以外にも、魅力的な投資エリアが存在します。とくに観光需要が高まっているシェムリアップと、港湾都市として急成長中のシアヌークビルは注目度が高まっています。

シェムリアップ(Siem Reap)

  • 世界的観光地アンコールワットの玄関口として知られ、観光客が多く訪れる。
  • 新空港プロジェクトが進行しており、国際線の増加やインフラ整備による経済波及効果が期待される。
  • ホテルやゲストハウスなど、短期賃貸物件の需要も一定数ある。

シアヌークビル(Sihanoukville)

  • カンボジア最大の港湾都市であり、中国企業の進出やカジノ開発などが一時期話題に。
  • 高層ビルやリゾート開発が急ピッチで進み、地価が短期間で大きく上昇した地域。
  • 観光地化が進む一方、治安や環境面の問題が報じられることもあるため、慎重な調査が必要。

これらのエリアでは、観光や外資企業の進出に伴う需要増が見込まれています。ただし、プノンペンほどの情報がまだ整っていない場合もあり、正確なマーケットデータの入手が難しいことがあるため、現地視察や専門家の情報収集が重要です。


まとめ:カンボジア不動産投資の可能性とこれからの展望

カンボジア不動産投資は、高い経済成長率や若年層人口の多さ、外資誘致の動きなどによって、まだまだ大きなポテンシャルを秘めています。一方で、法整備の遅れや流動性の低さなど、リスクも存在するため、情報収集と慎重なリスク管理が欠かせません。

  • メリット:高い利回りや将来性のあるマーケット、インフラ開発による価値上昇が期待できる
  • デメリット:外国人の所有制限、法整備の不透明さ、マーケットの流動性が低い

投資家としては、メリットを最大限に活かすと同時に、デメリットへの対策を講じることが成功の鍵となります。具体的には、現地視察や専門家の活用、法規制のチェックなどを怠らないことが重要です。プノンペンやシェムリアップ、シアヌークビルといった主要都市を中心に、今後も不動産需要が拡大していく見通しがあり、早期に参入することで得られるメリットは大きいでしょう.

ただし、短期的な値上がり益だけを狙うのではなく、中長期的な視点で安定した賃貸収益やインカムゲインを確保する戦略も考慮することをおすすめします。投資の出口戦略やリスク分散をしっかりと計画に組み込みながら、カンボジアの成長の波に乗ることができれば、魅力的なリターンを得る可能性は十分にあるでしょう。

カンボジア不動産投資は、東南アジアの中でも「次のフロンティア」として注目される領域です。情報をしっかりと整理し、適切なタイミングで行動を起こせば、大きなメリットを享受できるかもしれません。まずは信頼できるエージェントや専門家を見つけ、自分自身で現地の状況を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

執筆者

高橋 卓のアバター 高橋 卓 海外不動産のオクマン 代表

2014年:はぐくみカンパニー株式会社、代表取締役に就任
2017年:株式会社純な、代表取締役に就任
2018年:はぐくみカンパニーカンパニー株式会社を株式譲渡し退任
2023年以降:日本企業の進出コンサルティングと海外不動産メディアの運営に注力(バンコクのベイカリーショップ、小麦の王国立ち上げ等)

現在バンコク在住。海外不動産投資のことならお気軽にご相談ください。

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