エジプトの生活費は本当に安い?年間の目安を円換算で|食費・光熱費・交通費・物価・現金事情まで完全解説

エジプトの生活費は本当に安い?年間36〜120万円の全体像【図解あり】

単身36〜84万円、夫婦60〜120万円が年間生活費の目安
エジプトでの年間生活費は、単身者で36〜84万円、夫婦で60〜120万円が目安となります(*1)。
この金額は家賃を除いた生活費であり、食費・光熱費・交通費・娯楽費などの日常的な支出を含みます。単身者の場合は月額3〜7万円程度、夫婦の場合は月額5〜10万円程度の支出が一般的です。
生活費の幅が大きいのは、生活スタイルによって支出が大きく異なるためです。
公共交通機関を利用し、現地の市場で食材を購入する節約型の生活であれば、単身者で年間36万円、夫婦で60万円程度に抑えることが可能です。一方、配車アプリを頻繁に利用し、レストランでの外食が多い快適型の生活では、単身者で年間84万円、夫婦で120万円程度が必要になります。
エジプトの平均月収は約7,840〜1万2,000 EGP(約2万3,500〜3万6,000円)であり、年間生活費50万円は現地の平均年収の1.4〜2倍に相当します。日本人がエジプトで生活する場合、現地平均よりも高い生活水準を維持できる可能性が高いと言えます。
日本より大幅に安い3つの理由:食費・光熱費・交通費の物価差
エジプトの生活費が日本と比較して大幅に安い理由は、食費・光熱費・交通費の3つの費目で顕著な物価差があるためです。
エジプトと日本における主要3費目の月額費用比較は以下のとおりです。
出典:Numbeo「Cost of Living in Egypt」(2025)および日本の総務省統計局家計調査(2024)をもとに作成
エジプトの生活費は食費で日本の約27%、光熱費で約10%、交通費で約21%と、全ての主要費目で日本を大幅に下回っており、特に光熱費の差が顕著です。
CAPMAS(エジプト中央動員統計局)の2025年5月データによると、食品価格の年間上昇率は11.2%、住宅関連は19.3%、交通・通信は27.8%となっています(*2)。インフレ率は高いものの、絶対的な価格水準は依然として日本よりも大幅に低い状況です。
食費については、現地の市場やローカル食堂を利用することで、1日200〜1,000円程度で3食を賄うことが可能です。日本で同等の食事をする場合、1日あたり1,500〜3,000円程度が必要となるため、約50〜70%のコスト削減が実現できます。特に主食となるパンや米、野菜類は日本の3分の1以下の価格で入手できます(*3)。
光熱費については、電気・水道・ガスを合わせて月額900〜2,100円程度と、日本の月額1万〜2万円と比較して大幅に安くなっています。交通費も地下鉄やバスなどの公共交通機関が充実しており、1回の乗車が8〜20 EGP(約24〜60円)と非常に安価です(*4)。
これらの費目で日本の10分の1程度のコストで済むため、全体として生活費が大幅に抑えられます。
エジプトの食費|年間7.2〜36万円の内訳

食費月額6,000〜30,000円の目安
エジプトでの月額食費は、6,000〜3万円が一般的な目安となります(*1)。
単身者の場合、節約型の生活では月額6,000〜1万2,000円、快適型の生活では月額2万〜3万円が必要です。この金額を年間に換算すると7.2〜36万円となり、生活スタイルによって5倍近い差が生じます。食費の幅が大きい理由は、自炊中心か外食中心かによって支出が大きく変わるためです。
現地の市場で食材を購入し、毎日自炊する場合は1日あたり200〜400円程度で済みます。一方、レストランでの外食を頻繁に行う場合は1日あたり800〜1,000円程度が必要となります。また、外国人向けの高級レストランを利用すると1食あたり1,000〜2,000円程度かかるため、外食の頻度と場所の選択が食費を大きく左右します。
家族の場合、4人家族で月額2万1,600〜6万300円程度が目安となります。夫婦2人の場合はこの半分程度、すなわち月額1万〜3万円程度が一般的です。
エジプトの食品価格は2025年5月時点で前年比11.2%上昇していますが(*2)、依然として日本と比較して大幅に安い水準を維持しています。
自炊・ローカル食堂・レストラン別の価格相場
自炊の場合、スーパーや市場での食材価格相場は次のとおりです。
牛乳1リットルが45 EGP(約135円)、パン約450グラムが27 EGP(約81円)、白米約450グラムが16 EGP(約48円)、卵12個が71 EGP(約213円)、鶏肉約450グラムが97 EGP(約291円)、牛肉約450グラムが200 EGP(約600円)です(*3)。これらの食材を組み合わせることで、1日あたり200〜400円程度で3食を自炊できます。
ローカル食堂や屋台での食事は非常に安価です。
フール・メダンメスのサンドイッチが1〜2 EGP(約3〜6円)、コシャリの一皿が5〜10 EGP(約15〜30円)、シャワルマのサンドイッチが7 EGP(約21円)、ローストチキンが20 EGP(約60円)程度です(*5)。これらの食事を組み合わせれば、1日3食で30〜50 EGP(約90〜150円)程度に抑えることが可能です。
レストランでの外食価格は、店のグレードによって大きく異なります。
低価格帯のレストランでの食事が1人あたり100〜400 EGP(約300〜1,200円)、中級レストランでの2人分3コースディナーが520〜2,000 EGP(約1,560〜6,000円)、ファストフード店のコンボミールが200〜300 EGP(約600〜900円)程度です(*3)。現地のローカルレストランでは150〜300 EGP(約450〜900円)で満足できる食事が楽しめます。
1週間の食費シミュレーション:朝食・昼食・夕食の参考例
節約型の1週間食費シミュレーションでは、朝食にフール・メダンメスのサンドイッチとアラビアパン、紅茶で5〜10 EGP(約15〜30円)、昼食にコシャリで10〜15 EGP(約30〜45円)、夕食にシャワルマのサンドイッチまたは屋台料理で15〜25 EGP(約45〜75円)という構成になります(*5)。
1日の合計が30〜50 EGP(約90〜150円)、週7日で210〜350 EGP(約630〜1,050円)、月4週で約2,500〜4,200円となります。
中間型の1週間食費シミュレーションでは、朝食にカフェでの食事とカプチーノで100〜150 EGP(約300〜450円)、昼食に現地レストランで200〜300 EGP(約600〜900円)、夕食にスーパーの食材で自炊して150〜200 EGP(約450〜600円)という構成が一般的です(*3)。
1日の合計が450〜650 EGP(約1,350〜1,950円)、週7日で3,150〜4,550 EGP(約9,450〜1万3,650円)、月4週で約3万8,000〜5万4,000円となります。
快適型の1週間では、外食を週4〜5回行い、残りは質の良い食材での自炊という組み合わせが多くなります。外食1回あたり500〜1,000 EGP(約1,500〜3,000円)、自炊1日あたり300〜500 EGP(約900〜1,500円)として計算すると、月額2万〜3万円程度が必要です。
このレベルでは国際色豊かなレストランや高級カフェも選択肢に入ります。
エジプトの光熱費|年間1〜2.5万円の内訳

光熱費月額900〜2,100円の内訳(電気・水道・ガス込み)
エジプトでの光熱費は、電気・水道・ガスを含めて月額900〜2,100円程度と非常に安価です(*3)。
約85平方メートルのアパートメントでの基本的な光熱費が月額600〜2,000 EGP(約1,800〜6,000円)の範囲ですが、多くの世帯では月額1,076 EGP(約3,228円)程度が平均的です。単身者の場合はさらに安く、月額900〜1,500円程度に抑えられます(*1)。
電気代については、住宅用の電力料金が1kw時あたり1.07 EGP(約3円)に設定されています。平均的な家庭の月間電力消費量が177〜200kw時程度であるため、電気代だけで月額190〜214 EGP(約570〜642円)となります。
水道代は歴史的に非常に安く、平均的な世帯で月額13 EGP(約39円)程度です。ガス代は1kw時あたり0.424 EGP(約1円)と極めて安価です。
家族の場合は月額1,200〜1,800 EGP(約3,600〜5,400円)程度が一般的ですが(*6)、これでも日本の光熱費と比較すると大幅に安い水準です。エジプトでは政府による光熱費の補助が行われているため、実際の市場価格よりも低い料金で利用できます。
ただし、2024年8月に料金改定が行われ、以前よりも若干高くなっています(*7)。
※以上は2025年の市場調査データに基づく推定値です。
夏のエアコン使用で電気代が大幅に増加する
エジプトでは夏季(6〜8月)にエアコンの使用が集中し、電力需要が急増します。
エジプト電力省(MOEE)の公式報告によると、住宅・商業部門における電力消費の45%以上がエアコンによるものです(*8)。夏季のピーク需要は年間平均と比較して7%以上増加し、特に気温が40度を超える日にはさらに高くなります(*9)。
2014年から2015年の夏季には、ピーク電力需要が前年の2万6,140㎿から2万8,015㎿へと7.2%増加しました。この増加の主な要因は予期しない高温と過度なエアコン使用と公式に報告されています。一般家庭の電気代も夏季には明確に上昇し、エアコンを頻繁に使用する世帯では月額電気代が通常の1.5〜2倍程度になることもあります。
2024年の夏季には、多くの都市で気温が40度以上に達し、エアコン需要が電力網の限界に達したため、一時的な計画停電が実施されました(*7)。住宅用電気料金の改定後、エアコンを使用する世帯では月額400 EGP(約1,200円)から700 EGP(約2,100円)へと増加した例も報告されています。
夏季の電気代増加を考慮して、年間予算を立てることが重要です。
通信費の月額相場は1,000〜1,500円
エジプトでの通信費は、固定インターネットと携帯電話を合わせて月額1,000〜1,500円程度が一般的です(*6)。
固定ブロードバンド回線(60Mbps以上、無制限プラン)の月額料金が300〜1,380 EGP(約900〜4,140円)の範囲で、平均は608 EGP(約1,824円)です(*3)。多くの家庭では140〜400GBのデータプランを利用しており、月額210〜570 EGP(約630〜1,710円)となります(*10)。
携帯電話のプリペイドプランは非常に安価で、4GBプランが60 EGP(約180円)、8GBプランが100 EGP(約300円)、12GBプランが150 EGP(約450円)、20GBプランが250 EGP(約750円)程度です。通話とデータ10GB以上を含む月額プランの平均は348 EGP(約1,044円)です。多くの人は月額500〜1,000 EGP(約1,500〜3,000円)を携帯電話とインターネットの費用として予算に組み込んでいます。
ただし、2024年12月に通信事業者が料金を30〜31%値上げしたため、通信費は以前よりも高くなっています。例えば、200GBの固定インターネットプランは値上げ前の220 EGP(約660円)から290 EGP(約870円)に、600GBプランは650 EGP(約1,950円)から850 EGP(約2,550円)に上昇しました。
今後も段階的な料金改定が予想されるため、最新の料金プランを確認することが重要です。
エジプトの通信費については、こちらで詳しく書いています↓

エジプトの交通費|年間0.8〜16万円の内訳

交通費月額700〜13,000円の目安
エジプトでの月額交通費は、利用する移動手段によって700〜1万3,000円と大きな幅があります(*3)。
公共交通機関のみを利用する場合は月額250〜700 EGP(約750〜2,100円)程度に抑えられますが、配車アプリやタクシーを頻繁に利用する場合は月額3,000〜6,000 EGP(約9,000〜1万8,000円)程度が必要です(*6)。単身者の平均的な月額交通費は32ドル(約4,800円)、4人家族では88ドル(約1万3,200円)が目安となります。
公共交通機関の月間定期券は350 EGP(約1,050円)で購入でき、毎日の通勤に地下鉄やバスを利用する場合は非常に経済的です。地下鉄を1日2回利用する場合、往復で20 EGP(約60円)、月22日間の通勤で440 EGP(約1,320円)となりますが、定期券を購入すればさらに安くなります(*4)。
現地の人々の多くは公共交通機関を主な移動手段としており、月額700〜1,500 EGP(約2,100〜4,500円)程度で済ませています。
一方、配車アプリを日常的に利用する場合は費用が大幅に増加します。片道10キロメートルの移動で約41 EGP(約123円)かかるため(*11)、1日2回の利用で82 EGP(約246円)、月22日間で1,804 EGP(約5,412円)となります。
快適性を優先して配車アプリを頻繁に利用する外国人居住者の中には、月額5,000〜1万 EGP(約1万5,000〜3万円)を交通費として支出している人もいます。
地下鉄・バス・タクシー・配車アプリの料金一覧
カイロの地下鉄料金は距離に応じて4段階に分かれており、9駅までが8 EGP(約24円)、10〜16駅が10 EGP(約30円)、17〜23駅が15 EGP(約45円)、23駅以上が20 EGP(約60円)です(*4)。ただし、小銭不足の問題により、最低料金が10 EGP(約30円)に引き上げられる可能性が検討されています。
バス料金は、通常バスが9 EGP(約27円)、エアコン付きバスが17 EGP(約51円)です(*12)。ミニバスは通常型が14 EGP(約42円)、エアコン付きが17 EGP(約51円)となっています。BRT(バス高速輸送システム)は距離に応じて5〜15 EGP(約15〜45円)で、4駅までが5 EGP(約15円)、全線利用で15 EGP(約45円)です。
これらの料金は2025年に若干値上げされましたが、依然として非常に安価な水準を維持しています。
タクシーと配車アプリの料金は次のとおりです。
Uberの基本料金が7 EGP(約21円)、1キロメートルあたり2.3 EGP(約7円)、1分あたり0.3 EGP(約1円)で、最低料金は10 EGP(約30円)です(*11)。通常のタクシーは初乗りが8.50 EGP(約26円)、1キロメートルあたり2.80 EGP(約8円)、1分あたり0.40 EGP(約1円)となっています。5キロメートルの移動で約25 EGP(約75円)、10キロメートルで約41 EGP(約123円)、20キロメートルで約74 EGP(約222円)が目安です。
通勤と観光で変わる月間交通費シミュレーション
通勤者の月間交通費は、利用する移動手段によって大きく異なります。
地下鉄のみを利用する場合、片道10〜16駅の範囲であれば往復20 EGP(約60円)、月22日間の通勤で440 EGP(約1,320円)となります(*4)。月間定期券350 EGP(約1,050円)を購入すればさらに節約できます(*3)。
地下鉄とバスを組み合わせる場合は1日あたり25〜30 EGP(約75〜90円)、月額550〜660 EGP(約1,650〜1,980円)が目安です。
配車アプリで通勤する場合は費用が大幅に増加します。
片道10キロメートルの通勤を1日2回、月22日間行う場合、月額約1,760 EGP(約5,280円)が必要です(*11)。これは公共交通機関の約5倍の費用となりますが、時間の節約や快適性を重視する外国人居住者の中には、この選択をする人も多くいます。
中間的な選択として、公共交通機関を基本としながら週に数回配車アプリを利用する場合は、月額1,500〜3,000 EGP(約4,500〜9,000円)程度となります。
観光目的の交通費は通勤とは大きく異なります。
観光では1日に複数の場所を訪れるため、配車アプリやタクシーの利用が多くなります。1回の移動が5〜15ドル(約750〜2,250円)、1日に3〜4回移動すると15〜30ドル(約2,250〜4,500円)となります。1週間の観光で105〜210ドル(約1万5,750〜3万1,500円)、月換算では約6万3,000〜12万6,000円となり、居住者の通勤費用とは桁が異なります。
観光客は時間効率を重視するため、交通費が生活費全体の大きな割合を占める傾向があります。
エジプトの生活費を年間で計算|費目別の内訳と目安額

費目別の年間コスト割合
単身者・4人家族・カイロ中所得層家庭の費目別支出割合を比較すると、以下のような違いが見られます。
出典:Living Cost Index「Cost of Living in Egypt」(2025)、Government real estate blog「Cost of Living vs. Property Prices in Egypt」(2025)をもとに作成
※注:カイロ中所得層の割合は月額2.4万EGP(約7.2万円)の支出を想定し、各費目の中央値から算出
エジプトでの生活費を費目別に分析すると、家賃を除いた場合、食費が最も大きな割合を占めます。
単身者の場合、月額263ドル(約3万9,450円)の生活費のうち、食費が65%(171ドル、約2万5,650円)、交通費が12%(32ドル、約4,800円)、光熱費が5%(13ドル、約1,950円)、その他娯楽費が18%(47ドル、約7,050円)となっています(*1)。
4人家族の場合、月額766ドル(約11万4,900円)の生活費のうち、食費が58%(441ドル、約6万6,150円)、交通費が11%(88ドル、約1万3,200円)、光熱費が3%(20ドル、約3,000円)、その他が28%(217ドル、約3万2,550円)という構成です。家族の場合、教育費や娯楽費などの「その他」の割合が高くなる傾向があります。
カイロの中所得層家庭の月額支出1万8,000〜3万 EGP(約5万4,000〜9万円)の内訳を見ると、食費が7,000〜1万5,000 EGP(28〜50%)、光熱費が1,200〜1,800 EGP(5〜6%)、交通費が2,500〜4,000 EGP(10〜13%)、私立学校の教育費が4,000〜1万5,000 EGP(16〜50%)、外食・娯楽費が2,000〜5,000 EGP(8〜17%)、携帯電話・インターネットが500〜1,000 EGP(2〜3%)となっています(*6)。教育費の有無によって支出構造が大きく変わることがわかります。
単身×節約型(年間36万円)と単身×快適型(年間84万円)の内訳
単身者の節約型と快適型における費目別支出割合の違いは以下のとおりです。
出典:Living Cost Index「Cost of Living in Egypt」(2025)をもとに作成
※注:範囲がある費目は中央値を使用。「その他」には予備費・雑費・衛生用品等を含む
単身者の節約型生活では、月額3万円(年間36万円)で生活することが可能です(*1)。
この場合の内訳は、食費が月額7,000〜1万円(自炊中心、現地市場利用)、交通費が月額700〜1,500円(公共交通機関のみ)、光熱費が月額900円、通信費が月額1,000円、娯楽費が月額2,000〜5,000円程度となります。この生活スタイルでは、外食を月に数回程度に抑え、配車アプリは使わず、娯楽も無料または低価格のものに限定する必要があります。
節約型の生活は、エジプトの最低賃金7,000 EGP(約2万1,000円)よりもやや高い水準であり、現地の平均的な生活水準に近いものです。
この予算でも、周辺エリアの1ベッドルームアパートメント(家賃月額4,928 EGP、約1万4,784円)を借り、基本的な生活必需品を購入し、時々のローカルレストランでの食事を楽しむことができます。ただし、日本と同等の快適さを求める場合は、この予算では厳しい面もあります。
単身者の快適型生活では、月額7万円(年間84万円)の予算が必要です。
この場合の内訳は、食費が月額2万5,000〜3万3,000円(レストラン利用多め)、交通費が月額4,000〜1万円(配車アプリ併用)、光熱費が月額2,100円、通信費が月額1,500円、娯楽費が月額1万2,000〜2万円程度となります。この生活スタイルでは、週に3〜4回の外食、配車アプリの日常的な利用、ジムやカフェなどの娯楽費、さらに時々の旅行費用も含まれます。
国際的な生活水準を維持したい外国人居住者にとって、この予算が現実的な目安となります。
エジプト移住の全体像(治安・医療・教育など)については、こちらで詳しく書いています↓

夫婦×節約型(年間60万円)と夫婦×快適型(年間120万円)の内訳
夫婦の節約型と快適型における費目別支出割合の違いは以下のとおりです。
出典:Living Cost Index「Cost of Living in Egypt」(2025)をもとに作成
※注:範囲がある費目は中央値を使用。「その他」には予備費・雑費・衛生用品等を含む
夫婦の節約型生活では、月額5万円(年間60万円)で生活することが可能です(*1)。
この場合の内訳は、食費が月額1万7,000〜2万1,000円(自炊中心、現地市場利用)、交通費が月額1,600〜2,400円(公共交通機関のみ)、光熱費が月額1,200円、通信費が月額1,500円、娯楽費が月額4,000〜6,000円程度となります。夫婦の場合、食費は単身者の約1.7倍程度となり、光熱費や通信費も若干増加しますが、1人あたりのコストは単身者よりも低くなります。
節約型の夫婦生活では、2人で協力して自炊を行い、市場での買い物や公共交通機関の利用を基本とする必要があります。外食は月に数回程度、配車アプリの利用は緊急時のみとし、娯楽費も公園散歩や無料イベントへの参加など、低コストのものを選ぶことになります。
この予算は、エジプトの平均世帯収入と同程度であり、現地の一般的な生活水準に近いものです。
夫婦の快適型生活では、月額10万円(年間120万円)の予算が必要です。
この場合の内訳は、食費が月額4万〜5万3,000円(外食頻度高め)、交通費が月額8,000〜1万2,000円(配車アプリ日常利用)、光熱費が月額2,400円、通信費が月額2,000円、娯楽費が月額2万〜3万3,000円程度となります。この生活スタイルでは、週に4〜5回の外食、カフェやレストランでのソーシャル活動、配車アプリでの快適な移動、ジムやスパなどの施設利用、さらに月に1〜2回の国内旅行なども可能になります。
国際的な生活水準を維持したい外国人夫婦にとって、このレベルが快適な生活の目安となります。
エジプトの現金事情|支払い方法と年間で必要な現金額
年間30〜100万円程度の現金が必要
エジプトでは現金が依然として主要な支払い手段であり、年間30〜100万円程度の現金が必要と推定されます。
デジタル決済の普及が進んでいるものの、モバイルウォレットからの出金額の79%が現金として引き出されており(*13)、実際の取引の多くは現金で行われています。年間生活費が36〜120万円の範囲である場合、その80〜90%程度を現金で用意する必要があります。
現金が必要となる主な場面は、伝統的な市場での買い物、屋台やローカル食堂での食事、小規模店舗での購入、チップの支払い、公共交通機関の利用などです。エジプトの小売市場では、小規模な地元商店が市場価値の50%以上を占めており、これらの店舗の多くは現金のみの取引となっています。特に郊外や観光地以外のエリアでは、現金払いが唯一の選択肢となることも多くあります。
デジタル決済の利用が拡大しているのは、主に都市部の大型スーパーマーケット、チェーン店、高級レストラン、オンラインショッピングなどに限られます。
2025年第2四半期のモバイルウォレット取引額は943億 EGP(約2,829億円)と前年同期比72%増加していますが、その多くが最終的には現金として引き出されているため、実質的な現金依存度は高い状況です。
生活費全体の10〜20%程度はデジタル決済で対応できますが、大部分は現金を用意しておく必要があります。
ATM・両替の注意点(手数料・偽札対策)
エジプトでのATM利用は比較的安全で便利ですが、いくつかの注意点があります。
自行のATMを利用する場合は手数料無料ですが、他行のATMを利用する場合は1回あたり最大5 EGP(約15円)の手数料がかかります(*14)。国際カードでの現金引き出しには、金額の4%(最低40 EGP、約120円)の手数料がかかります(*15)。さらに外貨両替手数料として取引額の1%と1ドル相当額が加算されることもあります。
ATMでの両替時には、ダイナミック通貨変換(DCC)を避けることが重要です。
ATMが自国通貨(例えば日本円)での決済を提案してくる場合がありますが、これは不利な為替レートと追加手数料が適用されるため、必ずエジプトポンド(EGP)での決済を選択すべきです(*16)。また、空港のATMは市内のATMよりも手数料が高い傾向があるため、到着時の最小限の現金引き出しにとどめ、市内の銀行ATMを利用することが推奨されます。
偽札対策としては、銀行支店内のATMを利用することが最も安全です。路上のATMよりも銀行内のATMの方が、セキュリティと現金の品質管理が厳重です。ATMでの現金引き出し後は、すぐに紙幣の状態を確認し、破損や極端に古い紙幣は受け取らないようにすることも重要です。
月に1〜2回、必要な金額だけをまとめて引き出し、手数料を最小限に抑える戦略が効果的です。1回あたりの引き出し限度額は最大3,000ポンド(約9,000円)まで可能です。
エジプトでの銀行口座開設については、こちらで詳しく書いています↓

クレジットカード・モバイル決済の普及状況
エジプトではデジタル決済の普及が急速に進んでおり、2025年時点で中小企業の82%がデジタル決済を受け入れています(*17)。
金融包摂率は2025年に76.3%に達し(*18)、モバイルウォレットの利用者数は5,000万人を超えています(*19)。主要なモバイルウォレットサービスとしては、市場シェア62.7%のVodafone Cash(820万ユーザー)、25%のOrange Cash、そして3,500万ユーザーを持つFawryがあります。
クレジットカードとデビットカードの利用も拡大しており、全国に約120万台のPOS端末が設置されています。
カイロの地下鉄1号線と2号線ではVisaとMastercardによる支払いが導入されました。プリペイドカードとデジタルウォレット市場は2025年に44億ドル(約6,600億円)の規模に達し、2029年まで年率13.2%の成長が予測されています(*20)。
ただし、現金が依然として日常取引の主流である点に注意が必要です。
デジタル決済の採用率が高いのは都市部の若年層とeコマースに限られており、伝統的な市場や小規模店舗では現金のみの取引が一般的です。エジプト人の64%がデジタル決済の利用を増やしていると報告していますが、35%がモバイルウォレットを採用している状況であり、完全なキャッシュレス社会にはまだ時間がかかると見られています。
外国人居住者は、デジタル決済手段を持ちながらも、日常的に十分な現金を携帯する習慣が必要です。
FAQ|エジプトの生活費についてよくある質問
- エジプトで月5万円あれば快適に生活できる?
-
月5万円(約1万6,700 EGP)あれば、エジプトで快適に生活することが可能です。
この金額はエジプトの最低賃金7,000 EGP(約2万1,000円)の2倍以上、平均月収の1.4〜2.1倍に相当します。家賃を除いた単身者の月額生活費が2万6,600〜3万3,400円程度であるため、月5万円の予算があれば、周辺エリアの住居費(月額1万円程度)を含めても余裕のある生活が送れます。
- エジプトで一番お金がかかる費目は何?
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家賃を含む場合は住居費が最も高額で、全体の40〜60%を占めます。
カイロ中心部の1ベッドルームアパートメントは月額8,007 EGP(約2万4,000円)、周辺部では4,928 EGP(約1万4,784円)です。家賃を除いた生活費では、食費が最大の支出項目となり、単身者で全体の65%、4人家族で58%を占めます。私立学校や国際学校に子供を通わせる場合は、教育費が月額4,000〜1万5,000 EGP(約1万2,000〜4万5,000円)となり、食費を上回る最大の支出項目になります。
- エジプトで現金はいくら用意すれば安心?
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月額生活費の80〜90%を現金で用意することが推奨されます。
月5万円の生活費であれば、月額4〜4万5,000円程度の現金を用意し、週ごとに1万円程度ずつATMから引き出すのが安全です。ATMの引き出し手数料は1回あたり最大5 EGP(約15円)と安価であるため、月に3〜4回に分けて引き出しても費用負担は小さくなります。緊急用として常に2〜3万円程度の現金を手元に残し、大金を一度に持ち歩かないことが重要です。
まとめ|エジプトの生活費は年間36〜120万円で快適な暮らしが可能
エジプトでの生活費は、単身者で年間36〜84万円、夫婦で年間60〜120万円が目安となり、生活スタイルによって大きく異なります。
食費・光熱費・交通費の3つの主要費目が日本と比較して大幅に安く、特に公共交通機関と現地市場を活用すれば、月3〜5万円程度での生活も可能です。CAPMAS(エジプト中央動員統計局)の2025年5月データによると、食品価格は前年比11.2%上昇していますが、絶対的な価格水準は依然として日本の3分の1以下です。
現金が生活費の80〜90%を占める点に注意が必要で、年間30〜100万円程度の現金を計画的に用意することが重要です。デジタル決済の普及率は上昇していますが、伝統的な市場や小規模店舗では現金のみの取引が一般的です。
月5万円の予算があれば、エジプトの平均月収の1.4〜2倍以上となり、現地の生活水準を大きく上回る快適な暮らしが実現できます。
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出典元
- *1 Living Cost Index:「Cost of Living in Egypt」
- *2 CAPMAS:「Monthly Bulletin of Consumer Price Index (CPI)」
- *3 Numbeo:「Cost of Living in Egypt」
- *4 Ahram Online:「Small-change shortage may push metro fare to EGP 10」
- *5 Migrationology:「Egyptian Street Food Guide」
- *6 Government real estate blog:「Cost of Living vs. Property Prices in Egypt」
- *7 Egyptian Streets:「Why Are Electricity Bills Soaring in Egypt?」
- *8 LBL/ETA Publications:「Cost and benefits of room air conditioner efficiency in Egypt」
- *9 Ministry of Electricity (MOEE):「Egyptian Electricity Holding Company Annual Report 2014/2015」
- *10 Enterprise:「Egyptian telecom operators hike mobile and internet prices」
- *11 Taxi Gator:「Taxi in Cairo – Taxi rates and fares」
- *12 Yalla Motor:「Cairo Public Transport Ticket Prices for 2025」
- *13 Daily News Egypt:「Mobile wallet transactions in Egypt surge 72% in Q2 2025」
- *14 National Bank of Egypt:「Service Tariffs Guide Cards」
- *15 Attijariwafa Bank Egypt:「International Limits, Fees & Charges」
- *16 Wise Blog:「ATMs in Egypt: locations, fees, and tips」
- *17 Mastercard:「Mastercard SME Confidence Index: Egyptian SMEs embrace digital payments」
- *18 LinkedIn/Mohamed Abdallah:「Egypt’s Financial Inclusion Rate Hits 76.3% in 2025」
- *19 TransFi Blog:「Egypt’s Payment Rails & How They Work」
- *20 Yahoo Finance:「Egypt Prepaid Card and Digital Wallet Intelligence Report」
- *21 Thunes Insights:「Egypt’s Payments Transformation」




