【最新版】ハワイの不動産投資環境を徹底解説|日本人が押さえるべき将来性と最新動向

市場を支える経済背景|需要を下支えする主な要因
ハワイの不動産市場が安定した需要を維持する背後には、いくつかの経済的な要因があります。まず第一に、世界有数の観光地であることです。年間を通じて世界中から数百万人の観光客が訪れるハワイでは、観光業が経済の中心であり、そのおかげでホテルやリゾート不動産の需要が底堅く推移します。ワイキキに代表される白砂のビーチや温暖な気候は普遍的な魅力で、別荘用途やバケーションレンタル目的での不動産需要を生み出しています。
第二に、土地供給の制約と高い需要です。ハワイは島嶼であるため開発可能な土地が限定され、新規開発にも厳しい規制が敷かれています。その一方で「ハワイに家を持ちたい」という需要は世界中から継続的に存在するため、需給バランスは常に売り手市場寄りとなり、資産価値は長期的に上昇傾向を示します。
実際、オアフ島やマウイ島の人気エリアでは、過去に購入した価格を上回る金額で売却できるケースが多々見られます。土地の希少性ゆえに不動産価格は下支えされ、新規の大規模開発も限られることが市場価値の上昇要因となっています。
第三に、経済・社会の安定性も重要です。ハワイ州は米国50州の一つとして政治的・法的安定性が高く、通貨も米ドルで為替面の信頼性があります。さらに米軍太平洋司令部が置かれるなど軍事関連の経済基盤も持ち合わせており、軍人やその家族による住宅需要も一定量存在します。このように観光客だけでなく駐留軍人や長期滞在者など多様な需要層がいることで、賃貸マーケットも安定した需要に支えられています。
第四に、日本をはじめとする外国人投資家からの継続的な資金流入が挙げられます。近年はアジア圏、特に日本からの投資が増加傾向にあり、円安局面でも富裕層による資産分散先としてハワイ不動産への関心は高いままです。ハワイの不動産市場は限定的な供給と国際的な需要を背景に、依然として高い流動性と価格の堅調さを維持しています。
これらの経済的要因を踏まえると、ハワイは長期投資に適した安定市場と言えます。他方で、観光景気の変動や為替レートの影響を受けやすい側面もあるため、次章以降で優位性だけでなくリスク要因も含めて詳しく見ていきます。

上記グラフは米国の実質GDP成長率推移を示しています。ハワイ市場も米国経済の動向に連動しやすいため、景気や金利状況が不動産需要に大きな影響を与えます。

ハワイの観光客数推移です。コロナ禍によって一時的に大幅減少したものの、近年は回復傾向が続いており、観光業が支える不動産需要の底堅さが読み取れます。
物件タイプ別に見るハワイの不動産市場:コンドミニアム・戸建て・リゾート邸宅
ハワイで投資対象となる不動産は大きく分けてコンドミニアム(分譲マンションに相当)、戸建て住宅、そして高級リゾート地に建つ別荘邸宅の3タイプがあります。それぞれ市場特性や投資メリットが異なるため、順に解説します。
物件タイプ | 価格帯の目安 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
コンドミニアム | 40万ドル〜 | ・管理が比較的容易 ・人気エリアは資産価値が下がりにくい | ・管理費が高めになる傾向 ・リースホールドの場合は期限や更新条件に注意 |
戸建て住宅 | 80万ドル〜 | ・土地付きで資産価値が高い ・増改築やリフォームでバリューアップ可能 | ・メンテナンスを自主管理する必要がある ・地域によっては固定資産税が高額 |
リゾート邸宅 | 200万ドル〜 | ・希少価値が高くステータス性がある ・富裕層の需要があるため流動性も高い場合が多い | ・物件価格・維持費が非常に高額 ・貸し出し先が富裕層に限定されるため賃貸需要が不安定なことも |
2025年2月時点のコンドミニアム市場は保険料や金利上昇の影響を受け、購入・維持費コストが高まっています。月換算在庫は7.7か月と2019年以来の最高水準に達しており、成約までの日数(DOM)も57日に延びています。特に40万~75万ドルの価格帯では売り物件と成約物件の比率が15:1と需要が弱めですが、75万ドル以上の高価格帯コンドミニアムは引き続き流動性が保たれています。
エリア別動向──オアフ島・マウイ島など主要地域の特色
ハワイ州を構成する主要4島(オアフ、マウイ、ハワイ〈ビッグアイランド〉、カウアイ)は、それぞれ不動産市場の特色や動向が異なります。エリア選びは投資成否に直結する重要ポイントのため、島ごとの傾向を押さえておきましょう。

オアフ島(ホノルル含む)
ハワイ州人口の約7割が集中し、経済・文化の中心地となっているのがオアフ島です。州都ホノルル市内にはビジネス街や有名観光地ワイキキがあり、不動産需要と流動性が最も高いエリアです。同島の戸建て住宅市場は特に強く、2024年に入ってからも成約件数・価格とも増加傾向にあります。
人気エリアでは物件を売りに出せば短期間で買い手が付く状況が続いており、需要超過の状態です。例えば東部の高級住宅地カハラやカイルアは富裕層に人気で、中心部への通勤利便性もあり住宅価格が堅調に推移しています。ホノルル都市圏ではコンドミニアムの新築開発も活発で、近年再開発地区カカアコでは高層コンドミニアムの建設ラッシュが続いています。
ワイキキの中古コンドミニアム市場も底堅く、2024年中盤にはワイキキ地区の中央値価格が48万ドルに達し前年から23%上昇するといったデータも報告されています。オアフ島は賃貸ニーズも旺盛で、日本人駐在員や米本土からの移住者、軍関係者など多様な借り手がいるため、安定運用が見込めるエリアと言えるでしょう。
マウイ島
美しいビーチと高級リゾートで知られるマウイ島は、観光業が経済の中心です。リゾートコンドミニアムや別荘物件が多く、カアナパリやワイレアなどには高価格帯の物件が並びます。マウイ島の不動産市場は観光動向に左右されやすく、パンデミック時には一時的に売買が鈍化しましたが、その後の観光回復とともに持ち直しました。
ただし2023年には西マウイのラハイナ地区で大規模な山火事災害が発生し、多くの住宅が被害を受けました。この影響で一部地域の住宅供給が減少し、当面は被災地域の再建や需給変化に注視が必要です。マウイ全島で見ると高額なリゾート邸宅の需要は引き続き強く、超富裕層による別荘購入も散見されます。
一方で地元住民向けの中価格帯住宅は供給不足が続き、島政府が手頃な住宅(アフォーダブル住宅)建設を推進する動きもあります。総じてマウイ島は高級リゾート市場としての将来性と災害リスクへの備えの両面を考慮すべきエリアと言えます。
ハワイ島(ビッグアイランド)
面積が最大のハワイ島は、島内で都市化が進む西海岸(コナ・コハラ地区)と、自然豊かな東海岸(ヒロ周辺)で不動産市場の様相が異なります。西海岸のコナ側には高級リゾートが点在し、特にコハラコーストにはゴルフ場隣接の別荘地帯が広がります。著名リゾート「フォーシーズンズ フアラライ」周辺やマウナケア・リゾートでは数百万ドルの邸宅も珍しくなく、安定した富裕層需要があります。
他方、ヒロを中心とする東側はローカル住民の割合が高く、住宅価格も相対的に抑えられています。ハワイ島特有の注意点は火山活動リスクです。キラウエア火山の噴火による溶岩流で住宅地が被害を受けるケースも過去にあり、火山性の地震やガスの影響で開発が制限される地域も存在します。
したがって、ハワイ島での投資は場所選びが非常に重要で、災害リスク区域を避け安定需要のある西海岸にフォーカスするのが無難でしょう。全体としてハワイ島は土地が広大な分、将来的な開発余地もあり、長期視点での資産拡大を狙う投資家にとって興味深いエリアです。
カウアイ島
主要4島の中で人口が最も少なく、「ガーデンアイランド」と呼ばれる豊かな自然が魅力の島です。観光客も多いものの、大規模開発が厳しく規制されているため不動産の新規供給はごく限られています。
結果として流通する物件数自体が少なく希少性が高い市場です。島南部のポイプや東部のプリンスビルといったリゾートエリアでは高級コンドミニアムや別荘があり、高めの価格帯で推移しています。
一方、地元向け住宅市場は慢性的な供給不足で、借家住まいの住民も多い状況です。投資面では、大きな値上がり益よりも安定した資産保有を目的とした長期投資に適しています。物件を購入できれば希少価値が高く、将来的にも大幅に価値が棄損しにくいでしょう。ただし不動産売買の件数が少なく流動性は他島に比べ低めな点に留意が必要です。
このように、同じハワイでもエリアにより市場性が異なります。オアフ島は最も取引が活発で高い流動性と安定成長を期待できる反面、競争も激しく取得コストが高いです。
離島のマウイやハワイ島、カウアイ島は、それぞれ独自の魅力とリスクを持ち、オアフに次ぐ有望市場として注目されます。投資目的やリスク許容度に応じてエリア選定を行うことが、ハワイ不動産投資成功のカギとなるでしょう。
最新プロジェクト開発が示す将来性:地価上昇のカギとなる要素
ハワイの不動産市場では、新たな大型プロジェクト開発が進行することで周辺地価が押し上げられる傾向があります。限られた土地を有効活用する再開発やインフラ整備計画は、将来の不動産価値を占う上で重要な指標となります。ここでは現在進行中または計画中の注目プロジェクトを紹介し、それらがもたらす将来性について考察します。
ハワイ再開発エリアの完成イメージ図
ワードビレッジをはじめとするハワイの再開発エリアは、商業施設や高級コンドミニアム、公共スペースなどが一体となった 「住・商・遊」が融合した街づくりが進められています。ゆとりある歩道や緑地が整備され、地元住民だけでなく 観光客や投資家にとっても魅力的なエリアとして注目されています。
アロハスタジアム周辺再開発では、多目的スタジアムと大規模住宅開発、 ホテルの建設が計画されており、鉄道「スカイライン」と連動した TOD(トランジット指向型開発)のモデルケースとして期待が高まっています。 完成後は新しい副都心的な街並みが形成され、周辺不動産にも大きな波及効果をもたらす見込みです。
最新データで読み解くハワイの売買動向:高額物件の流動性と需要
最後に、直近の市場データからハワイ不動産の売買動向を確認し、特に高額物件の流動性と需要について考察します。最新の傾向を知ることで、今後の戦略立案に役立てましょう。
取引件数と価格の足元動向(2023年~2024年)
米国の金利上昇局面を受け、2023年はハワイ市場でも一時的に売買件数の減少と価格の調整が見られました。ホノルル不動産協会の統計によれば、2024年第1四半期の成約件数は前年同期比でコンドミニアムが▲7.6%減、一戸建て住宅は+5.8%増と明暗が分かれました。価格面では、コンドミニアムは前年並みで横ばい、一戸建ては前年同期比+4.9%上昇と堅調でした。
特に100万ドル超の高額コンドミニアムの動きが鈍く、在庫件数が前年より16.7%増加している一方で、一戸建ては在庫増加幅が8%にとどまり需要に支えられています。この背景には、金利負担増による買い控えが中価格帯コンドミニアム市場に影響する一方、富裕層が多い戸建て市場は影響が限定的だったことが考えられます。実際、2024年に入ってからは最も購入件数が多い価格帯がやや下がり、手頃な価格の戸建てやコンドミニアムが実需層(自ら住む買い手)に支持される傾向が強まりました。
もっとも、全体として在庫不足は根強く、住宅ローン金利が高止まりしていても価格が暴落する気配はないとの指摘もあります。事実、2023年夏頃には下げ止まり感から徐々に買いが戻り始め、2024年7月時点ではオアフ島全体で見ると一戸建てもコンドミニアムも前年より価格・取引件数とも増加に転じたとのレポートも出ています。特に一戸建て市場の強さが際立ち、価格上昇率・売却件数ともにコンドミニアムを上回っています。

上記グラフは、ハワイ州内の戸建て・コンドミニアムそれぞれの価格中央値や取引件数の推移を示す例です。高額帯物件まで含め、安定した流動性と価格上昇が見込まれています。
高額物件マーケットの動向と流動性
では、数百万ドル単位の高額物件はどうでしょうか。ハワイの高級住宅市場は2020~2021年にかけて米本土富裕層の移住需要などで活況を呈し、その後2022年以降はいったん落ち着きを見せました。しかし依然として流動性は高く、買い手マーケットが縮小したわけではありません。
2024年前半には「東京の高級マンション価格高騰と比べると、ハワイの高級戸建てやコンドミニアムは割安感が出てきた」との声もあり、日本の富裕層からハワイ物件への問い合わせが増加しています。特に300万~1,000万ドル級の高額物件への引き合いが目立つとの報告もあり、世界的富裕層にとってハワイは引き続き魅力的な資産投資先であることがうかがえます。
実際、近年の取引事例を見ると、オアフ島カハラ地区のオーシャンフロント邸宅が約2,000万ドルで売買成立したケースや、カカアコ地区のペントハウスが1,500万ドル超で取引された例などがあり、記録的な高値更新も相次ぎました。こうした超高額物件も数ヶ月以内に買い手が現れることが多く、「富裕層マーケットでは売りに出せばすぐ売れる」という流動性の高さがハワイの特徴です。
この流動性の高さは投資家にとって重要なメリットです。資産の現金化が容易であるため、マーケット退出(売却)がスムーズに行える可能性が高く、機動的な資産運用が可能になります。特にオアフ島など人気エリアでは高額物件ほど希少価値が高いため、グローバルな富裕層ネットワークに乗って早期に売却できる傾向があります。
賃貸需要と高額物件の収益性
高額物件の場合、自身で利用するセカンドハウス需要が多いものの、一部は賃貸にも出されています。例えば有名高級コンドミニアムのペントハウスを企業役員が長期リースするといったケースや、別荘を月極で貸し出す例もあります。ただ、一般論として高額物件ほど賃貸利回りは低下する(需要層が限られるため)ため、投資家にとっては資産保有価値>収益価値で判断されます。
そのため、キャピタルゲイン狙いで購入し一定期間後に売却するという戦略も取られます。上述の通り売却時の流動性は高く、短期間で成約するケースが多いので、タイミングを見計らってエグジットすることで十分な売却益を確保できる可能性があります。実際、コロナ禍前に購入した高級物件を2022年頃に売却して20~30%の値上がり益を得た日本人投資家の事例も報告されています。
総じて、最新の市場データはハワイ不動産の底堅さと高い流動性を裏付けています。金利や景気に左右されつつも、供給不足と世界的需要に支えられて価格は大崩れせず、高額物件を含め売買の活発さが続いています。特にオアフ島など人気エリアでは、安定した価格上昇と流動性の高さが見込めるため、富裕層投資家にとって引き続き魅力的な市場と言えるでしょう。
こうしたデータを参考に、投資家はどの価格帯・どのタイミングで参入するかを検討し、最適なポジション取りを目指すことが重要です。
ハワイ州のインフラ整備計画と将来的影響:住宅価格と街づくりの関係
最後に、ハワイ州で進められているインフラ整備計画と、それが不動産市場に与える将来的影響について触れます。都市の発展や公共交通の充実は不動産価値と密接に関係しており、長期投資の観点から見逃せないポイントです。
ホノルル市の鉄道「スカイライン(Skyline)」計画
ハワイ初の本格的都市鉄道としてホノルル市が建設を進めているのが、通称スカイライン(高架鉄道)です。2023年6月30日に西オアフの区間(イーストカポレイ~アロハスタジアム間)が部分開業し、続く第二区間(アロハスタジアム駅~ホノルル国際空港駅~ミドルストリート駅)は2025年から運行開始予定です。全区間の完全開通は2031年の予定で、完成すれば全長約20マイル(32km)、19駅を結ぶ路線となり、ホノルル都市圏の交通事情を大きく改善すると期待されています。
鉄道整備が不動産に与える影響としてまず考えられるのは、沿線地域の利便性向上による住宅需要増加です。ホノルル都市圏の人口の約70%、雇用の80%近くがこの20マイルの回廊沿いに集中するとも試算されており、主要な職場と住宅地を鉄道が結ぶことになります。具体的には、ダウンタウン、3つの大学キャンパス、空港、ショッピングセンター群、アロハスタジアムといった拠点が線路で連なり、通勤・通学・買物の移動が格段に便利になる見込みです。
こうしたインフラ革新は、沿線エリアの不動産価値を押し上げる可能性が高いです。既に鉄道駅周辺では、高層住宅の開発計画(TOD:Transit Oriented Development)が進行しており、カポレイやパールシティ、カリヒなどでは新しいマンション建設や再開発が検討されています。2030年までに人口の大半が鉄道沿線に居住するビジョンも示されており、「鉄道のある街」に向けた街づくりが不動産市場を活性化させるでしょう。
鉄道開業によるもう一つの効果は、渋滞緩和による暮らしやすさ向上です。ホノルルは全米でも渋滞が深刻な都市として知られてきましたが、鉄道が自動車通勤を一定数代替すれば道路混雑が緩和されると期待されています。実際に鉄道開業区間では朝夕ラッシュの混雑が若干改善したとの報告もあり、長期的には都市全体のQoL(生活の質)向上につながります。
暮らしやすさが向上すれば人口の域外流出を防ぎ、むしろ島外からの移住促進にも寄与するでしょう。つまり鉄道整備はインフラ投資であると同時に、人を呼び込み定住を促す不動産価値向上策とも位置付けられます。
公共施設・住宅開発計画
インフラ整備は鉄道だけではありません。ホノルル市では老朽化した公共住宅の建て替えなども計画されています。例えば市中心部のカリヒ地区では、公営住宅団地を民間活力も入れて混合所得の新コミュニティに再開発する計画が進行中です。これは単なる住宅建設というより都市の課題解決(老朽住宅の刷新と治安改善)を目的としており、副次的に周辺環境が整備され不動産価値にプラス影響を与えるでしょう。
またハワイ州全体として深刻な住宅不足・高住宅費問題に対応するため、州政府は向こう10年で数万戸規模の新規住宅建設を目指す方針を打ち出しています。具体的には、官民連携で使われていない州有地に住宅を建設したり、規制緩和で建築スピードを上げたりする試みです。
これらが実現すれば、今後徐々に供給が増え、価格高騰の抑制要因になる可能性があります。ただ、ハワイの場合は上述のように需要も底堅いため、供給増でバブル崩壊のような事態になる可能性は低く、むしろ健全なマーケット拡大につながると見られています。
インフラと街づくりが不動産に与える長期的関係
総括すると、インフラ整備は人々の行動範囲や居住志向を変え、不動産市場に長期的な構造変化をもたらします。ハワイで進行中の鉄道プロジェクトや再開発計画は、「車社会の島」から「公共交通と歩行者中心の街」へのパラダイムシフトでもあり、不動産の需要マップを書き換えつつあります。
今後10~20年のスパンで見れば、鉄道駅周辺や新しく整備された地区が新たな人気住宅エリアとして台頭し、逆にアクセス不便な場所の相対的な魅力が下がる可能性もあります。投資家はこうした長期トレンドを読み解き、将来有望な地域に先行投資する視点が求められます。
例えば既に鉄道駅が完成しているカポレイやアロハスタジアム周辺などは、今後さらに開発が進み人口が増えることでしょうし、そのタイミングで不動産価格も上昇圧力がかかるでしょう。インフラ計画は基本的に公表情報で追えるため、アンテナを高く張りながら情報収集しておくと役立ちます。
以上、ハワイの不動産投資環境について主要なトピックを網羅して解説しました。日本人投資家にとってハワイは馴染み深い反面、国内とは異なる市場ダイナミズムがあり、優位性もリスクもハワイ特有の要因が存在します。
本稿で述べたように、観光地としての安定需要や土地の希少性はハワイ不動産の大きな強みであり、長期で見れば資産価値の上昇が期待できる一方、利回りの低さや法制度上の留意点、自然災害リスクなども考慮しなければなりません。最新動向としては市場の流動性が依然高く、高額物件まで含めて活発な売買が続いていること、インフラ整備など将来に向けたプラス材料も揃っていることが確認できました。
総合的に判断すれば、ハワイは実務的な知識と綿密な計画さえあれば、十分に魅力的で信頼性の高い投資先と言えるでしょう。