【2025年最新】ハワイ入国・ビザ・ESTA申請の失敗しない手続きガイド

2025年現在、ハワイ(米国)への渡航条件やビザ手続きはコロナ前と比べて更新され、ビジネス渡航者や海外不動産投資家にとって押さえるべきポイントが増えています。ハワイ入国には米国の入国ルールが適用されるため、ビザやESTA(電子渡航認証)の準備は渡航目的に応じて適切に行う必要があります。
特にビジネス目的や投資目的で渡航する場合、短期の出張なのか現地で事業運営を行うのかによって取得すべきビザタイプが異なります。ここでは「2025年最新情報」に基づき、ハワイ渡航手続きの実務ポイントを解説します。短期商用渡航から現地投資ビザまで幅広くカバーします。最新の審査傾向やよくあるトラブル事例にも触れますので、ハワイへの安全・円滑な入国のためにぜひ参考にしてください。
渡航目的別ビザタイプの選び方:短期ビジネスから投資案件まで
ハワイへの渡航と言っても、渡航目的によって適切なビザタイプは異なります。まず大きく分けて、観光や短期商用の場合はビザ免除プログラム(VWP)の活用が可能ですが、長期滞在や現地での事業活動には専用のビザ取得が必要です。以下に目的別の選択肢をまとめます。
ビザ名 | 投資要件 / 活動範囲 | 滞在期間 / 有効期限 | 特徴 |
---|---|---|---|
B-1ビザ | 特に投資要件なし (非就労・短期商用活動) | 最長180日 | 商用目的の短期渡航向け。 米国内での就労は不可。 |
E-2ビザ | 相当額の投資が必要 (具体的な下限額はなし) | 最長5年 (2年ごと延長) | 日米通商航海条約に基づく投資家ビザ。 投資先企業を継続運営できれば更新可能。 |
EB-5ビザ | 80万ドル ~ 105万ドルの投資 (地域・プロジェクトにより変動) | 2年(条件付) ※永住権取得可 | 10名以上の雇用創出が条件。 投資実績認定で 永住権(グリーンカード)取得可能。 |
日本国籍の方は査証免除プログラム(VWP: Visa Waiver Program)により、ESTA(電子渡航認証)の取得で最長90日(*1)までビザなし渡航が可能です。例えば会議出席や不動産視察程度であれば、事前にESTA申請をすればビザ不要で入国できます。ESTAはオンラインで申請し、2年間有効(*2)な電子認証です(申請料21ドル(*3))。ただしESTAによる入国でも米国で報酬を伴う活動は許可されません。また、過去に特定の中東・アフリカ諸国やキューバに渡航歴がある場合はESTA利用資格を失うため、その際はビザ申請が必要になります。
商談や契約手続きなど短期のビジネス目的で90日以上滞在する場合や、ESTA対象外の方はB-1ビザ(短期商用ビザ)の取得を検討します。B-1ビザは米国で給与等の報酬を受け取らない範囲での商用活動が対象で、1回の滞在は最長180日(*4)まで認められます。例えば、ハワイの不動産物件調査で数ヶ月滞在するようなケースではB-1ビザが適しています。
B-1では会議への参加、契約交渉、視察など報酬を伴わない活動のみ許可され、米国内での就労は一切認められません。査証免除の90日制限より長く滞在でき、米国内で滞在延長や他のビザへの切替も可能というメリットがあります。ただし入国時の許可滞在日数は入国審査官の裁量で決定され、必ずしも180日フルに与えられるわけではない点に留意しましょう。
ハワイで会社を設立したり、現地ビジネスに投資して経営に携わったりする場合はE-2ビザ(投資家ビザ)の取得が代表的な選択肢です。E-2ビザは日米間の通商航海条約に基づく非移民ビザで、日本を含む条約国の国民が米国企業に実質的投資を行う際に発給されます。たとえば日本人がハワイで飲食店や不動産関連事業を立ち上げ、その経営者または駐在員として滞在する場合に利用されます。
E-2では「相当額の投資」が既になされているか進行中であること、かつその投資が単なる個人の生計費目的ではなく事業として継続的に経済効果を生むものであることが条件です。投資額に明確な下限は定められていませんが、事業規模や業種に照らし十分な資金投入が求められます。E-2ビザについては後述の章で詳細を解説しますが、日本人にとって最も利用の多いビザカテゴリーの一つであり、比較的手続きが容易な就労ビザとして活用されています。
投資を通じてグリーンカード(永住権)取得を目指す場合はEB-5ビザ(米国投資永住権プログラム)への申請が選択肢となります。EB-5はアメリカ合衆国の移民法上のプログラムで、一定額の資金を米国事業に投下し米国人雇用を創出することで永住権取得が可能になる制度です。現在の最低投資額は地域によって異なり、指定地域(ターゲット雇用地域など)の場合は80万ドル、それ以外では105万ドルが必要です。
さらにその投資によって2年間で10人以上のフルタイム雇用創出が義務付けられます。ハワイの大型開発プロジェクトなどに出資するケースや、自ら大規模事業を起こすケースが該当します。EB-5は要件を満たせば申請者本人とその配偶者・21歳未満の未婚子女に条件付永住権(2年後に条件削除申請が必要)が与えられるため、将来的にハワイに長期滞在・居住したい富裕層投資家に適した選択肢です。ただし必要資金が高額でプロセスも複雑なため、ハードルは高めといえます。こちらも後述で詳しく触れます。
以上が主なビザタイプの選択肢です。「短期の出張や観光程度ならESTAで十分だが、期間や活動内容がそれを超える場合は適切なビザを取得する」ことがポイントです。例えば「少し長めに滞在してハワイの不動産市場を調査し、現地業者と契約締結まで進めたい」という場合、安易にESTAで入国するとオーバーステイや不法就労と見なされるリスクがあります。
そうしたケースでは最初からB-1ビザ等を取得し、公正に手続きを踏むことが安全策となります。また投資案件で実際に現地ビジネスを行うなら、迷わずE-2ビザを検討すべきです。
次章では、2025年時点での米国入国審査の最新傾向を踏まえ、ビザ選択や申請時に注意すべきポイントを解説します。
2025年の最新審査傾向:要チェックポイント

近年、米国の入国審査やビザ発給審査は以前にも増して厳格化する傾向にあります。特にハワイでは、渡航目的と実態の食い違いに敏感に反応する事例が増えています。2024年には「観光」と称して入国しようとした日本人女性が相次いで入国拒否され強制送還されるケースが報じられ、大きな話題となりました。
米国当局は背景に日本人女性による違法就労(海外出稼ぎ)の急増があるとみて警戒を強めており、ハワイだけでなくロサンゼルスやラスベガス、ニューヨークでも同様の傾向が指摘されています。このように2025年の審査トレンドとして、「申告された渡航目的に偽りがないか」「短期ビザで入国して長期滞在・就労しようとしていないか」という点がこれまで以上にチェックされているのです。
ビジネス目的や投資目的でハワイに渡航する場合、以下のポイントを必ず確認・準備しておきましょう。
ESTAの乱用に注意
ESTAで入国できるからといって、90日間ぎりぎりまで滞在を繰り返すと「米国に実質的に居住しようとしているのでは?」と疑われることがあります。入国審査官はパスポートの出入国履歴から滞在パターンを把握できます。頻繁な長期滞在履歴があると「過去に不法滞在や怪しい滞在履歴がある場合」として入国拒否の対象になり得ます。ビジネスで定期的に訪問する必要があるなら、都度短期ビザを申請するか、駐在ビザ(例えばE-2やL-1など適切なもの)を取得する方が安心です。
一貫した渡航目的の説明
入国時のインタビューでは滞在目的や予定滞在期間を聞かれます。このとき申告内容と言動に矛盾があると一気に疑念を招きます。例えば観光と称しつつスーツケースに大量の仕事道具やサンプル商品が入っていたり、明らかに長期滞在の荷物量であったりすると要注意です。
実際に、観光目的と主張した日本人女性が「荷物の服が多すぎるのは怪しい」と追及され、別室審査となったケースもあります。ビザ種類に応じた活動範囲を超える印象を与えないよう、持ち物や発言にも気を配りましょう。また商用目的なら招待状や現地取引先とのやり取り記録などを携行し、質問に対して論理的に説明できるよう準備しておくことをお勧めします。
ビザ申請時の審査傾向
ビザ面接でも、動機の整合性や書類の信憑性が厳しくチェックされます。例えばE-2投資家ビザでは「事業計画の現実性」「投資額の十分性」「申請者の経営適性」等が審査され、不備があれば容赦なく却下されます。過去には、大企業の社員であっても現地では管理職に就く予定がない場合にE-2発給が拒否された事例もあります。
会社の知名度より申請者本人の役割適性が重視されるという最近の傾向を示す例です。このためビザ申請書類は他人任せにせず、自身でも内容をよく理解し一貫したストーリーを持たせることが重要です。面接でも矛盾なく動機や計画を説明できれば、審査官の心証が良くなります。
最新のセキュリティ措置
2025年現在、米国入国時には指紋採取や顔写真撮影が全入国者に対して実施されています。また一部空港では顔認証ゲートの導入やスマートフォンアプリを使った新しい審査方式も展開されています。ハワイ・ホノルル国際空港でもMPC(モバイル・パスポート・コントロール)という公式アプリを利用した入国手続き簡素化が可能になっています。
次章で詳述しますが、こうした新技術も活用しつつ、基本は「誠実に正しい手続きを踏むこと」が審査通過の鍵です。万一入国審査官から追加質問や別室対応を受けても、落ち着いて質問に答え、必要なら日本語通訳を依頼するなどして、真摯に協力する姿勢を示してください。
以上の点を踏まえれば、正当なビジネス渡航者や投資家であれば過度に恐れる必要はありません。 要は「ウソをつかない」「目的に合った適切なビザで来る」「聞かれたことに的確に答えられる準備をする」という3点が肝要です。では具体的なビザ申請手続きの流れを、オンライン申請の方法や必要書類と合わせて確認していきましょう。
ビザ申請のステップ:必要書類とオンライン手続きの流れ
ビザ申請フロー(例)
オンライン申請(DS-160)
・写真:5cm×5cm(6ヶ月以内)
面接予約 & 申請料支払い
・支払方法:オンライン決済など
大使館・領事館での面接
・提出書類:DS-160確認・出張命令書・投資書類など
ビザの発給 & 受け取り
・受取:宅配 or 指定窓口
※上記は一般的な手続き例です。
ビザ種別(B-1/B-2/E-2/EB-5等)や個別事情によってステップ・提出書類が変わる場合があります。
最新情報はJETROや在日米国大使館の公式サイトをご確認ください。
米国ビザ申請は基本的にオンライン手続きと面接予約を経て進みます。短期ビザであるB-1/B-2やE-2など非移民ビザの多くは共通のプロセスに従います(EB-5のような移民ビザは別途長期プロセスがありますが、ここでは一般的な手順を説明します)。以下に、ビザ取得までの代表的なステップを整理します。
ビザ種別の決定
まず前章までの内容を踏まえ、自分の渡航目的に最適なビザカテゴリーを決めます。目的に合致しないビザでは入国時にトラブルになるため、この判断は重要です。例:90日以内の商用→ESTA (VWP)、長期商用→B-1、投資経営→E-2、永住目的の投資→EB-5、など。
オンライン申請書の作成
ビザが必要と決まったら、米国ビザ申請用フォームDS-160(非移民ビザ申請用オンラインフォーム)をウェブ上で提出します。氏名・旅券情報・渡航目的・渡航歴・勤務先情報など詳細な項目を英語で入力しますので、パスポートと渡航計画、勤務先の英文資料等を手元に用意して慎重に記入しましょう。入力にミスがあると承認が遅れたり再申請が必要になったりします。完了後、DS-160確認ページをプリントアウトしておきます。
必要書類の準備
面接時に持参すべき書類を揃えます。共通必須書類は「残存有効期限が十分あるパスポート」「DS-160確認ページの印刷」「証明写真(5cm角、最近6ヶ月以内)」「ビザ申請料金の支払い証明」などです。加えて個別書類として渡航目的を裏付ける資料を用意します。
例えばB-1ビザなら招待状や現地との商談メール、勤務先からの出張命令書など、E-2ビザなら投資先企業の事業計画書や登記書類、投資資金の送金証明など、EB-5なら投資契約書や資金の合法的取得を証明する書類等が考えられます。それぞれのビザに応じ指定された書類リストが米国大使館サイトにありますので、必ず確認して漏れなく準備しましょう。
面接予約と申請料支払い
在日米国大使館・領事館のビザ申請サイト(米国ビザ申請サービス)で面接予約を行います。希望会場(東京・大阪・福岡・札幌など)と日時を指定し、オンラインで申請料金を支払います。申請料はビザ種別によって異なり、例えばB-1/B-2は185ドル(*6)、Eビザは315ドル(*7)(2025年時点)などとなっています。
支払いが確認されると予約が確定し、予約確認ページが発行されるので印刷します。近年、一部カテゴリーでは面接免除プログラムも導入されており、過去に同種のビザを取得して一定条件を満たす場合は郵送申請のみでビザが更新できる制度もあります。しかし初回申請者やE-2のようなケースでは基本的に面接が必要です。
大使館・領事館での面接
予約日時に会場を訪れてビザ面接を受けます。入館時にセキュリティチェックがあり、電子機器の持ち込みは禁止されているため注意してください。指紋スキャンなどを経て審査官との面接となります。面接は英語で行われるのが原則ですが、観光ビザ等では日本語スタッフが対応する場合もあります。ビジネス関連ビザでは自分の言葉でしっかり目的を説明できるよう英語回答を用意しておきましょう。
質問内容は渡航目的、滞在期間、投資内容(E-2/EB-5の場合)、帰国意思の有無など多岐にわたります。想定問答を準備し、提出書類と矛盾しない受け答えを心がけます。審査官が追加書類を要求したら、その場で提示できるようフォルダを整理しておくことも大切です。面接結果はその場で口頭で知らされ、許可(Approved)の場合はパスポートが預かられます。不許可(Denied)の場合は理由を確認し、再挑戦が可能か判断しましょう。
ビザの発給と受け取り
面接に合格すると、パスポートにビザが貼付された上で後日返却されます。日本では通常、申請から発給まで約5営業日程度が目安です(繁忙期はもう少しかかる場合もあります)。受け取り方法は宅配もしくは指定された受取窓口でのピックアップとなり、面接時に選択します。通知メールを受け取ったら期限内に受領手続きを行いましょう。パスポートが戻ってきたら、ビザの記載内容(氏名・有効期限・ビザ種別など)に誤りがないか必ず確認してください。
ESTAの場合
なお短期渡航でビザ不要のESTA申請もオンライン手続きです。公式サイト(またはESTA公式アプリ)で渡航者情報を入力し21ドル(*3)をクレジット決済するだけですが、渡航の72時間前(*5)までに申請することが義務づけられています。審査には最長72時間かかるため、理想的には渡航1か月以上前に済ませておくのが安全です。
承認通知はメール等で届きますが、紙の証明は不要です(航空会社が電子確認します)。ただし万一に備え、ESTA申請番号や承認スクリーンショットを控えておくと良いでしょう。
E-2ビザ特有の手順
投資家ビザであるE-2は、上記に加えて企業登録手続きが必要な点が特殊です。初めてE-2ビザ申請を行う企業の場合、ビザ申請に先立ち在日米国大使館への企業登録(事前審査)を行います。ここでは企業の事業内容や財務状況、投資額などをまとめた書類一式を提出し、Eビザ要件を満たす会社であることの認定を受けます。
企業登録の審査には約8〜12週間程度を要します。事前審査が通れば面接に進み、問題なければ1〜2週間でビザ発給となります。既に登録済み企業の追加申請者であれば、このプロセスは簡略化され面接からの手続きで済みます。いずれにせよE-2を取得するには数か月単位の準備期間が必要と心得ましょう。
以上がビザ取得までの基本フローです。一見ステップ数が多いですが、一つ一つ確実に進めれば難しくはありません。特に書類不備や記入ミスは手続き全体を遅らせますので、早め早めの準備とダブルチェックを心がけてください。次章では、実際にハワイに渡航する直前・入国審査時に留意すべき点を解説します。スムーズな入国手続きのための事前準備や、ありがちなトラブルへの対処法を確認しましょう。
入国審査をスムーズに通過するための事前準備:よくあるトラブル事例と対策
入国審査チェックリスト
- 🛂 パスポート:残存期間が滞在予定+90日以上を推奨。
- ✈ 往復チケット:帰国日が確定した航空券の控えを印刷。
- 🏠 宿泊先の予約証明:ホテルやAirbnbの予約確認書、または招待状。
- 📝 入国目的の根拠書類:商用なら招待状・契約書、観光なら行程表など。
- 💰 1万ドル超の現金:持ち込む場合は税関申告が必要。
※最新の入国要件や税関規定は JETROや米国政府公式サイトを参照してください。
ビザの準備が整い渡航日が近づいたら、最後に入国審査への対策を万全にしておきましょう。ハワイ到着後、最初の関門は空港での入国審査(イミグレーション)です。ここをスムーズに通過するために、事前にできる準備と心得ておくべきことをまとめます。
パスポートの有効期限確認
渡航時のパスポート残存期間はできるだけ長いほど望ましいです。米国入国には「滞在予定日数+90日以上」の有効期限が推奨されます。90日未満しか残っていないと別室で詳しい質問を受ける可能性があります。ビザ申請時点から期限が1年未満の場合は更新も検討してください。
渡航書類の携行
入国審査官から求められそうな書類はプリントして手元に用意しておきましょう。必携書類としては「パスポート(ビザ貼付済)」「往復の航空券の控え」「宿泊先の予約確認書(ホテルのバウチャー等)」が挙げられます。
特に帰りの航空券は提示を求められる頻度が高いので、紙のeチケット控えを準備して即座に示せるようにします。宿泊がホテル以外(友人宅等)の場合は滞在先住所と連絡先をメモし、場合によっては招待状などを提示できると安心です。またビザ申請時の書類コピー(面接で見せた事業計画書のサマリーや招待状など)も持参すると、入国審査で詳細を聞かれた際に役立ちます。
税関申告と持込禁止品
入国審査後の税関手続きも滞りなく行うため、機内で配られる税関申告書(現在は電子端末入力やスマホアプリ利用も可能)に正確に記入します。日本からの持込禁止物(生鮮食品・種子類など)は持たないのが原則です。現金の持込は1万ドル超の場合申告が必要ですので、投資目的で大金を携行する方は必ず申告してください。税関も含め米国法を遵守する姿勢を示すことが大切です。
Mobile Passportアプリの活用
ホノルル国際空港ではMPC(Mobile Passport Control)というスマートフォン用アプリを利用することで入国審査の待ち時間を短縮できます。MPCは米国税関・国境警備局(CBP)公式の無料アプリで、事前にパスポート情報や税関申告内容、セルフィー写真を登録しておくと、空港のMPC優先レーンから迅速に入国審査を受けられる仕組みです。
米国市民・永住者だけでなく、ESTA渡航者やB1/B2ビザ保有者なども利用可能(初回渡航の人は除く)となっています。具体的には日本出発前にアプリをダウンロードし、ガイダンスに沿って必要情報を入力、ハワイ到着後にアプリ内で申請送信するとQRコードが発行されます。それをMPC専用窓口で提示すればOKです。
入国審査での受け答え
いよいよ審査官との対面ですが、ここでは落ち着いて簡潔に受け答えすることが肝心です。典型的な質問事項として、「滞在日数」「滞在目的」「滞在先(ホテル名)」「帰国予定日」「職業」「所持金額」などが挙げられます。たとえば滞在目的はビザの種類に応じて明確に答えます。観光ビザで入国しているのに「仕事で来た」と誤って答えるのはNGですし、逆に商用ビザなのに「観光です」と言うのも不自然です。職業について聞かれたら、日本での肩書きを答えます。
特に投資家の場合「会社経営者(社長)」「投資家」などと答えると追加質問されることもありますが、事前申請したビザがある以上正直に答えて問題ありません。所持金は正確に(現金いくら・トラベラーズチェックいくら等)答えましょう。1万ドルを超える現金は基本持ち込めないことも確認されます。
スムーズ通過のコツ
審査場では緊張もありますが、いくつか心構えをしておくと安心です。例えば冗談は避け、聞かれたことに端的に答えるのが無難です(相手によってはフレンドリーな場合もありますが、ジョークが誤解されトラブルになった例もあります)。
また、嘘偽りなく事実を答えるのは大前提です。入国審査官はプロであり、不自然な回答はすぐ察知します。堂々と正直に答えましょう。書類一式をすぐ取り出せるよう準備しておくことも大切です。質問に関連して「では証明書はありますか?」と言われた際、バッグをまさぐって時間をかけると印象が悪くなりがちです。必要書類はクリアファイルなどにまとめ、パッと見せられるようにしておくとスムーズです。
万一別室に回されたら
正式なビザを持ち正当な理由で渡航していても、ランダムチェックや些細な疑問から別室審査となる場合があります。別室(Secondary Inspection)ではより詳細な質問やスマホ中身のチェックなどが行われることもあります。これはあくまで追加確認の場なので、必要以上に怯えず協力的に対応してください。
英語での応答に不安があれば「Japanese interpreter, please(日本語通訳をお願いします)」と伝えて構いません。審査官はあなたが規則を理解し遵守する意思があるかを見ています。感情的にならず冷静に。もし渡航目的に誤解があったなら追加書類や連絡先を提供して誤解を解くチャンスでもあります。大抵の場合、問題なければ謝意とともに開放されます。
出国・帰国時の手続き
入国後の滞在中はビザの許容範囲を超えた活動をしないよう心がけましょう(例えば観光ビザで来ているのに商談を行う等はNGです)。予定を終えたら期限内に出国することも当然です。日本への帰国便チェックイン時には米国出国手続き自体はありません(I-94は電子管理)。
ただし日本到着時には税関申告や入国審査があります。2025年現在、日本入国時のコロナ関連措置は全て終了していますので、通常の手続きのみです。事前にVisit Japan Webに税関申告情報を入力してQRコードを取得しておくと、帰国時の税関もスムーズに通過できます。
以上のような準備と対応をしておけば、ハワイでの入国審査は決して怖いものではありません。多くの方にとって数分程度の簡単な問答で済み、晴れてハワイの地に第一歩を踏み出せるでしょう。最後にもう一度強調しますが、「正直であること」「聞かれたことに的確に答えること」「必要な証拠を提示できること」が円滑な入国のポイントです。不安な場合は本章を読み返し、想定問答をシミュレーションしておいてください。
日本人投資家が押さえるべきE-2 & EB-5ビザ:取得条件と申請成功のポイント
比較項目 | E-2ビザ | EB-5ビザ |
---|---|---|
投資額 | 明確な下限なし | 80 ~ 105万ドル |
永住権の可否 | 不可(長期滞在は可能) | 可(条件付2年後に認定) |
審査期間 | 数か月程度 | 最短10か月~数年 |
更新要件・雇用創出 | 事業が継続・拡大していれば何度でも更新可 (雇用創出要件はなし) | 投資先で少なくとも10名の 米国人フルタイム雇用を創出する必要 |
ビジネス目的でハワイに渡航する日本人に特に関係が深いのがE-2投資家ビザとEB-5投資永住権ビザです。ここでは日本人投資家として知っておくべき両ビザの基礎知識と、取得のための重要ポイントを整理します。
E-2は非移民ビザであり、あくまで一時的滞在者(駐在員)として米国に滞在するためのものです。しかし条件を満たしている限り何度でも更新可能で、長期に渡って滞在継続できる柔軟性があります。
日本人の場合、E-2ビザは最長5年間(*8)有効なマルチプルビザとして発給されます(初回は事業内容等により1〜2年となるケースもあり得ます)。ビザ自体の更新は5年毎に可能で、在米中も事業が存続し要件を満たす限り無期限に延長できます。ただし一度の入国で許可される滞在期間(I-94の期限)は2年間(*9)までと定められており、2年経過前に一度米国外に出国(再入国)するか、米国内で滞在延長申請(I-539)を行う必要があります。
EB-5は1990年に創設された連邦プログラムで、投資を通じて米国の雇用創出を促すことを目的としています。日本人を含む全世界の投資家が対象ですが、これまで主な利用者は中国・ベトナムなどのアジア諸国富裕層が中心でした。近年は日本人の利用も増えてきており、E-2→EB-5に切り替えることで最終的に永住権を狙う戦略を取る投資家も存在します。
以上、E-2とEB-5の概要とポイントを見てきました。E-2ビザは比較的迅速かつ低予算で米国ビジネスを始められる反面、永住はできないという制限があります。一方、EB-5は多額の資金と時間を要するものの、最終的には永住権を得られる可能性があります。
日本人投資家としてどちらを選ぶべきかは、投資目的や予算、将来ハワイに住みたいかどうかによります。迷う場合は「まずE-2でビジネスを始めて様子を見ながら、必要に応じてEB-5に切り替える」という段階的アプローチも有効でしょう。最新の法制度を踏まえて最適な計画を立てることが重要です。
- *1 外務省:ビザ免除プログラムを利用した米国への渡航:日本国籍者の90日以内滞在条件(2024年)
- *2 在日米国大使館と領事館:ESTA申請:ESTA2年間有効期限・パスポート有効期間要件(2023年)
- *3 外務省:ビザ免除プログラムを利用した米国への渡航:ESTA申請料21米ドル(2024年)
- *4 Boundless Immigration:B-1/B-2ビザ解説:B-1/B-2ビザ最長6ヶ月滞在期間(2025年2月)
- *5 外務省:ビザ免除プログラムを利用した米国への渡航:ESTA渡米日72時間前申請推奨(2024年)
- *6 米国務省:非移民ビザ申請料金:B1/B2・学生・交流訪問者ビザ申請料185ドル(2023年6月)
- *7 米国務省:非移民ビザ申請料金:E(条約貿易・投資)ビザ申請料315ドル(2023年6月)
- *8 NNU Immigration:E2ビザ有効期間:各国別E2ビザ最長有効期限・日本国籍者5年間(2025年3月)
- *9 NNU Immigration:E2ビザ有効期間:E2ビザ入国時2年間滞在許可・再入国での新たな2年間付与(2025年3月)