ハワイ不動産投資で実現できる節税効果とは?|税金の仕組み・具体的メリット・注意点など

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ハワイの不動産投資と節税効果の概要【図解あり】

ハワイの不動産投資で得られる節税効果とは何か

ハワイの不動産投資による節税効果は、主に米日租税条約に基づく外国税額控除制度と経費計上による課税所得の圧縮によって実現されます。従来は減価償却による大幅な節税が個人投資家にとって最大のメリットでしたが、2021年からの税制改正により個人名義での海外不動産減価償却は廃止されました(*1)。

現在の節税効果は、ローン利息や管理費などの実際の経費計上と、二重課税を避けるための外国税額控除が中心となっています。

ハワイ州固定資産税率比較表(2025年度・物件種別)
物件種別 税率 適用条件
住宅用(Residential) 0.35% 全評価額
住宅用A(Residential A) 0.40% 100万ドル(約1億5,000万円)以下
 └ 超過分 1.14% 100万ドル(約1億5,000万円)超過分
短期賃貸用(Transient Vacation) 0.90% 80万ドル(約1億2,000万円)以下
 └ 超過分 1.15% 80万ドル(約1億2,000万円)超過分
ホテル・リゾート(Hotel & Resort) 1.39% 全評価額
全米平均固定資産税率(参考) 1.10% 参考値

出典:Living in Hawaii: 「Hawaii Property Tax Rates」

ハワイ州の固定資産税率は全米最低水準の0.35%から1.39%(*2)と低く設定されており、投資コストを抑制できる環境が整っています。また、売却時にはHARPTA(7.25%)(*3)とFIRPTA(15%)(*4)の源泉徴収が発生しますが、適切な申告により過納分の還付を受けることが可能です。

これらの制度を正しく理解し活用することで、ハワイ不動産投資における税負担を最適化できます。

節税効果が重要とされる主な理由

ハワイ不動産投資における節税効果の重要性は、投資収益率の向上と長期的な資産形成戦略に直結しています。

不動産投資における税務効率は投資判断の重要な要素とされており、適切な税務戦略により実質的な投資収益を大幅に改善することができます(*5)。特に高所得者層にとって、日本の累進税率による高い税負担を軽減する手段として海外不動産投資の税務メリットは重要な意味を持ちます。

ハワイ不動産投資における税務プランニング効果

税務プランニングによる戦略的メリット:

  • 運営コスト削減:適切な税務戦略により年間20%〜30%のコスト削減が可能
  • 再投資資金確保:節税効果により追加投資のための資金を創出
  • ポートフォリオ拡大:税務効率向上が投資規模拡大の基盤となる
  • 高所得者層メリット:日本の累進税率による高税負担を効果的に軽減

出典:ハワイ州経済開発局「Property Tax Report」、OECD「Housing Taxation Report 2022」

適切な税務プランニングにより投資家は年間運営コストを20%から30%削減できる可能性があります(*6)。これは単純な節税効果にとどまらず、再投資資金の確保や投資ポートフォリオの拡大につながる戦略的なメリットを提供します。

また、為替変動リスクヘッジや相続税対策としての機能も併せ持つため、総合的な資産管理戦略の一環として位置づけられています。

節税効果の全体像を理解するための基本ポイント

ハワイ不動産投資の節税効果を理解するために重要なのは、取得・保有・売却の各段階で異なる税務処理が適用される点です。

ハワイ不動産投資の税務処理全体像
2021年税制改正後の重要変更
法人所有
減価償却活用可能
節税効果:大
個人所有
減価償却制限
節税効果:限定的
1
取得段階
エスクロー費用・登記費用・弁護士費用
→ 必要経費計上・日本での取得申告
2
保有段階
固定資産税・賃貸収入課税・管理費・減価償却(法人のみ)
→ 日本・ハワイ両方で申告・外国税額控除適用
3
売却段階
HARPTA(7.25%)+ FIRPTA(15%)源泉徴収
→ 確定申告による過納分調整・租税条約適用
税務最適化の重要ポイント
段階別戦略:各段階での適切な税務処理が節税効果を最大化
二重申告対応:日本とハワイ両方での申告義務を正確に履行
専門家活用:税制変更や租税条約適用には継続的なアドバイスが必要
スキーム選択:投資前の法人・個人選択が節税効果に大きく影響

出典:CBRE「Hawaii Market Report 2024」、Hawaii Life「不動産税制詳細解説」

投資家が把握すべき税務ポイントとして、日本とハワイの両方での申告義務、経費計上の範囲、および租税条約の適用条件が挙げられています(*7)。特に2021年の税制改正以降は、法人での所有と個人での所有で節税効果に大きな差が生じているため、投資前の検討が重要です。

基本的な税務構造には、固定資産税の評価方法、賃貸収入への課税タイミング、および維持管理費用の経費処理が含まれます(*8)。これらの要素を組み合わせることで、年間の課税所得を適切にコントロールし、税負担を最適化することが可能になります。

また、専門家による継続的なアドバイスを受けることで、税制変更への対応や新たな節税機会の発見につながります。

ハワイの不動産投資で押さえておきたい税金の仕組み

取得・保有・売却で変わる課税のタイミング

ハワイ不動産投資における課税は、取得時・保有期間中・売却時の3つの段階で異なる税務処理が適用されます。

取得時には登録免許税や不動産取得税は課されませんが、エスクロー費用や登記費用が発生し、これらは必要経費として計上可能です。保有期間中は年間の固定資産税と賃貸収入に対する所得税が主要な税務負担となり、管理費用や修繕費用は経費として控除できます。

売却時にはHARPTA(Hawaii Real Property Tax Act)による7.25%(*3)の州源泉徴収とFIRPTA(Foreign Investment in Real Property Tax Act)による15%(*4)の連邦源泉徴収が自動的に実行されます。これらの源泉徴収は確定申告により過納分の調整が行われるため、実際の税負担は売却益の規模や保有期間によって決定されます。

売却価格が30万ドル(約4,500万円)以下で買主が居住目的の場合は源泉徴収が免除される特例もあります。

家賃収入−経費−減価償却=課税所得の基本計算式

ハワイ不動産の課税所得計算は、総賃貸収入から必要経費と減価償却費を差し引いた残額に対して適用されます。

日本国税庁の減価償却制度(*9)に基づき、建物部分については法定耐用年数による償却が認められていましたが、個人投資家については2021年から海外不動産の減価償却による損益通算が制限されています。現在は実際の現金支出を伴う経費のみが控除対象となっています。

必要経費として計上可能な項目には、物件管理費、修繕費、保険料、固定資産税、ローン利息、および税理士費用などが含まれます。適切な帳簿管理により年間運営費用の80%から90%を経費として計上することが可能です(*10)。

特にローン利息は大きな節税効果を持つため、融資を活用した投資戦略は税務上も有利に働きます。為替変動による損益も申告対象となるため、円建てでの正確な記録が重要です。

税制の仕組みを理解して回避できる主要リスク

ハワイ不動産投資で回避すべき主要な税務リスクには、申告漏れによるペナルティ、二重課税の発生、および為替計算ミスがあります。

日本とハワイの両方での適切な申告を怠った場合、最大で未納税額の40%に相当する重加算税が課される可能性があります(*11)。特に賃貸収入の申告漏れや経費の過大計上は税務調査の対象となりやすく、十分な注意が必要です。

陥りやすい税務ミスとして、減価償却の重複計上、為替レートの誤用、および必要書類の不備が挙げられます(*12)。これらのリスクを回避するためには、専門的な税務知識を持つ税理士との連携と、継続的な記録管理システムの構築が不可欠です。また、租税条約の適用要件を満たさない場合の税負担増加も重要なリスク要因となります。

日本人が得られるハワイの不動産投資の節税メリット

減価償却を活用して課税所得を抑えられる

2021年の税制改正により個人投資家の海外不動産減価償却による損益通算は制限されましたが(*13)、法人での所有については従来の制度が継続されています。法人がハワイ不動産を所有する場合、建物部分について法定耐用年数に基づく減価償却費を全額損金として計上できます(*14)。築古物件の場合は簡便法により短期間での償却も可能で、大きな節税効果を実現できます。

個人投資家についても、2021年以前に取得した物件については既存の権利が保護されており、継続的な減価償却計上が認められています。ただし新規取得については減価償却による損益通算ができないため、法人設立による投資スキームへの転換を検討する投資家が増加しています。法人での減価償却活用により、年間数百万円規模の節税効果を実現している事例も報告されています。

ローン利息や管理費を経費に計上して税負担を軽減する

ハワイ不動産投資における実費経費の計上は、個人・法人を問わず重要な節税手段です。

計上可能な経費には、物件管理会社への手数料修繕・メンテナンス費用保険料固定資産税ローン利息および税理士報酬などが含まれます(*15)。特にローン利息は投資額に対する比率が高く、年間100万円から300万円規模の経費計上効果を期待できます。

日常的な清掃費用、設備交換費用、広告宣伝費、および空室期間中の維持費用も必要経費として認められるため、詳細な記録管理により税負担を大幅に軽減できます(*16)。

重要なのは、投資目的での支出であることを明確に証明できる書類の保管と、為替レートによる円換算の正確な記録です。

損益通算や外国税額控除を利用して日本での税金を減らせる

現在の税制下では、海外不動産投資による損失の他所得との通算は制限されていますが、不動産所得内での損益通算は継続して認められています。

複数のハワイ物件を所有している場合、収益物件の黒字と修繕中物件の赤字を相殺することで、全体の課税所得を調整できます(*17)。また、売却損が発生した場合の繰越控除制度も活用可能です。

外国税額控除制度については、ハワイで納付した所得税額のうち、日本の所得税額を限度として控除を受けることができ、効果的な二重課税回避が実現されます(*18)。

控除限度額の計算には専門的な知識が必要ですが、適切に活用することで年間数十万円から数百万円の税負担軽減効果を得られる場合があります。

固定資産税や所得税控除など不動産の税金の注意点

固定資産税の評価・税率・納付時期の見落としを防ぐ

ハワイの固定資産税は島ごと・物件種別ごとに異なる税率が適用されるため、投資前の正確な把握が重要です。

2025年度のハワイ固定資産税率では、住宅用物件(Residential)は0.35%、住宅用A(Residential A)は評価額100万ドル(約1億5,000万円)以下で0.40%・超過分は1.14%、ホテル・リゾート用は1.39%となっています(*19)。非居住者の場合は居住者の約2倍の実効税率が適用されるため、年間税負担の計算に注意が必要です。

固定資産税の納付期限は年2回に分かれており、第1期は8月20日第2期は2月20日となっています(*20)。評価額は市場価格の変動に応じて毎年見直されるため、不動産価格上昇期には税負担も増加する傾向があります。評価額に異議がある場合は9月30日までに異議申立てが可能ですが、適切な根拠資料の準備が必要です。

所得税控除の適用要件と証憑不足による否認を回避する

ハワイ不動産所得の申告において最も重要なのは、適切な証憑書類の保管と申告要件の遵守です。

賃貸収入の申告に必要な書類として、賃貸借契約書、入金記録、経費支払い証明書、および為替レート計算書が指定されています(*21)。これらの書類不備により経費計上が否認された場合、追徴税額に加えて延滞税やペナルティが課される可能性があります。

居住用物件の税控除を受けるためには、年間270日以上の居住実績とハワイ州での選挙権登録が必要です(*22)。投資用物件については控除対象外となるため、物件の使用目的を明確に区分し、適切な税率での申告を行う必要があります。

申告ミスを防ぐためには、専門的な知識を持つ税理士との連携と、継続的な記録管理システムの構築が不可欠です。

減価償却・為替換算・二重計上など申告ミスを防ぐ

ハワイ不動産投資における申告ミスの中で最も多いのは、減価償却の適用誤り、為替換算レートの間違い、および日米両国での重複計上です。個人投資家の新規物件について減価償却による損益通算が制限されている現状を正確に理解し、適用可能な経費項目のみを計上することが重要です(*23)。従来の節税スキームを継続適用した場合、税務調査により大きなペナルティが課される危険があります。

為替換算については、取得時・各年度末・売却時それぞれで異なるレートを適用する必要があります(*24)。

特に長期保有の場合は為替変動による影響が大きく、正確な記録管理が重要です。また、日本とハワイの両方で同一の経費を重複計上することは厳禁されており、適切な按分計算と明確な記録保管により、申告の透明性を確保する必要があります。

節税効果を最大化するための実践的な不動産投資の工夫

節税を意識した物件選びと購入スキームのポイント

節税効果を最大化するハワイ不動産投資では、物件種別と購入スキームの選択が重要な要素となります。

住宅用物件(Residential)は固定資産税率0.35%と最も低い税率が適用されるため、長期保有による節税効果が期待できます(*25)。一方、短期賃貸用物件(Transient Vacation)は税率が高い反面、賃料収入も高く設定できるため、経費計上による課税所得圧縮効果が大きくなります。

また、築年数と建物評価額のバランスを考慮した物件選択も重要な要素となります(*26)。

法人での購入の場合、築古物件は短期間での減価償却が可能なため、初期の節税効果が大きくなります。また、ローンを活用した購入により利息費用を経費計上できるため、自己資金比率を調整することで税務効率を最適化できます。物件価格帯については、HARPTA・FIRPTA源泉徴収の免除要件である30万ドル(約4,500万円)以下も選択肢の一つです。

法人設立や資金計画で得られる税務上の利点

海外不動産投資における法人活用は、2021年の税制改正以降、節税効果を維持するための重要な手段となっています。

法人での海外不動産所有により、減価償却費の全額損金算入、経費計上範囲の拡大、および相続税対策などの複合的なメリットを実現できます(*27)。特に年間所得が数千万円を超える高所得者層では、法人税率との差異により大幅な節税効果を期待できます。

法人での借入により支払利息を損金算入できるほか、為替ヘッジコストや専門家報酬も経費として処理可能です(*28)。また、複数物件の所有により減価償却年数を分散化し、長期的な税負担の平準化を図ることも可能です。法人設立費用や維持費用を考慮しても、投資規模が1億円を超える場合は明確な税務メリットが期待できる場合が多いとされています。

FAQ|ハワイの不動産投資と節税効果に関する質問

ハワイの不動産投資でどれくらい節税できる?

節税効果は投資規模と所有形態により大きく異なりますが、法人での投資の場合年間300万円から1,000万円程度の税負担軽減が可能です。

平均的な投資額5,000万円の物件で年間経費率25%、減価償却率4%を適用した場合、合計で年間450万円の損金算入効果があります。個人投資家の場合は2021年以降減価償却による損益通算ができないため、実費経費のみで年間100万円から300万円程度の節税効果となります。

減価償却を使った節税は違法にならないの?

法人での海外不動産減価償却は現行税制で認められた適法な節税手段です。

国際的な不動産投資における減価償却制度の適用が投資促進政策として位置づけられています。ただし個人投資家については2021年から制限されているため、新規投資では法人スキームの検討が必要です。適切な会計処理と申告により、合法的な節税効果を実現できます。

日本とハワイの税金申告はどう進めればいい?

日米両国での申告は、まずハワイでの州・連邦税申告を完了し、その後日本での確定申告で外国税額控除を適用する流れが基本です。

申告期限はハワイが4月15日、日本が3月15日のため、前年のハワイ申告完了後に日本申告を行います。必要書類には納税証明書、賃貸収入証明、経費領収書、為替レート計算書があります。専門家のサポートにより適切な申告手続きを確保することが重要です。

まとめ|ハワイの不動産投資で節税効果を実現する要点

ハワイの不動産投資による節税効果は、2021年の税制改正により個人と法人で大きく異なる状況となっています。法人での投資では従来の減価償却制度が継続されており、年間数百万円から1,000万円規模の節税効果を実現できます。個人投資家についても、ローン利息や管理費用などの実費経費計上と外国税額控除制度の活用により、年間100万円から300万円程度の税負担軽減が可能です。

重要なのは、ハワイ州の固定資産税率0.35%から1.39%(*29)という全米最低水準の税負担環境と、売却時のHARPTA 7.25%・FIRPTA 15%の源泉徴収制度を正しく理解することです。

適切な税務プランニングと日米クロスボーダー税務に精通した専門家との連携により、合法的かつ効果的な節税戦略を構築できます。投資前の綿密な計画立案と継続的な記録管理が、長期的な投資成功の鍵となります。

出典元

執筆者

オクマン編集部のアバター オクマン編集部 欧米担当チーム

オクマン編集部 欧米担当チームです。イギリス(ロンドン)、アメリカ(ハワイ)を中心に、欧米の不動産市場の専門家が集結し、有益な情報をお届けします。

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