ベトナム移住は本当にお得?日本人の平均年収・物価・治安から見るリアルな生活事情

なぜ今ベトナム移住が注目されるのか:背景と目的
ベトナム経済の成長と日本人の関心高まり
ベトナムは近年急速な経済成長を遂げており、ASEAN地域の新興経済大国として注目を浴びています。2024年から2025年にかけてのGDP成長率は6.5%~7.0%を維持すると予測されており、外国直接投資(FDI)の増加に伴い、多くの日本企業もベトナムへ進出しています。
実際、日本の外務省データによれば、ベトナム在住の日本人数は2013年の約11,200人から2020年には約23,400人と倍増し、パンデミックを経てもなお約2万人を維持しています。日本企業のベトナム進出と現地ビジネス環境の良好さが背景にあり、日本人駐在員や現地採用者にとってベトナムは有力な移住先となっています。
こうした経済的つながりと成長を追い風に、日本人のベトナム移住への関心はますます高まっているのです。

ベトナムの物価は本当に安い?主要都市での生活コストを徹底解説
ホーチミン、ハノイなど大都市の家賃・食費・交通費の実態
ベトナムの物価は日本と比べて総じて低く、特に住宅費や食費で大きな差があります。ただし、都市部と地方で差があり、首都ハノイや商業都市ホーチミンでは近年物価上昇も見られます。
たとえばホーチミン市の家賃相場は、中心地の高級マンションで月2,000ドル以上(約30万円超)する物件もありますが、中級クラスなら月700ドル(約10万円)程度から探せます。一般的な都市部の賃貸では、一人暮らし向けのワンルームが月500万ドン~1000万ドン(約3.1万~6.3万円)で借りられ、地方ならさらに安く月10,000~25,000円程度で2~3LDKも可能です。
食費については、外食中心でも月約100万~200万ドン(約6千~1.3万円)ほどで済むケースもあり、屋台料理なら1食150~250円程度と格安です。しかし、日本食レストランでは1食1000円以上するなど、選択する食事によって幅がある点には注意が必要。
交通費もバイクタクシー(Grabなど)を利用すれば1回数十円~数百円と安価ですが、バスや電車など公共交通が整備途上のため、移動はバイク移動が主流という一面があります。
▼都市別の生活コスト比較表
東京・ホーチミン・ハノイにおける1ベッドルーム家賃、外食費、交通費などの比較をまとめました。
都市 | 1ベッドルーム家賃(USD/月) | 外食費(メイン1回あたり/USD) | 交通費(目安/USD) |
---|---|---|---|
東京 | 1164 | 46 | 2 |
ホーチミン | 700 | 25 | 1 |
ハノイ | 339 | 24 | 1 |
物価差が生む生活のゆとりと注意すべきポイント
日本と比べベトナムの生活費は「半分以下」との指摘もあり、日本人にとっては貯蓄がしやすい環境です。例えば、ハノイやホーチミンの都市部でも、工夫次第で月5万~10万円の貯金も可能という在住者の声もあります。実際、ベトナムでは物価の安さゆえに毎月の支出管理を怠ると無駄遣いしがちとの指摘もあり、高額紙幣が多く金銭感覚が狂いやすい(1円 ≒ 160ドンのため、数万ドン単位の出費が日常的)ので、家計簿アプリなどでの管理が推奨されています。
また近年はインフレ率が3~4%台で推移し、食料品や住宅費が上昇する傾向があるため、今後ゆるやかに生活コストが上がることも念頭に置く必要があります。例えば人気のフォー(米粉麺)1杯の値段も5年前は約150円だったのが、現在は250~300円に上昇するなど、経済成長に伴う物価上昇にも目を向けましょう。
つまり、ベトナム移住は現時点では「安価な生活コストでゆとりを生みやすい」のは事実ですが、将来的な物価変動や都市部のコスト増に対する備えも必要です。
治安面から見るベトナム移住の現状:日本人にとって安全か?
一般的な治安レベルとトラブル事例
ベトナムの治安は東南アジアの中では比較的良好と評価されています。2023年の「世界平和指数(Global Peace Index)」でベトナムは全世界で41位とされ、43位の韓国より上位、92位のタイよりはるかに平和度が高いとのデータもあります。凶悪犯罪(殺人・強盗など)は比較的少なく、外国人が巻き込まれやすいのはスリやひったくりといった軽犯罪がほとんどです。
具体的なトラブル事例としては、繁華街や市場でのスリ、路上でスマートフォンをバイクからひったくられるケースが報告されています。日本国大使館・領事館の情報によれば、ホーチミン市で2023年に在住日本人が報告した犯罪被害は59件あり、その半数近くがスリ・ひったくり・タクシーのぼったくりでした。
また、2023年にはホーチミン市で邦人が刺傷される事件も発生し日本国内でも報道されました。こうした事件は稀であるものの、「日本に比べればトラブルや犯罪に遭う確率は高い」ことは否めないため、油断は禁物です。
GPI 4ヵ国の順位
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在住日本人コミュニティの防犯対策や心がけ
ベトナム在住の日本人コミュニティでは、防犯に対する情報共有と工夫がなされています。
例えば、夜間や人通りの少ない場所ではタクシーを使う、徒歩移動の場合はバッグをたすき掛けにして常に内側に持つ、歩きスマホをしないなど具体的な対策が推奨されています。特にホーチミン市のようなバイク交通が多い都市では、バイクによるひったくりが頻発するため、バッグは体の前に抱えるか斜め掛けで肌身離さないことが重要です。
また、現地の日本人会やSNSグループで安全情報を交換し、新しく移住してきた人に過去の事例を共有する文化もあります。ベトナム人は温厚で親日的な国民性と言われる一方、経済格差から窃盗が増える側面もあるため、「日本と違う」ことを自覚して慎重に行動することが大事です。
例えば、大金を持ち歩かない、深夜に一人で出歩かない、見知らぬ人から話しかけられても警戒するなど、基本的な防犯意識が身を守ります。総じて、ベトナム移住は決して危険なものではなく、正しい知識と心がけがあれば比較的安全に暮らせるでしょう。現地の日本人コミュニティへの参加や情報収集も、防犯面での安心材料になります。
日本人の平均年収をベトナムでどう活かす?収入格差と生活水準
収入に対してどの程度の生活レベルが可能か
日本人の平均年収(約400万~450万円台)をベトナムで活かすと、現地の平均所得からすると「高所得者層の生活」が実現可能です。2022年のベトナム全国平均年収は約7,920万ドン、月収換算で約660万ドン(約38,000円/月)と報告されています。主要都市であるホーチミン市の平均月収は約910万ドン(約51,000円)で、年収約61~62万円相当です。
つまり日本人の年収はベトナムの平均年収の約7~8倍にもなり、都市部平均と比べても数倍です。この収入格差から、例えば日本の会社員が現地駐在となれば、物価の安いベトナムで非常に豊かな生活感覚を持てるでしょう。前述の通り、東京とハノイで生活コストに大きな差がありますから、例えば日本で月30万円の手取りがある人がハノイで暮らせば、現地では月収5~6万円相当の支出で日本と同等の生活ができ、残りを貯蓄に回すことも可能です。
このように、日本人の収入はベトナムでは高い購買力を持つため、都会の利便性を享受しつつ金銭的な余裕を持てる可能性が高いのです。ただし、この「豊かさ」はあくまで為替レートやインフレ状況に依存するため、長期的にはレート変動や現地物価上昇の影響も考慮する必要があります。
移住後に考えるべき節税・生活費の配分
収入を最大限活かすためには、税金や費用面での最適化も重要です。まず、所得税や資産運用に関する税制が日本とベトナムで大きく異なります。
例えば、ベトナムでは株式譲渡益に対して0.1%、配当所得に5%の税率が課され、日本の約20%課税に比べて有利です。このため、金融資産運用を考える個人投資家にとってベトナム移住は節税メリットになる場合があります。ただし、日本を出国する際の「出国税」(例えば一定額以上の資産を持つ場合の出国時課税制度)や、非居住者となった後の日本国内資産の扱い(例えば不動産や年金など)にも注意しましょう。
また、相続税についてはベトナムには制度がなく、相続時には所得税10%が適用されるのみという情報もあります。税制は頻繁に変わるため、国際税務の専門家に相談し、合法的な範囲での節税策を検討することが大切です。
一方、生活費の配分としては、ベトナムでは家賃・食費・交通費が安い分、生活水準を上げすぎずに抑えれば相当額を貯蓄や投資に回せる利点があります。家計簿管理は先述のとおり必須ですが、例えば毎月の予算を「家賃○円、食費○円、娯楽○円、貯蓄○円」と決め、安価な分を無駄遣いではなく将来資金に回す意識が重要です。移住直後は物価の安さに油断して出費しすぎる例もありますから、安くても質の良いローカルサービスを選ぶ工夫(現地の市場で買い物、自炊を増やす等)も心掛けましょう。
節税策と倹約術を組み合わせて、日本人の平均年収を最大限に活かせば、ベトナムでの生活満足度はさらに高められるでしょう。
ベトナム特有のライフスタイル:住み心地と日本との違い
文化・慣習の違いがもたらすメリット・デメリット
ベトナムで生活するにあたり、日本との文化や慣習の違いは多々あります。それらはライフスタイル上の新鮮な体験になる一方、慣れないうちは戸惑うこともあるでしょう。
例えば食文化では、ベトナムは米粉麺(フォー)や生春巻き、ハーブを多用した料理が主流で、日本人にとってヘルシーでおいしい食事が安価に楽しめるメリットがあります。また、現地の人々は親日的でフレンドリーな性格と言われ、街中で困っていると声をかけて助けてくれるような温かいエピソードも多いです。
しかし、時間に対する感覚や仕事上の進め方などビジネス慣習では、日本のように厳密でない部分もあり、「約束の時間に平気で遅れてくる」「計画変更が直前に起きる」といったことも起こりえます。騒音や交通マナーの違いもデメリットと感じるでしょう。ベトナムの都市部はバイクの洪水と言えるほどバイク交通が活発で、クラクション音が日常茶飯事です。
また早朝から路上で大音量の音楽や放送が流れたり、店先での客引きが賑やかだったりと、日本より音にあふれた生活になります。これらは慣れるまでストレスになるかもしれませんが、「活気があって面白い」とポジティブに捉える移住者もいます。
さらに宗教・祝祭日の違いでは、ベトナムは仏教が主流で旧正月(テト)には長期休暇となり街全体が帰省モードに入ります。日本の正月やゴールデンウィークとは異なるイベントサイクルなので、現地の習慣を学び、積極的に参加することで楽しめる一方、知らずにいると「なぜ店が閉まっているのか?」と戸惑うことになります。
総じて、文化・慣習の違いは「異国で暮らす醍醐味」として楽しめる部分と、「慣れるまでの試練」が共存します。これらを理解し受け入れる姿勢が、ベトナムでの住み心地を良くするポイントです。
生活インフラやサービスの質はどうなのか
ベトナムの生活インフラは、都市部では飛躍的に改善されており、日常生活に大きな不便は少なくなっています。ただし日本水準と比べると、いくつか注意点があります。
まず電気・水道・通信インフラですが、電力供給は概ね安定している一方、乾季には計画停電が行われる地域もあるためUPS(無停電電源装置)の利用や懐中電灯常備など備えがあると安心です。水道水は飲用不可なので、飲み水はミネラルウォーターを購入するか、浄水器を使用する必要があります。
インターネットと携帯電話についてはむしろ日本より安価で、月2000円ほどで高速通信サービスが利用可能です。通信品質も主要都市では4G/5Gが広く普及し、リモートワークや動画視聴も問題なく行えます。
交通インフラ面では、鉄道や地下鉄は発展途上ですが、ホーチミンやハノイではメトロ建設が進行中で将来的な改善が期待できます。現状はタクシー・バイクタクシーアプリ(Grabなど)が安価かつ手軽な移動手段で、これらサービスの質も概ね高いです。治安面で触れたようにタクシーのぼったくりには注意が必要ですが、大手配車アプリを使えば料金は明示されるので安心です。
また、病院や医療サービスについても確認しておきましょう。都市部には国際病院があり、日本語対応可能なクリニックも増えています。ただし医療水準は日本に及ばない部分もあるため、持病がある人は渡航前に必要な薬を確保し、海外医療保険に加入することを強くおすすめします。
物流や買い物環境は、大型ショッピングモールやコンビニが進出しており、日本製品や食材も手に入りやすくなっています。
一方、行政サービスや手続きは書類主義で待たされることも多く、言語の壁もあるので、現地採用の通訳スタッフや代行サービスを活用するとスムーズです。
全体として、都市部なら生活インフラ・サービスの質は必要十分ですが、日本の便利さと全く同じとはいかないことを理解し、上手に適応することが求められます。
不動産市場と移住の関係:安定した住環境を手に入れるには?
物件選びの基本(賃貸・購入)と大まかな相場感
ベトナム移住に際し、住まい探しは最も重要な要素の一つです。まず賃貸の場合、ベトナムでは日本と違い敷金・礼金の慣習がほとんどなく、保証金1ヶ月分程度が一般的です。家賃相場は前述の通り地域とグレードで幅があります。ホーチミンやハノイ中心部の新築サービスアパート(家具・家電付き、ジム・プール完備)は月1,000~2,000ドル(約15万~30万円)が多く、外国人にも人気です。
一方、ローカル向けのコンドミニアム(分譲マンションの一室を賃貸)なら月500~700ドル台(7万~10万円)も探しやすいです。郊外や地方都市ではさらに安く、月数万円で戸建てや広いアパートも借りられます。
契約年数は1年契約が一般的で、長期契約の場合は年単位前払いで家賃交渉するケースもあります。注意点として、賃貸契約はベトナム語が正式になるため、英語併記の契約書で内容を確認し、不明点は専門家や信頼できる仲介業者に確認することが大切です。
次に不動産購入についてですが、ベトナムでは外国人の土地所有が禁止されているため、外国人はコンドミニアム(区分所有マンション)のみ購入可能という制限があります。2024年の改正住宅法により、外国人は各アパートプロジェクトのアパート数の最大30%、各居住区の住宅数の10%まで所有できるようになりました。
価格相場は上昇傾向で、ハノイ・ホーチミンの新築高級コンドミニアムは数千万円~1億円超の物件も出ています。一方、中級クラスなら日本の地方都市マンション程度の価格(1000万~3000万円台)で選択肢があります。
購入する場合は開発業者の信頼性や将来の転売制限なども考慮すべきです。投資と実需を兼ねて購入する人もいますが、不動産市場の法規制が変更される可能性や、そもそも長期ビザが無ければ将来住み続けられないリスクもあるため慎重に判断してください。
「現地で生活する」場合に知っておきたい契約上の注意点
賃貸でも購入でも、契約面で日本との違いを理解しておきましょう。まず賃貸契約では、毎年家賃が見直されることがあります。一般的に2年契約で賃料据え置き、その後更新時に約5~10%上がるという例も見られます。長期的に住むなら、契約期間と家賃の固定条件を事前に交渉し、可能なら複数年契約で値上げ凍結を約束してもらう方法もあります。
また、オーナーが個人の場合、外国人入居者を公安に届け出る義務があります。これは居住証明のための手続きで、入居後24時間以内に警察署へ申請しなければならないとされています。大家がこれに慣れていない場合もあるので、自分で確認し催促する必要があるでしょう。
電気・水道などの名義変更や支払い方法(多くは現金払いか銀行振込)も入居時に確認し、不明点は仲介業者にサポートしてもらいます。契約書はベトナム語と英語(または日本語併記)が多いですが、どちらが優先か(通常はベトナム語版)も明示されています。購入の場合、所有権証書(ピンクブック)の発行までに時間がかかることや、外国人所有枠の確認、税金(取得税や登記税、譲渡時の税)を確認する必要があります。
加えて、ベトナムは地震などの災害は少ないですが、洪水や浸水被害がエリアによってあります。低層階を借りる・買う場合は雨季の水害履歴を確認しましょう。
最後に、不動産契約全般で信頼できる不動産仲介会社を利用することが安全策です。日系の不動産会社や実績あるローカル仲介業者を使えば、契約トラブルのリスクを減らせます。不動産は生活基盤ですので、契約上の注意点を押さえて、安心して暮らせる住環境を整えることが、ベトナム移住成功の鍵と言えます。
2025年のベトナム不動産市場の見通しと投資機会
2025年のベトナム不動産市場は多くの好材料が揃い、新たな成長段階に入ると予測されています。ベトナム不動産仲介業者協会(VARS)によると、2025年には不動産供給が2024年比で約10%増加する見込みです。
地域別では、ハノイとその周辺で約37,000戸、ホーチミン市とその周辺では約18,000戸が供給され、市場の回復がより均等に進むと見られています。
特に注目すべきエリアとしては、ホーチミン市東部の周辺省であるビンズオン、ドンナイ、ロンアンが2025年の不動産ホットスポットになると専門家は指摘しています。これらの地域は交通インフラと都市計画の急速な発展により注目を集めており、ビンズオンは工業の中心地として多くの労働者と専門家を引き付けています。
ドンナイはロンタン空港やビエンホア-ブンタウ高速道路などの主要インフラから恩恵を受け、ロンアンはホーチミン市とメコンデルタ地域を結ぶゲートウェイとしての発展可能性が高いとされています。
大型インフラプロジェクトも不動産価値に好影響を与えています。2026年に完了予定のロンタン国際空港第1フェーズは、ホーチミン市東部を国際貿易の中心地にする見込みです。また、2026年6月に開通予定の環状道路3号線は、ホーチミン市中心部までの接続時間を20分以上短縮するとされています。
この市場拡大に伴い、投資活動も活発化しています。不動産分野のM&A(合併・買収)市場も活況を呈しており、ベトナムは東南アジアでインドネシアに次ぐM&A成長率を記録しています。外国資本の流入も顕著で、2023年の不動産分野への登録FDI投資額は63億米ドルに達し、前年比35%以上の伸びを示しています。
小売不動産も成長が見込まれており、2025年にはハノイやフンイエンなどの市場で、新規の小売不動産供給が大幅に増加する予測です。これらは都市部開発の進展と中間層の拡大を背景としています。
外国人投資家にとって特に朗報なのは、2024年に施行された改正住宅法により、外国人が各アパートプロジェクトの最大30%、各居住区の住宅数の10%まで所有できるようになったことです。日本人投資家にとっても、これまでより柔軟な不動産投資が可能になりました。
このように、2025年のベトナム不動産市場は着実な成長と外国人投資家への門戸拡大が進み、移住者にとっても投資家にとっても魅力的な機会を提供しています。物件購入を検討する場合は、これらの成長エリアと法制度の変化を十分理解した上で、信頼できる専門家のアドバイスを受けることをお勧めします。
予想外の出費やトラブルを回避するためのポイント
海外移住では予定外の出来事がつきものですが、事前に対策を講じておくことでリスクを軽減できます。まず医療保険です。
ベトナムの医療費は日本に比べれば安いものの、外国人が国民健康保険に相当する仕組みには入れないため、民間の海外旅行保険や駐在員保険への加入が必須です。特に、緊急医療搬送や日本への緊急帰国費用がカバーされたプランが安心でしょう。
また予防接種も要確認です。日本では馴染みがなくても、ベトナムではA型肝炎、狂犬病、デング熱等のリスクがあります。赴任前に医師と相談して必要なワクチンを接種しておくと良いです。
金銭面では、現地通貨ドンの為替レートや送金手数料にも注意しましょう。日本から定期的に生活費を送る場合、海外送金費用や為替手数料がかさむことがあります。最近はTransferWise(現Wise)などのオンライン送金サービスで低コストに送金できますが、口座開設やマイナンバー関連の出国手続き(海外転出届を出すか否かなど)も検討しておきます。
トラブル回避という観点では、語学の壁による誤解や詐欺にも気を付けましょう。ベトナム語ができなくても英語である程度通じる場面は増えていますが、公式手続きや一部ローカルサービスではベトナム語のみの場合も。信頼できる通訳スタッフやベトナム人の友人を作り、困ったときに助けてもらえるようにすると安心です。
最後に詐欺やトラブル。残念ながら、外国人を狙った不動産詐欺や、偽ブランド品の押し売り、交通事故時の示談交渉など、日本では遭わないトラブルも潜んでいます。在住者コミュニティやSNSで過去の事例を学び、「おかしいな」と思ったら深入りしない勇気が必要です。こうしたポイントに気を配り、準備万全で移住に臨めば、予想外の出費やトラブルをかなりの確率で防止できるでしょう。
結論:ベトナム移住は本当にお得?平均年収・物価・治安から見る最終判断
移住後の生活満足度と費用対効果
以上の視点から総合的に判断すると、ベトナム移住は「お得」である側面が大いにあると言えます。日本人の平均年収を持ってすれば、ベトナムでは生活費を抑えつつも質の高い暮らしが可能であり、金銭的な余裕を実感できるでしょう。
実際、ベトナムでは日本の半分以下の生活費で暮らせるため、工夫次第で月5万~10万円の貯蓄も十分実現可能とのデータもあります。費用対効果の面でも、日本で蓄えづらかった資金を貯めるチャンスが広がります。
さらに、気候が温暖で冬でも過ごしやすく、物価が安い上に美味しい食事が楽しめること、親日の人々に囲まれる居心地の良さなど、お金では買えない満足感も得られるでしょう。ワークライフバランスや生活の冒険という観点でも、日本の閉塞感を打破し自己成長できたという移住者の声もあります。
一方で、すべての人にとって「お得」かは状況によります。教育水準や高度医療の必要性がある人(お子さんの教育、介護が必要な家族など)にとっては、ベトナムでは整わない部分もあり、それを日本より低コストで補えるか検討が必要です。
また、治安は概ね良好と言えど日本より気を遣う場面があること、言葉や文化の違いによるストレスは避けられないことも事実です。それでも総じて、経済的メリットと新たな生活体験による満足度を天秤にかければ、ベトナム移住には十分な魅力とメリットがあると言えます。
これから移住を考える人へのアドバイス
ベトナム移住に興味を持ったあなたへ、最後にいくつかアドバイスをお届けします。
まず、小さく試すことから始めましょう。いきなり全財産を持って引っ越すのではなく、数週間から数ヶ月の下見滞在をして、自分に合うか肌で感じることをおすすめします。その際、ホーチミンとハノイなど複数都市を訪れ、自分の生活スタイルに合う街を選ぶと良いでしょう。
次に、情報収集とネットワーク作りです。今回の記事のように、平均年収や物価、治安情報を集めるのはもちろん、実際に移住した人のブログやYouTube、SNSで生の声を聞いてみてください。日本人コミュニティのイベントや、現地の不動産内覧ツアー、セミナーに参加するのも有益です。
語学勉強も今からスタートすると吉です。ベトナム語は発音が難しいですが、簡単な挨拶や数字くらいは覚えていくと現地での溶け込みが早くなります。英語が通じる範囲も広がっていますが、「ありがとう(カムオン)」など現地語で言うだけで距離が縮まります。
それから、計画と手続きは慎重に行ってください。ビザ、保険、住まい、仕事など、必要事項の準備はリストアップして抜け漏れなく。特にお金に関わること(国際送金、銀行口座、税金)と健康に関わること(予防接種、医療保険)は念入りにチェックです。
最後に心構えですが、「予想外を楽しむ余裕」を持ってください。海外移住では何が起こるか全ては読めません。トラブルに遭遇しても「これも経験」と前向きに対処すれば、あとで振り返ったとき貴重な思い出になります。
ベトナム移住は、経済的なメリット以上にあなたの人生に新たな発見と充実感をもたらしてくれるでしょう。準備を万全にしつつ、ぜひチャレンジしてみてください。