ベトナム不動産投資は安全?詐欺リスク・外国人規制・失敗事例から学ぶ注意点

目次

ベトナム不動産投資は安全?リスクと詐欺の実態【図解あり】

ベトナム不動産投資の結論:安全性評価とリスク4分類

ベトナムの不動産投資は高い経済成長と価格上昇が魅力的な一方で、詐欺被害リスクが極めて高い市場です。外国人は土地所有権を持てず、最長50年の使用権のみ取得可能です(*1)。コンドミニアムには1棟あたり30%の外国人枠制限があります。

ベトナム不動産投資のリスクは4つに分類されます。

まず制度的リスクとして50年使用権制限と外国人枠制限があります。次に市場リスクとして、2023年には不動産開発業者の破綻が前年比38.7%増加しました(*2)。

3つ目に詐欺リスクとして架空物件販売や高利回り保証詐欺が横行しています。4つ目に流動性リスクとして、外国人枠の制限により売却が困難になる可能性があります。

ベトナム不動産投資における4つのリスク分類と具体的な内容は以下の通りです。

ベトナム不動産投資の4大リスク分類表
リスク分類 具体的内容 危険度
制度的リスク 最長50年使用権制限(延長1回のみ可)
コンドミニアム1棟あたり30%外国人枠制限
土地所有権取得不可(使用権のみ)
★★★☆☆
市場リスク 2023年開発業者破綻率38.7%増
2023-2024年満期不動産債券60億ドル(約9,000億円)
主要開発業者の株価80%下落(ノヴァランド社)
★★★★☆
詐欺リスク 架空物件販売(ニャット・ナム社315億円詐取)
4,000名超被害のアリババ社事件
年10-15%高利回り保証詐欺(コンドテル市場)
二重価格契約による不当請求
★★★★★
流動性リスク 外国人枠満杯物件の売却困難
残存使用権期間短縮による資産価値低下
市場信用収縮による買い手不足
★★★★☆

出典:Vietnam Briefing (Housing Law 2023), VnExpress International (2023年破綻率データ), Reuters (債券満期データ), 各種報道資料を基に作成

最も危険度が高いのは詐欺リスク(★★★★★)で、架空物件販売315億円や4,000名超被害の事件が頻発しており、市場リスク・流動性リスク(★★★★☆)と比較しても外国人投資家は詐欺対策を最優先で講じる必要があります。

外国人投資家を狙った詐欺が多発している背景

外国人投資家が詐欺のターゲットになりやすい背景には、ベトナム特有の不動産取引慣行があります。

不動産取引の20〜30%で二重価格契約が行われており、公式登録用の低価格契約と実際の取引価格を記載した手書き契約を併用します(*3)。申告価格が実際の取引価格の10分の1から20分の1に抑えられるケースもあり、外国人はこの慣行を悪用されて不当に高額な価格を請求されるリスクがあります。

2024〜2025年にかけて Housing Law 2023 や Decree 95/2024/ND-CP など複数の法改正が施行されました(*1)。頻繁な法改正により業者でさえ最新規制を把握していないケースがあり、契約後に外国人枠超過が判明する事例が報告されています。さらに詐欺被害者の多くが当局に被害を報告せず、資金を全額回収できたケースは極めて少ないという状況が、詐欺を助長しています。

ベトナム特有の二重価格契約の仕組みと外国人投資家への影響は以下の通りです。

ベトナム二重価格契約の実態と外国人への影響
項目 内容 影響度
二重価格契約の発生率 不動産取引の20~30% 5件に1~2件が該当
公式契約の申告価格 実際の取引価格の1/10~1/20 譲渡税の大幅圧縮が目的
手書き契約(実際価格) 当事者間のみで保管される非公式契約 法的紛争時に証拠力が弱い
不動産セクターの経済規模 2020年:総経済資産の20.8%
2025年予測:21.2%
2030年予測:22.0%
巨大市場ゆえに詐欺機会が多い
外国人への不当請求リスク 市場相場を大きく上回る価格設定
オンライン掲載価格と実際価格の乖離
相場不明の外国人が主標的
対策 複数業者への相見積もり必須
ライセンス保有鑑定士への依頼
現地相場の事前調査
適正価格判断には専門家必須

出典:ASL Gate: “Issues with Real Estate Transactions in Vietnam Involving Two Different Prices on Two Contracts”(2024年データ)

二重価格契約の発生率20-30%は5件に1-2件が該当する高頻度であり、申告価格の圧縮率1/10~1/20という極端な乖離が外国人への不当請求を助長する構造となっています。

ベトナムで起きた史上最大1.9兆円不動産詐欺事件の全貌

2024年に発覚したチュオン・ミー・ラン事件は、ベトナム史上最大規模の不動産詐欺として世界中に衝撃を与えました。その被害規模は国家経済を揺るがすレベルです。

チュオン・ミー・ラン事件の概要と被害規模

2024年4月、ベトナムの不動産大手ヴァン・ティン・ファット・グループの会長チュオン・ミー・ラン被告に史上最大規模の不動産金融詐欺事件で死刑判決が下されました(*4)。

この事件の詐欺総額は440億ドル(約6兆6,000億円)に達しました(*5)。横領罪として認定された額は125億ドル(約1兆8,750億円)に及び、この規模はベトナムの2022年GDPの約3%に相当します。事件の被告は86名に及び、サイゴン商業銀行(SCB)の経営陣やベトナム国家銀行の職員が含まれます。

2012年から2022年の10年間にわたり、ラン被告が支配する1,000社以上のペーパーカンパニーがSCBから融資を受け続けました。この期間のSCB融資総額の93%をラン被告関連企業が占めていました。ベトナム国家銀行はSCBに対し260億ドル(約3兆9,000億円)の公的資金を投入しましたが、これは2024年GDPの5%に相当する規模です(*6)。

チュオン・ミー・ラン事件の詐欺規模とベトナム経済への影響を数値で示します。

チュオン・ミー・ラン事件 詐欺規模とベトナムGDP比較

出典:BBC News, VnExpress International, Reuters(2024年報道データ)
注:詐欺総額440億ドル(約6.6兆円)はGDPの約11%、横領認定額125億ドル(約1.9兆円)はGDPの約3%に相当

詐欺総額440億ドルはベトナムGDP(4,000億ドル)の約11%に相当し、一個人による詐欺が国家経済の1割以上に達するという前例のない規模であることが分かります。

サイゴン商業銀行を利用した詐欺スキームの手口

ラン被告の詐欺スキームは銀行支配と法規制回避を巧妙に組み合わせた構造でした。

ベトナム法では銀行株式の個人保有上限を5%と定めていますが、ラン被告は代理人を通じてSCB株式の90%以上を実質的に支配していました(*5)。信頼できる経営者を月給20万〜50万ドン(約1,260〜3,150円)で雇用し、彼らがラン被告の要求に応じて融資を承認する体制を構築しました。

最も特徴的な手口は108兆ベトナムドン(約6,800億円)を現金で引き出し自宅地下に保管していた点です。この現金は2019年2月から2022年9月の間に引き出されました。ラン被告はベトナム中央銀行職員に賄賂を渡し、2017年以降SCBの財務状況が「極めて悪い」状態であったにもかかわらず監督を回避していました。

外国人株主の中には名前だけで国籍不明の人物が含まれており、国際的な資金洗浄ネットワークの存在が示唆されています。

ラン被告が構築したサイゴン商業銀行を利用した詐欺スキームの全体像は以下の通りです。

SCB詐欺スキームの構造と手口
スキーム要素 具体的手口 規模・期間
銀行支配 代理人を通じてSCB株式90%以上を実質支配
(法定上限は5%)
2012-2022年
10年間継続
ペーパーカンパニー 1,000社以上のペーパーカンパニーを設立
名目上の経営者を月給1,260~3,150円で雇用
融資総額の
93%を占有
現金引き出し 108兆ベトナムドン(約6,800億円)を現金で引き出し
自宅地下に保管
2019年2月~
2022年9月
監督回避 ベトナム中央銀行職員に賄賂
財務状況「極めて悪い」を隠蔽
2017年以降
継続的に実施
共犯者 SCB経営陣、ベトナム国家銀行職員
国籍不明の外国人株主を含む
被告総数
86名
公的資金投入 ベトナム国家銀行がSCB救済に投入 260億ドル
(GDP5%相当)

出典:VnExpress International “Van Thinh Phat chairwoman manipulates lender SCB in $44b scam”, BBC News, Reuters(2024年)

最も特徴的なのは「法定上限5%に対し実質支配90%超」という18倍の規制逸脱と、名目経営者の月給が1,260~3,150円という異常な低さで、巧妙な銀行乗っ取りスキームが明らかになっています。

事件が不動産市場と外国人投資家に与えた影響

チュオン・ミー・ラン事件はベトナム不動産市場全体に深刻な信用収縮をもたらしました。

2022年10月のラン被告逮捕が市場の転換点となり、投資家の信頼が急激に低下しました(*7)。2023年には不動産開発業者の破綻が前年比38.7%増加し、原因として資金繰り悪化、原材料費高騰、信用収縮が挙げられています(*2)。

主要開発業者にも影響が波及しました。ノヴァランド社は株価が1年間で80%下落し、フン・ティン・コープ社やヴァン・ティン・ファット社などが債務不履行に陥りました。2023〜2024年に満期を迎える不動産債券は総額60億ドル(約9,000億円)に達しました。

ベトナム政府は2022年9月に採用した透明性強化と社債発行規制を市場凍結により一時停止せざるを得ない状況に追い込まれました。この事件により外国人投資家のベトナム不動産に対する警戒感が大幅に高まりました。

チュオン・ミー・ラン事件が引き金となった2023年ベトナム不動産市場の崩壊状況を示します。

2023年ベトナム不動産市場クラッシュの実態
影響項目 2023年実績 備考
転換点 2022年10月
ラン被告逮捕
投資家信頼が急激に低下
開発業者破綻率 前年比+38.7%増加 資金繰り悪化・原材料費高騰・信用収縮
ノヴァランド社 株価80%下落 2025年10月警察捜査要請
転換社債利息502億円超未払い
債務不履行企業 フン・ティン・コープ社
ヴァン・ティン・ファット社
大手開発業者が連鎖的に破綻
満期不動産債券 60億ドル
(約9,000億円)
2023-2024年満期分
返済不能リスク拡大
政府規制 透明性強化・社債発行規制を一時停止 2022年9月採用の規制を
市場凍結により撤回

出典:VnExpress International (破綻率データ), Reuters (不動産市場分析), Bloomberg (ノヴァランド社データ), 2023-2024年報道

ラン被告逮捕から約1年で市場全体が連鎖崩壊し、特にノヴァランド社の株価80%下落と満期債券9,000億円という数値が、一つの詐欺事件が市場全体に与えた波及効果の大きさを示しています。

「ベトナム不動産投資の具体的な失敗事例とリスク対策」については、こちらで詳しく書いています↓

外国人投資家が陥りやすいベトナム不動産詐欺の手口5選

 外国人投資家を狙った詐欺は、主に5つのパターンに分類されます。それぞれの手口の特徴を理解し、契約前に必ず確認しましょう。

外国人向け二重価格による不当な高額請求

ベトナムでは多くの地域で不動産取引の20〜30%が二重価格契約で行われており、外国人投資家が最も頻繁に遭遇する詐欺手法です。

この仕組みでは公式に登記する低価格の公証契約と、当事者間で手書きされた実際の取引価格の契約が併存します(*3)。申告価格は実際の取引価格の10分の1から20分の1に抑えられるケースもあり、売主は譲渡税を大幅に圧縮できます。

外国人投資家はこの慣行を悪用され、市場相場を大きく上回る価格を請求されるリスクがあります。ベトナムの不動産セクターは2020年時点で総経済資産の20.8%を占め、2025年には21.2%、2030年には22%に達すると予測されています。

この巨大市場において現地の価格相場を把握していない外国人は格好のターゲットとなります。オンライン掲載価格と実際の取引価格が大きく乖離しているケースも多く、複数の業者に相見積もりを取らなければ適正価格の判断が困難です。

架空物件・未完成物件の販売と前金持ち逃げ

架空物件や紙上にしか存在しない開発計画を販売する詐欺が多発しています。

2024年に摘発されたニャット・ナム社の事件では、存在しない住宅プロジェクトを販売し5兆ベトナムドン(約315億円)を詐取しました(*8)。同社のヴー・ティ・トゥイ代表は投資家から前金を集めながら、実際には開発許可も土地使用権も取得していない物件を販売していました。

2022年に逮捕されたアリババ社の事件では4,000名以上の被害者が紙上にしか存在しないプロジェクトに投資しました(*9)。同社会長グエン・タイ・ルエンは実際には開発が行われない土地を分譲住宅として販売し続けました。

オンライン不動産ポータルの検証実験では、掲載物件に連絡した100%のケースで実際には存在しない物件や遠隔地の物件に誘導されるおとり広告であることが判明しています。業者は競合に顧客を奪われないよう意図的に所在地を偽って掲載する慣行があり、外国人投資家が物件の実在性を確認することが極めて困難です。

ベトナムで2020年以降に摘発された主要不動産詐欺事件と被害規模は以下の通りです。

ベトナム主要不動産詐欺事件一覧(2020-2024年)
発覚時期 事件名・企業 詐欺手口 被害規模
2022年逮捕 アリババ社
(グエン・タイ・ルエン会長)
紙上にしか存在しないプロジェクトを分譲住宅として販売
開発許可・土地使用権未取得
被害者
4,000名超
2024年摘発 ニャット・ナム社
(ヴー・ティ・トゥイ代表)
存在しない住宅プロジェクトを販売
ポンジスキームで資金調達
5兆VND
(約315億円)
2022年逮捕
2024年判決
ヴァン・ティン・ファット社
(チュオン・ミー・ラン会長)
サイゴン商業銀行を支配
1,000社超のペーパーカンパニー
融資総額の93%不正引き出し
440億ドル
(約6.6兆円)
史上最大規模
2020年表面化 コココベイ・ダナン
(エンパイアグループ)
コンドテルで年12%保証利回りを約束
営業損失で支払い停止
被害者多数
(具体数不明)
2020年表面化 ニャチャン
(バビコ社)
コンドテルで年15%保証利回りを約束
8%に引き下げ後も支払い崩壊
被害者多数
(具体数不明)

出典:VnExpress International (各事件報道), BBC News (ラン事件), 2020-2024年報道資料を基に作成

わずか5年間で被害額が315億円から6.6兆円まで約210倍に拡大しており、詐欺の規模と巧妙さが年々エスカレートしている傾向が明確に読み取れます。

デベロッパー破綻リスクを隠した新築物件販売

開発業者の財務状況が悪化しているにもかかわらず、そのリスクを開示せずに新築物件を販売する手口が増加しています。

2023年には不動産開発業者の破綻が前年比38.7%増加し、主な原因として資金繰り不足、原材料費高騰、信用収縮が挙げられています(*2)。破綻した主要開発業者には株価が1年で80%下落したノヴァランド社、フン・ティン・コープ社、ヴァン・ティン・ファット社などが含まれます(*7)。

2025年10月にはノヴァランド社に対し、ベトナム政府監察院が社債資金の不正使用疑惑で警察による捜査を要請しました(*10)。同社は2015年から2023年にかけて発行した転換社債の利息3億3,500万ドル(約502億円)以上の支払いに失敗しています。

開発業者が破綻した場合、建設途中で工事が中断され、購入者は前金を失うだけでなく完成した物件を取得できないリスクに直面します。ベトナムでは購入者保護制度が十分に整備されておらず、開発業者の財務健全性を事前に確認することが不可欠です。

年10%超の高利回り保証を謳う賃貸保証詐欺

ホテル併設型コンドミニアム(コンドテル)を中心に、実現不可能な高利回り保証を謳って販売する詐欺が横行しています。

2020年に問題が表面化したコココベイ・ダナンの事件では、開発業者エンパイアグループが2026年まで年12%の保証利回りを約束していましたが、最初の2年間は営業損失を計上し、その後も5〜6%の利益しか達成できませんでした(*11)。2020年1月には財務困難を理由に保証利回りの支払いを停止すると発表しました。

ニャチャンのバビコ社の事件では当初年15%の保証利回りを約束していましたが、その後8%に引き下げられ、最終的にはその8%すら支払えず支払いが崩壊しました。

市場全体では2018年末までに3万戸のコンドテルが供給され、大手開発業者は5〜10年間で年5〜10%、新規開発業者は5〜15年間で最大15%の保証を提示していました。しかし不動産コンサルタント大手サヴィルズは10%超の利回りは「極めて高く達成困難」と警告しており、タイやインドネシアのコンドテルでは5%が良好とされています。

無資格・無免許業者による仲介手数料詐欺

ベトナムでは不動産仲介業者に対するライセンス制度が存在しますが、無資格業者による詐欺が後を絶ちません。

ベトナム不動産取引法2014年第68条により、仲介業者は完全な民事行為能力、高等学校卒業以上の学歴、不動産仲介知識試験の合格が必要で、ライセンスの有効期限は5年間です(*12)。また第62条では2024年8月1日から個人での独立開業が廃止され、企業設立が義務付けられました(*13)。

企業には最低2名(2025年からは1名に緩和)のライセンス保有者の雇用が必要です。しかし実態としてライセンスを持たない個人や企業が仲介業務を行い、手数料を受け取った後に連絡が取れなくなる事例が報告されています。

ライセンスは各省の建設局が発行し、2024年以降は試験管理が省人民委員会に移管されました。第12条循環通達07/2015/TT-BXDでは民事行為能力の喪失、申請時の虚偽情報、ライセンスの改ざん・消去、他人への貸与、業務倫理違反などが取消事由とされ、取消後5年間は再申請できません。

外国人が知るべきベトナム不動産規制6つのポイント

ベトナムでは外国人の不動産所有に厳格な制限があります。以下の6つのポイントを必ず理解してから物件選定を始めましょう。

外国人の所有権は最長50年の使用権(土地所有は不可)

ベトナムでは土地は「人民」に属し国家が管理するため、外国人は土地の所有権を取得できず土地使用権(LUR)のみを取得します(*14)。住宅法2023年第20条により、外国人個人が不動産を購入した場合の所有期間は証明書発行日から最長50年間であり、1回に限り50年間の延長が可能です(*1)。外国法人の場合は投資登録証明書の有効期限(延長期間を含む)が所有期間となります。

延長手続きは期限満了の3ヶ月前までに申請が必要で、省人民委員会が30日以内に承認または却下を決定します。2024年8月に施行されたデクリー95/2024/ND-CPにより、この手続きが明確化されました。

ベトナム建設省は今後400万人の外国人および海外ベトナム人に住宅需要が生じると推計しています。外国人投資家は購入時点で残存期間を確認し、期限が近い物件は資産価値が低下するリスクを理解する必要があります。永久所有権と誤解して購入すると売却時や相続時に重大な問題が発生します。

コンドミニアム購入は可能だが1棟30%の外国人枠制限あり

外国人および外国法人は商業住宅開発プロジェクト内の居住用アパートメント(コンドミニアム)を購入できますが、1棟あたり30%の外国人所有枠制限があります(*15)。2024年8月1日に施行されたデクリー95/2024/ND-CPにより、複数棟が共通の基礎を共有する複合施設の場合、30%の上限は各棟ごとに個別に適用されることが明確化されました(*1)。

外国人枠を超えて相続や贈与により不動産を取得した場合、不動産そのものではなく金銭的価値のみを受け取る権利が与えられます(*16)。この制限により人気エリアでは外国人枠がすでに埋まっている物件も多く、契約前に枠の空き状況を確認することが不可欠です。

ホーチミン市の人気エリアでは多くの物件で外国人枠がすでに満杯となっており、契約後に枠超過が判明して購入を断念せざるを得ないケースが報告されています。

戸建て・ヴィラ・土地付き住宅は原則購入不可

外国人が購入できる個別住宅(戸建て・ヴィラ・タウンハウス)は、登録された商業または観光開発プロジェクト内の物件に限定されます(*17)。独立した民家や農村部の住宅は購入できません。プロジェクト内であっても外国人所有枠は1プロジェクトあたり最大10%、行政区画内で合計250戸までという制限があります(*15)。

外国人は土地に付属する建物の所有権のみを取得できますが、土地使用者としての法的地位は持ちません。さらに国境地域の集落、島嶼地域、軍事基地、省レベル以上の政府機関周辺、国防省または公安省が指定する地域では購入が禁止されています(*1)。

この規制により多くの外国人投資家が希望するヴィラや土地付き住宅への投資は極めて限定的です。

ビザ・滞在資格による購入資格の制限内容

ベトナムで不動産を購入するために、外国人は有効なパスポートを保有し、ベトナム入国印またはそれに相当する法的書類を契約締結時に提示する必要があります(*18)。観光ビザ、就労ビザ、レジデンスカードなど、ビザの種類は問われません

ベトナムに居住していることは購入の前提条件ではなく、特定の最低ビザ期間も要求されていません。ただし外交特権または領事特権を有する外国人は不動産購入ができません(*19)。

婚姻証明書(既婚の場合)と配偶者による私有財産申告書の提出が公証時に必要であり、外国で取得した婚姻証明書はベトナム大使館で公証・認証を受ける必要があります。なお不動産所有のみではベトナムの投資ビザ(DTビザ)取得資格とはなりません。

売却時の外貨送金規制と税務申告義務

外国人が不動産を売却する際、個人の場合は譲渡価格総額の2%の均一税率で個人所得税が課されます(*20)。

法人売主の場合は純利益に対して20%の法人税が適用されます(*1)。2025年12月15日に施行されたデクリー320/2025/ND-CPにより、有限責任会社または非公開株式会社の資本譲渡に対しても総収入の2%のみなし課税が適用されることになりました(*21)。

直系親族間の譲渡は個人所得税が免除されます。不動産登録手数料として不動産価値の0.5%、付加価値税10%、アパートメントの場合は維持費2%が別途必要です。

外国人投資家が売却代金を本国に送金する際は税務申告義務を適切に履行し、税金納付証明書を取得することが送金手続きの前提条件となります。具体的な外貨規制については明確な公式情報が限定的なため、信頼できる会計士や弁護士に相談することが不可欠です。

実際の失敗事例から学ぶベトナム投資の危険パターン

過去に実際に発生した失敗パターンから学ぶことで、同じ過ちを避けることができます。以下は具体的な年次・場所・損失内容が判明している3つの危険事例です。

規制を知らずヴィラ購入を試み頭金を失った投資家事例

2022年にホーチミン市で発生した事例では、外国人投資家が新築コンドミニアムの購入契約を締結した後、外国人所有枠がすでに満杯であったことが判明しました。この投資家は長期間決済ができず、最終的に物件購入を断念せざるを得なくなり預託金を失いました。

ベトナムでは過去に外国人所有率の上限を超えたプロジェクトに対し地方政府が追加販売を禁止し、売主に対して罰金を科した事例があります。ホーチミン市の人気エリアでは多くの物件で外国人枠がすでに埋まっており、契約締結前に枠の空き状況を確認しなかったことが失敗の原因でした。

外国人投資家は物件が登録された商業開発プロジェクト内にあるか、外国人所有枠に空きがあるか、購入資格要件を満たしているかを、契約締結前に書面で確認する必要があります。

業者の「大丈夫」を信じて契約後に外国人枠超過が判明

前述の2022年ホーチミン市の事例は、不動産業者の口頭保証を信じて契約を進めた結果、外国人枠超過が契約後に判明した典型例です。

業者は「購入可能」と説明していましたが、実際には1棟30%の外国人所有枠制限がすでに埋まっていました(*15)。2024年8月施行のデクリー95/2024/ND-CPにより外国人所有枠の計算方法が明確化されましたが、それ以前は解釈が曖昧で業者自身も正確な状況を把握していないケースがありました。

この事例では投資家は長期間決済ができず、最終的に物件を断念し預託金を失いました。外国人枠を超えて不動産を取得した場合、不動産そのものではなく金銭的価値のみを受け取る権利しか認められません(*16)。契約前に開発業者または省建設局に外国人所有枠の空き状況を文書で確認し、口頭の「大丈夫」という保証だけで進めないことが重要です。

使用権50年を理解せず永久所有と勘違いし資産価値を損失

ベトナムでは外国人の不動産所有期間が証明書発行日から最長50年間(1回のみ50年延長可能)と定められていますが(*1)、この制限を理解せずに永久所有権と誤解して購入するケースがあります。住宅法2023年第20条により外国人個人は50年の所有権を取得し、期限満了の3ヶ月前までに延長申請を行う必要があります。

所有期間の残存年数が少ない物件は購入希望者が限定されるため資産価値が低下します。例えば証明書発行から30年経過した物件を購入した場合、残存期間は20年となり、売却時には「残り20年の使用権」しか提供できません。購入希望者の多くは50年に近い期間を望むため、残存期間が短い物件は大幅な値引きが必要となります。

ピンクブック(不動産権利証明書)には所有期間が明記されているため、購入時に必ず確認し、残存期間を考慮した投資計画を立てることが不可欠です。

ベトナム不動産の安全性を見極めるチェックリスト

信頼できる業者・物件かを判断する5つの確認項目

ベトナムで安全な不動産取引を行うための最初の確認項目は、不動産仲介業者のライセンス保有状況です(*22)。ベトナム不動産取引法2014年第68条により仲介業者は省建設局が発行する5年間有効のライセンスが必要で、2024年8月以降は企業設立が義務付けられています。ライセンスは発行当局に直接確認することが可能です。

2つ目の確認項目は開発業者の評判と信頼性です。3つ目は権利関係の調査で土地使用権証明書(LURC)またはピンクブックの真正性を確認し、抵当権や法的紛争の有無を調査します(*23)。

4つ目はプロジェクトの法的適合性で、ゾーニング規制への適合、建築許可および建設承認、投資登録証明書の有効性を検証します。5つ目は財務デューデリジェンスで、物件に設定された抵当権や先取特権、未払い債務を確認します。

信頼できる業者・物件かを判断する5つの確認項目を優先度順に整理します。

ベトナム不動産安全性チェックリスト(優先度順)
優先度 確認項目 具体的確認内容 確認方法
最優先 ①仲介業者の
ライセンス保有状況
省建設局発行の5年有効ライセンス
2024年8月以降は企業設立が必須
ライセンス番号と有効期限
発行当局(省建設局)に
直接確認可能
ライセンス番号で照会
②開発業者の
評判と信頼性
財務健全性
過去のプロジェクト実績
債務不履行の有無
株価推移(上場企業の場合)
ベトナムレポート評判ランキング
CBRE/JLL市場レポート
日本商工会議所への照会
③権利関係の調査 土地使用権証明書(LURC)の真正性
抵当権・先取特権の有無
法的紛争の有無
所有期間の残存年数
現地法律事務所による
デューデリジェンス
天然資源環境局(DONRE)への照会
④プロジェクトの
法的適合性
ゾーニング規制への適合
建築許可・建設承認の妥当性
投資登録証明書の有効性
外国人所有枠の空き状況
省建設局への書面確認
開発業者からの証明書取得
法律事務所による検証
⑤財務
デューデリジェンス
物件の抵当権・先取特権
未払い債務(税金・光熱費・請負業者)
開発業者の債券発行状況
プロジェクト資金調達構造
公認会計士による財務調査
法律事務所による
債務・債権関係の調査

出典:AN Law Vietnam, LTS Law Firm “Legal Due Diligence in Vietnam”, Vietnam Law Net(2023-2024年データ)

最優先は「ライセンス保有状況の確認」(発行当局に直接確認可能)で、次いで「権利関係の調査」と「法的適合性の検証」が重要であり、この3項目を省略すると詐欺被害率が飛躍的に高まります。

「ベトナム不動産投資のメリット・デメリット(法整備・経済成長・リスク総合評価)」については、こちらで詳しく書いています↓

契約前に必ずチェックすべき権利関係と書類

ベトナムで不動産を購入する際、最も重要な書類は土地使用権証明書(レッドブックまたはピンクブック)です(*24)。

この証明書は法的所有権または土地使用権を確認する最も重要な書類であり、原本の真正性を確認する必要があります(*25)。次に売買契約書は公証役場で公証を受ける必要があり、売主と買主が身分証明書と原本の所有権証明書を持参して両者が出席しなければなりません。

外国人購入者が準備すべき書類として、ベトナム入国印が押された有効なパスポート、婚姻状況証明書、婚姻証明書(該当する場合、自国で取得した場合はベトナム大使館で公証・認証が必要)、配偶者による私有財産申告書(既婚の場合)が挙げられます。税務書類として譲渡税納付領収書(個人所得税2%または法人税20%)、登録手数料納付領収書0.5%(*25)が必要です。

最終段階では公証済み契約書、税務領収書、原本のレッドブック/ピンクブックを天然資源環境局(DONRE)に提出し、買主名義の新しいレッドブック/ピンクブックを受け取ります。

外国人がベトナムで不動産を購入する際に必要な書類を購入フェーズごとに整理します。

ベトナム不動産購入時の必須書類チェックリスト
フェーズ 必要書類 注意点
①デューデリジェンス段階 土地使用権証明書
(レッドブック/ピンクブック)
必ず原本の真正性を確認
抵当権・法的紛争の有無を調査
所有期間の残存年数を確認
プロジェクト関連書類 建築許可・建設承認
投資登録証明書
外国人所有枠の空き状況確認書
②契約締結段階
(公証時)
有効なパスポート ベトナム入国印が必要
ビザの種類は不問
婚姻証明書
(既婚の場合)
自国で取得した場合は
ベトナム大使館で公証・認証が必須
配偶者による
私有財産申告書
既婚者の場合必須
配偶者の同意が必要
売買契約書 公証役場で公証を受ける
売主・買主両者の出席が必須
③税務申告段階 譲渡税納付領収書 個人所得税2%または法人税20%
売主が納税
登録手数料納付領収書 不動産価値の0.5%
買主が納税
付加価値税納付書 10%(該当する場合)
④所有権登記段階 天然資源環境局(DONRE)
への提出書類
公証済み契約書
税務領収書
原本のレッドブック/ピンクブック
受領書類 買主名義の新しいレッドブック/ピンクブック
所有期間50年が明記される

出典:Savills Industrial Vietnam “7 Step to Buying Properties in Vietnam”, AZV Law, Russin & Vecchi Law Firm(2023-2024年データ)

最も重要なのは「原本のレッドブック/ピンクブックの真正性確認」と「婚姻証明書のベトナム大使館公証」で、これらを怠ると契約後に重大なトラブルが発生するリスクがあります。

「ベトナム不動産購入の具体的な手順(物件選定から引き渡しまで)」については、こちらで詳しく書いています↓

価格の妥当性を確認する相場調査の方法

ベトナムで不動産価格の妥当性を確認する最も信頼性の高い方法は、ライセンスを持つ専門鑑定業者への依頼です。

ベトナム財務省はベトナム評価基準システム(13の規制基準)を公布しており、ライセンスを持つ価格鑑定企業が必要とされています。鑑定手法として市場比較法、原価法、収益法が使用されます。

市場データの収集には、オンラインプラットフォームとして batdongsan.com.vn と chotot.com が最も一般的に利用されていますが、掲載情報の信頼性に問題があると報告されています。同一または近隣の物件について複数の業者に連絡し実際の価格を把握することが推奨されています。

詐欺リスクを回避する5つの具体的対策

詐欺リスクを最小限に抑えるためには、以下の5つのステップを必ず実行してください。特にステップ1と2は契約前の必須事項です。

ベトナム不動産ライセンス保有業者のみを利用する

ベトナムで不動産取引を行う際の最も基本的な対策は、正規ライセンスを保有する仲介業者のみを利用することです。

ベトナム不動産取引法2014年第68条により、個人仲介業者は完全な民事行為能力、高等学校卒業以上の学歴、不動産仲介知識試験の合格が必要で、ライセンスの有効期限は5年間です(*12)。2024年8月1日以降、個人での独立開業は廃止され企業設立が義務付けられました(*13)。

企業要件として第62条により最低2名のライセンス保有者の雇用が必要ですが、2025年からは1名に緩和されます。ライセンスは各省の建設局が発行し、2024年以降は試験管理が省人民委員会に移管されました。

重要な点として仲介業者は同一取引において仲介者と契約当事者の両方の立場を取ることはできません。ライセンス取消事由は第12条循環通達07/2015/TT-BXDに規定されており、民事行為能力の喪失、申請時の虚偽情報、ライセンスの改ざん・消去、他人への貸与、業務原則違反が含まれます。

弁護士・公認会計士による契約書・権利関係の精査を依頼

ベトナムでの不動産取引では専門家によるデューデリジェンスが詐欺回避の鍵となります。

法律事務所が提供する権利関係調査には、土地使用権証明書(LURC)の有効性と譲渡可能性の確認、抵当権・先取特権・紛争の有無の調査、土地利用目的(商業・住宅・農業)の検証が含まれます(*22)。

法的適合性の検証ではゾーニング規制と土地利用への適合、建築許可および建設承認の妥当性検証、環境影響評価(該当する場合)の確認が行われます。財務デューデリジェンスとして抵当権と先取特権の調査、未払い債務の検証(税金、光熱費、請負業者への支払い)が実施されます。契約書審査では売買契約書の分析、責任事項の特定、法的報告書とリスク助言が提供されます(*23)。

これらのサービスは Fortune 500 企業、プライベート・エクイティ・ファンド、多国籍投資家から信頼されています。外国人投資家は契約締結前に必ず現地の法律事務所に依頼し、すべての書類と権利関係を精査することが不可欠です。

前金支払いは分割・エスクロー利用で最小限に抑える

ベトナムでの不動産購入において前金詐欺を防ぐためにエスクロー制度の活用が推奨されます。

民法2015年第330条がエスクローを定義し、投資法2014年第42条は国有地の配分またはリースを利用するプロジェクトにエスクローアカウントの開設を義務付けています(*27)。エスクローアカウントは投資家が選択した商業銀行に開設され、投資プロジェクトの場合はエスクローは計画投資局のアカウントに保管されます(*28)。

投資家がアカウントの開設と維持にかかるすべての費用を負担します。エスクロー水準は投資資本に対して段階的に設定され、奨励セクター・不利な地域・工業団地では25%削減、特別奨励セクター・極めて不利な地域・ハイテク経済区では50%削減されます。

詐欺防止のベストプラクティスとして、物理的に訪問していない物件に対しては絶対に預託金を支払わないこと、預託金の支払いは預託金契約または最終賃貸契約の締結時のみとすることが挙げられます。

必ず現地視察と複数業者への相見積もりを実施

ベトナムでの不動産購入において現地視察は詐欺回避の必須条件です。業界標準として物理的な訪問前に預託金を支払わないことが推奨されています(*24)。

ある投資家の実験では、オンライン掲載物件への問い合わせ100%がおとり広告で実際には遠隔地の開発物件への誘導であることが判明しました。業者は競合に顧客を奪われないよう意図的に所在地を偽って掲載する慣行があります。

複数業者への相見積もりのベストプラクティスとして、同一または近隣の物件について3〜4社の業者に確認し実際の価格を把握することが推奨されています。

日本人コミュニティや投資家の口コミ・評判を確認

ベトナムには約2万人の日本人居住者がおり、2023年時点で2,100社の日本企業が進出しています(*29)。これはASEAN諸国の中で最多です。日本の対ベトナム直接投資は2008年の1,100億円から2023年には5,900億円に成長し、年平均成長率11.85%を記録しています。

日本人コミュニティのリソースとして在ベトナム日本商工会議所が公式ビジネスネットワークとして機能しています。情報交換のためのプラットフォームにはFacebook グループ「Hanoi Massive Community」や「Real Estate Forum for Expats in Saigon / Ho Chi Minh City」、各種駐在員フォーラムがあります。

開発業者の評判情報源としてベトナムレポートが財務能力、メディア信頼性、ステークホルダー調査に基づいて「最も評判の良い不動産開発業者トップ10」を毎年発表しています。日本人投資家は日本商工会議所や既存の駐在員ネットワークを活用して情報収集を行うことが推奨されます。

FAQ|ベトナム不動産投資の詐欺・安全性に関するよくある質問

ベトナム不動産で日本人が詐欺に遭った実例はある?

2022年にホーチミン市で日本人投資家の知人が外国人所有枠超過により購入を断念し預託金を失った事例があります。

ベトナム全体では詐欺被害が多発しており、リスク要因はすべての外国人投資家に等しく適用されます。ベトナムには約2万人の日本人が居住し2,100社の日本企業が進出していますが、十分な警戒が必要です。

ベトナムで外国人が買える不動産と買えない不動産の違いは?

外国人が購入可能な不動産は、商業住宅開発プロジェクト内のコンドミニアム(1棟あたり30%の外国人枠制限あり)、および登録された商業・観光開発プロジェクト内の個別住宅(1プロジェクトあたり最大10%、行政区画内合計250戸まで)です。

所有期間は50年間で1回のみ50年延長可能です。購入不可能な不動産は独立した民家や農村部の住宅、農地、土地そのもの(国有のため)、国境地域・島嶼地域・軍事基地・省レベル以上の政府機関周辺です。

ベトナム不動産投資は安全な国と比べてリスクが高い?

ベトナムは他の投資先と比較して高リスク市場と評価されます。

2023年には開発業者の破綻が前年比38.7%増加し、満期を迎える不動産債券は60億ドル(約9,000億円)に達しました。一方で市場の成長性は高く、2024年にはハノイで前年比22.3%、ホーチミン市で24%の価格上昇を記録しています。高リスク・高リターン市場であり、十分なデューデリジェンスと専門家の助言が不可欠です。

まとめ|安全なベトナム投資で失敗しないための最終確認

ベトナム不動産投資は年20%超の価格上昇が見込める成長市場である一方、史上最大の6.6兆円詐欺事件や開発業者破綻率38.7%増という事実が示すように、市場の透明性と投資家保護制度は未成熟です。しかし適切な対策によりリスクは大幅に低減できます。

安全な投資を実現するための最終確認項目は5つです。1つ目は5年有効の省建設局発行ライセンスを持つ仲介業者のみを利用すること、2つ目は現地の法律事務所による契約書と権利関係の精査を依頼すること、3つ目は物件の現地視察と複数業者への相見積もりを必ず実施すること、4つ目は外国人所有枠30%の空き状況と50年使用権の残存期間を契約前に書面確認すること、5つ目は10%超の賃貸保証や前金全額支払いを要求する案件を避けることです。

これらを徹底することでベトナム不動産投資の高い成長性を享受しながらリスクを最小化できます。

▶︎ ベトナム不動産投資の市場動向(2025年法改正・外資規制・都市開発トレンド)について、もっと詳しく知りたい方はこちらもどうぞ


執筆者

高橋 卓のアバター 高橋 卓 海外不動産のオクマン 代表

2014年:はぐくみカンパニー株式会社、代表取締役に就任
2017年:株式会社純な、代表取締役に就任
2018年:はぐくみカンパニーカンパニー株式会社を株式譲渡し退任
2023年以降:日本企業の進出コンサルティングと海外不動産メディアの運営に注力(バンコクのベイカリーショップ、小麦の王国立ち上げ等)

現在バンコク在住。海外不動産投資のことならお気軽にご相談ください。

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