エジプトの不動産投資は本当に安全なのか?詐欺事例とリスクを回避する方法を解説

「エジプト不動産投資は本当に安全なのか?」と検索して、この記事にたどり着いたあなたは、きっとエジプト市場の成長性や価格の手頃さに魅力を感じながらも、詐欺やリスクへの不安を拭えずにいるのではないでしょうか。

実際、エジプトの不動産投資は、正しい知識と手順を踏めば有望な選択肢となり得ますが、一方で外国人投資家が被害を受けやすい落とし穴も数多く存在します。

この記事では、法的な枠組みから典型的な詐欺の手口、信頼できる物件の選び方まで、専門的な視点から丁寧に解説します。読み終える頃には、エジプト不動産投資で「やってはいけないこと」と「安全に進めるための具体的な手順」が明確にわかるはずです。ぜひ最後までお読みください。

目次

エジプト不動産市場の現状と最新動向

エジプト不動産投資リスク比較

急速に拡大するエジプトの不動産市場

エジプトの不動産市場は、中東・北アフリカ地域の中でも注目度が高まっている市場のひとつです。人口約1億人を超える巨大な内需を背景に、首都カイロ周辺の新都市開発が活発に進んでいます。特に、政府主導で建設が進む「新首都(ニュー・アドミニストレーティブ・キャピタル)」プロジェクトは、行政機関・商業施設・住宅エリアを一体開発する大規模プロジェクトとして、国内外の投資家から大きな関心を集めています。

また、紅海沿岸のリゾートエリアであるフルガダやシャルム・エル・シェイクも、観光需要を背景に不動産投資先として知られています。エジプトの不動産価格は、ドバイや東南アジアの主要都市と比較しても相対的に手頃であり、これが外国人投資家を引き付ける大きな要因となっています。

ただし、エジプトポンド(EGP)は近年、大幅な通貨安局面を経験しており、為替リスクは投資判断において非常に重要な要素です。外貨建て(米ドル建て)での取引が多い点は、日本円との換算においても留意が必要です。具体的な最新価格水準やエリア別の価格動向については、現地の信頼できる不動産業者または専門家にご確認いただくことを強くお勧めします。

2024年砂漠地法改正と外国人投資への影響

2024年1月にエジプト議会で砂漠地法(Desert Land Law)の改正案が可決され、同年2月にエルシーシ大統領が批准・発効したことで、投資プロジェクト向けの土地について外国人の完全所有が認められるようになりました。(*1)

従来は、エジプト側の過半数出資が要件とされていましたが、この改正によりその制約が撤廃されました。これは、外国からの直接投資を呼び込む国家戦略の一環とされています。

ただし、この改正はあくまでも「投資プロジェクト向けの土地」に関するものです。通常の住居用不動産の購入については、後述する「1996年法律第230号」に基づく所有制限(最大2件・各4,000㎡以内・住居用途限定)が引き続き適用されます。

この点を混同して、制限がなくなったと誤解している投資家が見受けられますので、必ず注意してください。

エジプト不動産市場の主要指標(2026年時点)

以下の表は、エジプト不動産市場に関する主要な指標を整理したものです。

項目2026年時点備考
外国人所有上限件数最大2件住居用途限定
外国人所有上限面積(1件あたり)4,000㎡以内軍事・戦略地域は不可
売却時の取引税(住居用)売却総額の2.5%個人・住宅用の場合
不動産登記完了期間(書類揃い後)10営業日以内Tabu登記所での義務
推定未登記不動産比率(2022年時点)90%超2022年制度改革論議時点の数値
デベロッパー専門規制機関未整備ドバイRERA相当機関なし

出典:bylawme.com「Foreign Investment in Egyptian Real Estate」residenceinvest.com「Buying Property in Egypt as a Foreigner: 2026 Field Guide」eglawyer.co.uk「Property Registration in Egypt」

日本の不動産市場とエジプトの違い

日本では、不動産の売買に際して「宅地建物取引業法」による厳格な業者規制があり、宅地建物取引士による重要事項説明が義務付けられています。また、法務局での登記制度が整備されており、所有権の公示が確実に行われます。

一方、エジプトでは2026年時点において、不動産デベロッパーを一元的に規制する専門機関がまだ存在しません(*2) ドバイのRERA(不動産規制機関)のような機関がないため、開発業者の質にばらつきがあり、外国人投資家が自ら判断・調査しなければならない範囲が日本と比べてはるかに広くなります。

この点は、エジプト不動産投資における最も根本的なリスクのひとつとして、しっかり認識しておく必要があります。

外国人がエジプトで不動産を購入する具体的な手順

購入前の準備と事前調査

エジプトで不動産を購入するにあたり、まず欠かせないのが十分な事前調査です。現地の法律・規制・手続きについて正確な情報を持つことが、安全な取引の第一歩となります。

エジプト政府の公式不動産プラットフォームは、外国人買主向けの法的ガイドを公式ブログで公開していますので、まずこちらを確認することを強くお勧めします。(*3)

また、信頼できる現地の弁護士(エジプト法を専門とする資格弁護士)を探し、契約前に必ず相談することが不可欠です。エジプトには日本のような標準的な売買契約書の雛形が広く普及しているわけではなく、契約内容のチェックを専門家に依頼することで多くのリスクを回避できます。

購入手続きのStep-by-Stepフロー

1
現地弁護士・信頼できる仲介業者の選定

エジプト法を専門とする資格弁護士を探します。仲介業者については、エジプト会社庁(Egyptian Companies Authority)への登録が確認できる業者のみを利用してください。無許可の仲介業者の利用は法的保護を著しく弱めます。
期間の目安:1〜2週間
費用:弁護士相談料の目安は物件価格の1〜2%程度(500万EGPの物件で概算1,050〜2,100米ドル程度)。

2
物件・デベロッパーのデューデリジェンス(事前審査)

デベロッパーがエジプト会社庁に正式登録されているか確認します。対象物件の土地がデベロッパー名義で正式登録されているか、権利証(タイトルディード)が存在するかを必ず確認してください。オフプラン(未完成物件)の場合は特に、建築許可の存在も確認が必要です。
期間:2〜4週間。

3
購入資金の海外送金準備

外国人買主は、購入資金が海外から外貨で送金されたことを証明する必要があります。(*4) 契約が外貨建ての場合は、エジプト中央銀行の事前承認が必要になるケースがあります。日本の銀行から送金する際は、送金証明書を必ず取得・保管してください。
期間:銀行手続きにより異なりますが、国際送金・送金証明書の取得を含めて1〜2週間程度が目安とされます。

4
売買契約書の作成・公証人認証

弁護士立会いのもとで売買契約書を作成し、公証人(ノータリー)の認証を受けます。慣習契約(私的な合意書)のみでの取引は法的保護が大幅に弱まりますので、必ず公証人の認証を受けた正式な契約書を作成してください。
費用:公証人費用は登記費用に含まれる形で請求されるのが一般的で、単独での明確な相場は確認できませんでした。取引全体の諸費用(登記・公証・弁護士等の合計)は物件価格の2〜6%程度を目安にしてください。

5
不動産登記所(Tabu)への登録

公証人認証を受けた契約書は、10日以内に地元の不動産登記所(通称「Tabu/タブ」)に登録する必要があります。(*4) 書類が揃った時点から10営業日以内に登録手続きが完了する義務があります。この正式登記こそが所有権を第三者に対して主張できる唯一の手段です。
費用:登記費用(買主負担)の目安は物件価格の1〜3%程度。

6
税金・諸費用の支払い

2026年初め時点では、個人による住宅用不動産の売却に際して、譲渡益(キャピタルゲイン)への課税ではなく、売却総額の2.5%に対する取引税が課される仕組みが一般的とされています。(*5)
その他の諸費用の目安として、登記費用は物件価格の1〜3%(買主負担)、弁護士費用は1〜2%、仲介手数料は1.5〜2.5%(売主負担が一般的)とされ、買主側の諸費用合計は物件価格の2〜6%程度が目安です。
ただし物件・エリア・依頼先によって幅があるため、最終的には現地の専門家に確認してください。

7
物件の引き渡し・管理体制の構築

完成物件の場合は引き渡し後、速やかに管理体制を整えます。賃貸運用を行う場合は、現地の信頼できる管理会社を選定することが重要です。オフプラン物件の場合は、進捗状況の定期確認と契約書に定められた引き渡しスケジュールのモニタリングを行ってください。

費用・税金の概要比較

費用項目費用水準備考
売却時取引税売却総額の2.5%個人・住居用(2026年初め時点)
Tabu登記費用物件価格の1〜3%(買主負担)登記所により異なる
公証人費用登記費用に含まれる形が一般的契約金額・物件タイプによる
弁護士費用物件価格の1〜2%弁護士・依頼内容による
仲介手数料物件価格の1.5〜2.5%(売主負担が一般的)業者・物件による

出典:residenceinvest.com「Buying Property in Egypt as a Foreigner: 2026 Field Guide」

管理・運用フェーズで注意すること

購入後の管理・運用フェーズでも、いくつかの重要な注意点があります。賃貸収入を日本に送金する場合、エジプトの外国為替規制に基づく手続きが必要になることがあります。

また、エジプトポンドの為替変動は大きく、賃貸収入をエジプトポンドで得ている場合、日本円換算での実質収益が為替動向に大きく左右されます。外貨建て(米ドル等)での賃貸契約が可能かどうか、事前に確認しておくことを強くお勧めします。

現地の管理会社を選定する際は、実績・評判の確認はもちろん、契約書の内容(管理手数料・業務範囲・解約条件)を弁護士に確認してもらうことが安全です。

▼ちなみに、エジプトに実際に渡航して物件視察を行う際には、ビザの取得方法も事前に把握しておく必要があります。

エジプト不動産投資のメリットと魅力

相対的に手頃な不動産価格と購入機会の広さ

エジプトの不動産市場は、ドバイや東南アジアの主要都市と比較して、相対的に価格水準が手頃であることが広く知られています。

特に首都カイロ周辺の新開発エリアや紅海沿岸のリゾートエリアでは、外国人投資家が参入しやすい価格帯の物件が数多く供給されています。日本の都市部の不動産と比較した場合、同じ予算でより広い面積・より充実した設備の物件を取得できる可能性があります。

日本では東京23区内の新築マンションの平均価格が2025年に1億3,613万円(前年比+21.8%、3年連続の1億円超え)となり、不動産経済研究所の調査で明らかになっています。(*8) 一方、エジプトでは同等の円換算予算でより多くの選択肢が得られるケースがあるとされています。

出典:不動産経済研究所「首都圏新築分譲マンション市場動向2025年」(nippon.com経由)

ただし、具体的な比較数値については現地の最新情報をご確認ください。

大規模インフラ開発が生み出す値上がり期待

エジプト政府が主導する新首都(ニュー・アドミニストレーティブ・キャピタル)プロジェクトをはじめ、カイロ周辺では大規模なインフラ整備が続いています。

新しい幹線道路・地下鉄路線・国際空港の拡張など、交通インフラの整備が進むことで、周辺不動産の資産価値向上への期待が高まっています。

また、エジプトは若い人口構造を持ち、今後も住宅需要の拡大が見込まれる市場とされています。国内の住宅不足という構造的な課題が、一定の不動産需要を支える要因になっているとも言われています。

ただし、将来の値上がりは保証されるものではなく、政治・経済情勢の変化によって大きく左右される点には留意が必要です。

観光需要を背景とした賃貸収益の可能性

フルガダやシャルム・エル・シェイクなどの紅海沿岸リゾートエリアは、欧州からの観光客需要が安定しているエリアとして知られています。

これらのエリアでは、短期賃貸(バケーションレンタル)による賃貸収益を狙う投資家も多く見られます。観光シーズンには高い稼働率が期待できるとされていますが、賃貸利回りについては物件・エリア・管理体制によって大きく異なりますので、具体的な数値は現地専門家にご確認ください。

日本では、民泊新法(住宅宿泊事業法)による年間180日制限など、短期賃貸に対する規制が厳しくなっています。エジプトのリゾートエリアでは、観光業振興の観点から比較的柔軟な運用が行われているケースがある一方で、現地の規制内容については最新情報を必ず確認してください。

2024年法改正による外国人投資環境の整備

前述の通り、2024年1月の砂漠地法改正により、投資プロジェクト向けの土地については外国人の完全所有が認められるようになりました。これは、エジプト政府が外国人投資家にとっての制度的障壁を引き下げようとしている方向性の現れとも受け取れます。将来的には、さらなる制度整備や投資環境の改善が進む可能性もあります。

ただし、制度変更の方向性はあくまでも今後の政策判断に依存するものであり、投資判断においては現在の制度・リスクを正確に理解した上で進めることが不可欠です。

エジプト不動産投資のリスクと代表的な詐欺の手口

失敗例①:土地登記がされていない物件を購入してしまうケース

エジプトで外国人投資家が最も注意すべき詐欺の手口のひとつが、「デベロッパーの名義で正式に登記されていない土地の上に建つ物件を販売する」という手口です。(*2) 物件の見た目は立派に見えても、その土地がデベロッパー名義でTabu(不動産登記所)に正式登録されていなければ、買主は真の所有権を取得することができません。

このような物件では、後から「真の土地所有者」が別に現れ、物件の引き渡しや権利の主張が困難になるケースが報告されています。エジプトの市場では、オフプラン(未完成)物件を中心にこのリスクが高く、特に新開発エリアでは実在の土地権利書を伴わない「名ばかりプロジェクト」が存在することがあります。

⚠️ 注意:土地の権利書が確認できない物件は購入しない

物件購入前に、必ず弁護士を通じてTabu(不動産登記所)での土地の登記状況を確認してください。デベロッパーが土地の権利書(タイトルディード)を提示できない場合は、契約を見送ることを強くお勧めします。また、エジプト政府の公式不動産プラットフォームでも、不動産詐欺から身を守るための公式ガイドが公開されています。(*6)

失敗例②:正式な登記なしに「慣習契約」だけで取引を完了させてしまうケース

エジプトでは、私的な売買合意書(慣習契約)に署名しただけで、正式な登記と同等の保護が得られると誤解している外国人買主が少なくありません。(*7) 実際には、エジプトの不動産の90%超が正式な登記制度の外に置かれていたとされ(2022年の制度改革論議時点)、慣習契約だけでは第三者に対して権利を主張することが非常に困難になります。

90%超が
未登記
未登記(推定90%超)
登記済み(推定10%未満)

出典:globalinvestments.net「Legal Due Diligence When Buying Property in Egypt」に基づく推定値(2022年の制度改革論議時点)(*7)

日本では不動産取引における登記の重要性が広く認知されており、「登記しなければ第三者に権利を対抗できない」という原則が民法で明確に定められています。エジプトでも同様の原則が存在しますが、実態として多くの取引が未登記のまま進んでいる点が大きな問題です。慣習契約のみで取引を終わらせることは、将来の紛争リスクを著しく高めます。

⚠️ 注意:慣習契約だけで取引を完結させない

売買合意後は、必ず公証人の認証を受けた上でTabu(不動産登記所)に正式登記を行ってください。「後で登記すればいい」という業者の言葉には応じず、登記が完了するまで最終代金を支払わないよう徹底することが重要です。

失敗例③:実際の建設や許可がないまま全額を回収されるケース(架空プロジェクト)

オフプラン物件(建設前・建設中物件)への投資では、「建築許可がないまま販売活動を行い、代金を回収した後にプロジェクトが頓挫する」あるいは「同じ物件を複数の買主に重複して販売する」という手口が報告されています。(*2)

エジプトには2026年時点でドバイのRERAのような不動産デベロッパー専門の規制機関がないため、このような悪質なデベロッパーによる被害を防ぐための制度的な網の目が、他の市場と比べて粗い状態です。

「魅力的な価格・高利回り・限定販売」といった煽り文句でオフプラン物件への早期購入を急かすケースには特に注意が必要です。

投資判断を急がせる業者に対しては、立ち止まって慎重に確認を行う姿勢を維持してください。また、引き渡しを脅迫的にキャンセルすると持ちかけて契約条件の変更を迫る手口も報告されており、これらは明確な危険信号(レッドフラグ)です。

⚠️ 注意:オフプランへの全額一括払いは絶対に避ける

オフプラン物件への投資を行う場合は、デベロッパーがエジプト会社庁に正式登録されているかを事前に確認してください。建築許可の存在、土地のTabu登録状況、これまでの完成プロジェクトの実績を徹底的に調査することが不可欠です。代金の支払いは工程進捗に連動した分割払い方式にすることを強くお勧めします。

失敗例④:無許可仲介業者・口頭のみの取引によるトラブル

書面での合意がない口頭のみの取引は、法的保護がありません。エジプトでは、一見プロフェッショナルに見えても無許可で活動している仲介業者が存在することがあり、そのような業者を通じた取引では後から重大な問題が発覚するリスクがあります。(*7)

所有権証明(権利証)が提示されない場合も、同様に重大な危険信号です。

また、デベロッパーの実在確認は、エジプト会社庁(Egyptian Companies Authority)への登録状況を確認することで行えますが、この確認を怠った場合に被害を受けるケースが報告されています。

⚠️ 注意:すべての合意を必ず書面で残す

口頭での合意のみで取引を進めることは絶対に避けてください。仲介業者については、エジプト会社庁への登録状況を確認し、権利証が提示できない物件は取引しないことを徹底してください。「信頼できるから大丈夫」という感覚的な判断は、海外不動産取引においては特に危険です。

エジプトのエリア・物件タイプ別の選び方

新首都(ニュー・アドミニストレーティブ・キャピタル)周辺エリア

エジプト政府が国家プロジェクトとして推進する新首都エリアは、カイロ東部に建設中の大規模行政・商業・住宅複合都市です。政府機関の移転が進む中で、将来的な需要拡大が期待されているエリアです。このエリアでは、主にオフプラン(未完成)物件の販売が中心となっており、分譲マンション・ヴィラ・商業施設用区画など多様な物件タイプが流通しています。

価格水準の目安として、新首都エリアのコンパウンド内住宅の平均価格は1㎡あたり35,000〜50,000エジプトポンド程度という調査例があります(一部の高級コンパウンドでは80,000〜90,000エジプトポンドを超える物件もあるとされています)。(*9) 利回りについては、開発初期段階のエリアでは物件によって賃貸需要が価格に追いついていないとの指摘がありますが、具体的な数値は[要・運用者確認:数値]。市場の変動が大きいため、必ず現地最新情報をご確認ください。

ただし、前述のとおり新首都エリアはオフプラン物件が中心のため、デベロッパーの実在・信頼性調査が特に重要になります。規制機関の空白という構造的リスクを踏まえると、このエリアでの投資は、長期保有を前提とした資本増価(値上がり)狙いの投資家、かつリスク許容度が比較的高い投資家に向いているといえるでしょう。

カイロ郊外・ニュータウンエリア(6オクトーバー・シェイク・ザイド等)

カイロ郊外に位置する6オクトーバー・シティやシェイク・ザイドなどのニュータウンエリアは、比較的整備されたインフラと豊富な住宅供給を持つエリアとして知られています。ファミリー向け住宅需要が安定しており、長期賃貸での運用が期待できるエリアとされています。完成済みの物件も多く流通しているため、オフプラン特有のリスクを回避しつつ投資ができる可能性があります。

価格水準の目安として、6オクトーバーの分譲マンションは1㎡あたり47,000エジプトポンド程度(2025年12月時点、前年同期比153.7%増)という調査例があり、賃貸利回りは6%程度という報告があります。(*9) ただし変動が大きいため、必ず現地最新情報をご確認ください。

長期安定賃貸収益を求める投資家、またはリスクを抑えてエジプト市場に参入したい初心者投資家に比較的向いているエリアといえるでしょう。

紅海沿岸リゾートエリア(フルガダ・シャルム・エル・シェイク)

フルガダおよびシャルム・エル・シェイクは、欧州からの観光客需要が厚いリゾートエリアです。短期賃貸(バケーションレンタル)や観光向けの物件投資先として、長年にわたって外国人投資家に認知されてきたエリアです。海辺のアパートメント・コンドミニアム・ヴィラなど、リゾート系物件が中心です。

ただし、観光シーズンの繁閑差があるため、通年での安定稼働を前提とした計画は慎重に立てる必要があります。

フルガダについては、一部の沿岸地が「大統領承認が必要なエリア」に指定されている可能性があるため、購入前に弁護士を通じた確認が不可欠です。

価格水準・利回りの目安として、フルガダの賃貸利回りは5.86〜8.08%程度(都市平均7.29%)という調査例があります。(*10) ただし観光需要やエリアによる差が大きいため、必ず現地最新情報をご確認ください。

観光需要の変動リスクを理解した上で、リゾート物件の短期賃貸収益を狙う投資家に向いているエリアといえるでしょう。

物件タイプ別リスク・特徴の比較

物件タイプ主なリスク向いている投資家
オフプラン(新首都等)未完成・デベロッパー倒産リスク高長期・値上がり狙い・リスク許容高
完成済みマンション(カイロ郊外)未登記リスク・管理費用安定賃貸収益・初心者・長期保有
リゾート物件(紅海沿岸)観光需要変動・沿岸規制リスク短期賃貸収益・セカンドハウス目的
投資プロジェクト向け土地(2024年改正後)開発許可・規制変更リスク大口投資家・法人・開発プロジェクト

出典:globalinvestments.net「Ownership Structures for Foreign Property Buyers in Egypt」bylawme.com「Foreign Investment in Egyptian Real Estate」

▼ちなみに、エジプトへの投資を検討する際は、現地でのビザ取得や長期滞在の方法も合わせて確認しておくと、より具体的な投資計画が立てやすくなります。

よくある質問

Q. 外国人はエジプトで不動産を何件まで購入できますか?
住居用の通常の不動産であれば、最大2件までとされています。
根拠となるのは1996年法律第230号(非エジプト人による不動産所有規制法)とその後の改正です。各物件の敷地面積は4,000㎡を超えてはならず、住居用途に限られます。
また、軍事地域や戦略地域での所有は認められておらず、一部の沿岸地については大統領承認が必要とされています。
なお、2024年の砂漠地法改正による外国人の完全所有は「投資プロジェクト向け土地」に限定されるものであり、通常の住居用不動産への2件制限・4,000㎡制限とは別枠です。制度は変わる可能性がありますので、最新情報を必ず専門家にご確認ください。
Q. 購入代金は日本からどうやって送金すればよいですか?
外国人買主は、購入資金が海外から外貨で送金されたことを証明する書類を用意する必要があります。
日本の銀行から国際送金を行い、その送金証明書を必ず取得・保管してください。契約が外貨(米ドル等)建ての場合、エジプト中央銀行の事前承認が必要になるケースがあるとされています。
送金手続きの詳細については、日本の主要銀行または現地の弁護士にご相談ください。送金記録は将来の売却・送金時にも必要となりますので、大切に保管してください。
Q. エジプトの不動産登記(Tabu)はどのような手続きですか?
売買契約は公証人(ノータリー)の認証を受けた後、10日以内に地元の不動産登記所(通称「Tabu/タブ」)に登録する必要があります。
登記所は必要書類が揃った時点から10営業日以内に登録手続きを完了させる義務があるとされています。この正式登記が完了して初めて、第三者に対して所有権を主張できます。
必要書類については現地の弁護士または登記所にご確認ください。慣習契約(私的合意書)のみで登記を行わない取引は、法的保護が著しく弱まりますので絶対に避けてください。
Q. エジプトでデベロッパーの信頼性はどうやって確認できますか?
デベロッパーの実在確認は、エジプト会社庁(Egyptian Companies Authority)への登録状況を調べることで行うことができます。
登録されていないデベロッパーとの取引は、詐欺リスクが極めて高いため、必ず確認してください。また、過去の完成プロジェクトの実績・評判の確認も重要です。エジプトには2026年時点でドバイのRERAに相当する不動産デベロッパー専門の規制機関が存在しないため、買主自身による調査が非常に重要な意味を持ちます。
弁護士を通じて土地の権利書(タイトルディード)の確認・建築許可の存在確認を行うことを強くお勧めします。
Q. エジプト不動産を売却したときの税金はどうなりますか?
2026年初め時点では、個人による住宅用不動産の売却の多くは、譲渡益(キャピタルゲイン)に対する課税ではなく、売却総額の2.5%に対する取引税が課されるとされています。
ただし、税制は政府の方針によって変更される可能性があります。また、日本の居住者がエジプトで不動産収益を得た場合、日本での確定申告義務が生じる可能性があります。
日本の税制(外国税額控除の適用等)については、日本の税理士にも必ずご相談ください。制度は変わる可能性がありますので、最新情報の確認が欠かせません。

まとめ:今すぐ始める3つのアクション

ここまで読んでいただいた方は、エジプト不動産投資の魅力とリスクの両面について、かなり具体的なイメージが持てるようになったはずです。

エジプトの不動産市場は、相対的に手頃な価格水準・大規模インフラ開発・若い人口構造といった魅力的な要素を持つ一方で、規制機関の空白・未登記物件の蔓延・詐欺的なデベロッパーの存在など、外国人投資家が特に注意すべきリスクが数多く存在します。

日本の不動産市場のように制度的な安全網が整備されていない環境での投資は、「知識」と「専門家の活用」がそのまま投資の安全性に直結します。エジプトに限らず、海外不動産投資において最も大切なのは、「魅力的に見えても、手順を省かない」という姿勢です。

今すぐ始めるべき3つのアクションをお伝えします。

アクション①:エジプト政府の公式ガイドを読む
エジプト政府の公式不動産プラットフォームが公開する「外国人向け法的ガイド」(*3)および「不動産詐欺から身を守るためのガイド」(*6)を必ず一読してください。投資検討の出発点として、公式情報の把握は欠かせません。

アクション②:信頼できる専門家(弁護士・不動産コンサルタント)に相談する
エジプト法を専門とする弁護士や、実績ある海外不動産コンサルタントへの相談を早い段階で行うことを強くお勧めします。専門家のサポートなしに単独で進めることは、リスクを著しく高めます。

アクション③:オクマンの無料相談を活用する
海外不動産投資専門メディア「オクマン」では、エジプトを含む海外不動産投資について専門スタッフが個別相談を無料で承っています。「何から始めればいいかわからない」という方も、まずはLINEやウェブサイトからお気軽にご連絡ください。あなたの状況に合わせた最適なアドバイスをご提供します。

▼ちなみに、エジプト現地への渡航や長期滞在を検討されている方は、ビザに関する情報も事前に整理しておきましょう。

出典元

*1 bylawme.com「Foreign Investment in Egyptian Real Estate」

*2 globalinvestments.net「Property Investment Scams: Red Flags for Overseas Buyers」

*3 エジプト政府公式不動産プラットフォーム「Legal Guide For Foreigners Buying Property in Egypt」

*4 eglawyer.co.uk「Property Registration in Egypt」

*5 residenceinvest.com「Buying Property in Egypt as a Foreigner: 2026 Field Guide」

*6 エジプト政府公式不動産プラットフォーム「How to Protect Yourself from Real Estate Fraud」

*7 globalinvestments.net「Legal Due Diligence When Buying Property in Egypt」

*8 nippon.com「マンション価格、東京23区は平均1億3613万円―不動産経済研究所」

*9 globalpropertyguide.com「Egypt Residential Property Market Analysis 2026」

*10 mamoproperty.com「Rental Yield & STR Returns in Hurghada 2026」

執筆者

高橋 卓のアバター 高橋 卓 海外不動産のオクマン 代表

2014年:はぐくみカンパニー株式会社、代表取締役に就任
2017年:株式会社純な、代表取締役に就任
2018年:はぐくみカンパニー株式会社を株式譲渡し退任
2023年以降:日本企業の進出コンサルティングと海外不動産メディアの運営に注力(バンコクのベイカリーショップ、小麦の王国立ち上げ等)

現在バンコク在住。海外不動産投資のことならお気軽にご相談ください。

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