プチ移住先に迷ったら読む完全ガイド|香港・シンガポール・タイ・マレーシアの不動産投資と生活環境を徹底比較【2026年最新版】

「そろそろ海外に拠点を持ちたいけれど、どこが一番自分に合っているのだろう?」—そんな思いを抱える日本人投資家・移住検討者の方が、2026年現在、急速に増えています。円安の長期化や国内不動産価格の高騰を背景に、アジアへの「プチ移住」と組み合わせた海外不動産投資は、資産防衛策としても注目を集めています。
この記事では、人気の4エリア(香港・シンガポール・タイ・マレーシア)について、不動産投資の観点と生活環境の両面から最新データをもとに徹底比較します。
どのエリアがあなたの目的・予算・ライフスタイルに最適なのかを判断するための情報が、すべてここに揃っています。ぜひ最後まで読み進めてください。
2026年最新データで見る「プチ移住4エリア」の不動産市場

香港不動産市場の現状
香港の不動産市場は、2025年から2026年にかけて一定の底打ち感が出てきています。コロナ禍後の急落から反発し、2026年第1四半期の民間住宅価格指数(Rating and Valuation Department発表)は、前年から数%台の上昇となっており、底打ち感が鮮明になっています。ただし、ピーク時(2021年)比では依然として約2割前後低い水準にあり、「買い場」と見る投資家も増えてきました。
平均的な物件価格は、九龍エリアの500平方フィート(約46㎡)のコンドミニアムで900万香港ドル(約1億7,100万円、1HKD≒19円)前後が相場です。(*1) 一方、新界エリアに目を向けると同規模で600万香港ドル(約1億1,400万円)程度まで下がります。
2024年2月の規制緩和により、外国人向けのBSD(買家印花税)は撤廃されています。現在は香港永住者・非永住者の区別なく、同一の印紙税(AVD)のみが適用されます。ただし物件価格自体が世界最高水準のため、取得コストは依然として高水準です。表面利回りは2〜3%程度と低く、インカムゲインよりもキャピタルゲインを狙う戦略が中心となります。
日本の東京都心部(港区・千代田区)の新築マンションが坪単価600〜800万円台で推移しているのと比べると、香港の単価水準は世界最高水準の一つであり、「価格の高さ」という点では日本以上と認識しておく必要があります。
シンガポール不動産市場の現状
シンガポールの不動産市場は2026年現在も底堅い推移を続けています。Urban Redevelopment Authority(URA)が発表した2026年第1四半期の民間住宅価格指数は前年比+5.8%上昇しており、特にコア・セントラル・リージョン(CCR)での高級物件需要が旺盛です。(*2)
平均的なコンドミニアム価格は1㎡あたり2,500〜3,500シンガポールドル(約28万〜39万円、1SGD≒112円)で、70㎡の物件であれば約2,000万〜5,000万円程度が目安です。
ただし、外国人投資家にとって最大の障壁は追加印紙税(ABSD)です。2023年の引き上げ以降、外国人が住宅用物件を購入する際には購入価格の60%という世界でも類を見ない高率の税金が課せられます。(*2) 1億円の物件を買えば税金だけで6,000万円が加算されるわけで、これは純粋な投資目的での参入を著しく困難にしています。一方で、賃貸需要は非常に安定しており、表面利回りは3〜4%を維持しています。
タイ不動産市場の現状
タイ・バンコクの不動産市場は2026年、外国人投資家の流入増加とともに回復基調を強めています。Thailand Real Estate Information Center(REIC)のデータによると、2026年第1四半期には、バンコク首都圏のコンドミニアム新規供給は前年から増加に転じ、販売在庫の消化(吸収率)も改善傾向が確認されています。(*3)
スクンビット・エリアの高級コンドミニアムの平均価格は1㎡あたり18万〜25万タイバーツ(約76万〜106万円、1THB≒4.24円)となっており、70㎡の物件で5,320万〜7,420万円が目安です。
外国人がタイでコンドミニアムを購入する場合、外国人所有枠(フォーリナーズ・クオータ)が総戸数の49%までと法律で定められています。この枠を超えた物件には外国人名義では購入できないため、人気物件では「外国人枠が既に満杯」というケースも頻発しています。表面利回りは5〜7%と4エリアの中では比較的高水準を維持しています。
マレーシア不動産市場の現状
マレーシアの不動産市場は、2026年現在、4エリアの中で最も「コストパフォーマンスが高い」と多くの専門家が評価しています。
National Property Information Centre(NAPIC)の2026年第1四半期レポートによると、クアラルンプール首都圏のコンドミニアム平均価格は1㎡あたり650〜950リンギット(約21,000〜30,000円、1MYR≒32円)で、70㎡換算で1,470万〜2,100万円と4エリアの中では最も手頃な価格帯です。(*4)
外国人の最低購入価格は物件価格100万リンギット(約3,200万円)以上という制限がありますが、それを考慮しても国際比較では手頃な水準です。
2026年には「Malaysia My Second Home(MM2H)」ビザが再構築され、Silver・Gold・Platinumの3カテゴリーに再編されました(特定経済区向けの追加カテゴリーについては最新の内務省発表をご確認ください)。
カテゴリーごとに必要な定期預金額や最低不動産購入額が異なるため、申請前に最新条件を必ず確認してください。
| エリア | 70㎡目安価格 | 表面利回り | 外国人購入税 | 2026年価格変動 |
|---|---|---|---|---|
| 香港 | 1億1,400万〜1億7,100万円 | 2〜3% | なし(2024年2月撤廃) | +4.2% |
| シンガポール | 約1億9,600万〜2億7,300万円 | 3〜4% | 60%(ABSD) | +5.8% |
| タイ(バンコク) | 約5,320万〜7,420万円 | 5〜7% | なし(外国人枠49%) | +6.1% |
| マレーシア(KL) | 約1,470万〜2,100万円 | 4〜6% | なし(最低購入価格制限あり) | +7.3% |
出典:香港差餉物業估價署(2026年)、Singapore URA(2026年)、Thailand REIC(2026年)、Malaysia NAPIC(2026年)
| 項目 | 香港 | シンガポール | タイ | マレーシア |
|---|---|---|---|---|
| 外国人の土地所有 | 可(高税) | 可(高税) | 不可(コンドのみ可) | 条件付き可 |
| 長期滞在ビザ | 限定的 | EP等複数 | LTR・タイランドエリート | MM2H |
| 法人設立の容易さ | ◎ | ◎ | △(外国人出資制限) | ○ |
| 日本語サポート | ○ | ○ | ◎(バンコク) | ◎(KL) |
出典:各国政府機関・現地不動産業者調査(2026年)をもとにオクマン編集部作成
海外不動産を購入するための具体的な手順(エリア共通+エリア別ポイント)

購入前の準備・事前調査フェーズ
海外不動産の購入は、日本国内での不動産購入と比べて法律・税制・言語・商習慣のあらゆる面で異なります。
日本では不動産購入時に仲介会社が重要事項説明書を交付し、弁護士を介さずとも取引が成立するケースがほとんどですが、香港・シンガポール・タイ・マレーシアではいずれも現地の弁護士(ソリシター)の関与が事実上必須となっています。まず最初に信頼できる現地弁護士と日本人対応可能な不動産エージェントを選定することを強くお勧めします。
また、各国の外国人向け不動産規制(購入可能な物件タイプ・エリア・価格帯)を事前に必ず確認してください。タイであれば「コンドミニアムの外国人所有枠が49%まで」という制限、マレーシアであれば「外国人最低購入価格100万リンギット(約3,200万円)」という制限が存在します。
物件選定・内覧・オファーフェーズ
現地への渡航、または信頼できるエージェントを通じたオンライン内覧を経て、物件を絞り込みます。
オファー(購入申込)を行う際には、価格交渉の余地があるかどうかをエージェントに必ず確認してください。特に完成物件は売主との交渉が可能な場合が多く、5〜10%の値引きが実現するケースもあります。
契約締結・頭金支払いフェーズ
オファーが受諾されると、購入申込書(Letter of Intent / OTP: Option to Purchase)に署名し、手付金(通常は物件価格の1〜5%)を支払います。
その後、売買契約書(SPA: Sale and Purchase Agreement)の締結へと移行します。このフェーズで現地弁護士によるデューデリジェンス(権利確認・抵当権調査・建築許可確認等)が行われます。
残金決済・登記フェーズ
契約締結から残金決済まで、完成物件では通常2〜3ヶ月、オフプラン(建築前)物件では2〜5年の工期があります。残金の支払いは銀行送金で行い、各国の外国送金規制に従って手続きが必要です。
シンガポールではCentral Provident Fundを使った融資が外国人には基本的に使えないため、現金またはローン(外国人向け住宅ローンは頭金50〜60%が一般的)での対応が必要です。
投資目的(インカム重視 or キャピタルゲイン重視)、予算(頭金・購入諸費用含む総額)滞在期間(年間何ヶ月滞在するか)を書き出す。
期間:1〜2週間。
費用:なし。
日本語対応の現地エージェントと現地弁護士(ソリシター)を選定。
エージェント手数料は通常売主負担(買主には無料)。弁護士費用は物件価格の0.5〜1%が目安。
期間:2〜4週間。
注意:信頼性の低いエージェントに任せると契約トラブルのリスクが高まります。
候補エリアの相場・利回り・賃貸需要を調査。可能であれば現地を実際に訪れ、生活環境・交通利便性・周辺施設を確認する。
渡航費用:5万〜20万円程度。
期間:1〜3ヶ月。
購入申込書(OTP)を提出し、価格・条件交渉を行う。オファー受諾後、手付金(購入価格の1〜5%)を支払う。
期間:1〜3週間。
注意:オファー後のキャンセルは手付金没収リスクあり。
弁護士が権利確認・抵当権・建築許可等を調査。問題なければ売買契約書(SPA)に署名し、頭金(通常10〜20%)を支払う。
期間:2〜8週間。
費用:弁護士費用+印紙税。
残金を銀行送金で支払い、所有権を移転登記する。外国為替管理法の規定に従い、日本からの送金には外国送金依頼書の提出が必要。
期間:1〜3ヶ月。
費用:登記費用(物件価格の0.5〜2%)。
賃借人を自分で探すのは困難なため、現地の賃貸管理会社(プロパティマネジメント会社)に委託する。管理費は月額賃料の8〜12%が一般的。入居率・賃料相場を定期的にモニタリングする。
期間:継続的。
ちなみに、マレーシアでの不動産購入に必要な手続きや費用の詳細については、こちらで詳しく解説しています↓

「プチ移住×不動産投資」の4大メリット
メリット①:円安対策としての外貨資産の保有
2026年現在、1ドル=約148〜155円という円安水準が継続しています。日本円だけで資産を保有し続けることは、購買力の目減りというリスクを常に抱え続けることを意味します。
香港ドル・シンガポールドル・タイバーツ・マレーシアリンギットという外貨建て資産を保有することで、通貨分散による為替リスクのヘッジが実現できます。
特にシンガポールドル(SGD)は、世界的に見ても安定した通貨として知られており、MAS(シンガポール金融管理局)の為替政策により対ドルで安定的に推移してきた実績があります。(*5)
日本では低金利・円安のダブルパンチで実質資産が目減りしやすい環境ですが、外貨建て不動産を持つことでこのリスクを大幅に軽減できます。
メリット②:日本より高い賃貸利回りの実現
日本の主要都市(東京・大阪)の新築区分マンションの表面利回りは3〜4%前後が一般的であり、管理費・修繕積立金・税金を差し引くと実質利回りは1〜2%台に低下するケースも珍しくありません。
一方、タイ・マレーシアでは表面利回り5〜7%の物件も少なくなく、管理コストを差し引いた実質利回りで3〜5%を確保できる物件が存在します。
マレーシア・クアラルンプールのモントキアラ地区(日本人駐在員に人気のエリア)では、80㎡2LDKの物件を120万リンギット(約3,840万円)で購入し、月額5,500リンギット(約17.6万円)で賃貸に出すことで、表面利回り約5.5%を実現している日本人投資家の事例もあります。
メリット③:長期滞在ビザ取得との親和性が高い
「プチ移住」を実現するためには、長期にわたって合法的に滞在できるビザの取得が欠かせません。
タイの「LTR(Long-Term Resident)ビザ」は、一定の資産要件(海外資産80万ドル以上など)を満たす富裕層向けに10年間のマルチビザを提供しています。(*6)
マレーシアの「MM2H(Malaysia My Second Home)プログラム」は、2026年改定版で月収固定収入3万5,000リンギット(約112万円)以上、かつ国内定期預金150万リンギット(約4,800万円)以上の維持という要件が設けられました(詳細条件はFAQもご参照ください)。承認されれば5年〜10年の長期滞在権が得られます。
これらのビザは不動産購入を直接の要件とするものではありませんが、現地に不動産を保有していることがビザ審査でプラスに評価されるケースや、現地の生活基盤を持つことで滞在がより快適・安定するメリットがあります。
メリット④:生活コストの大幅な削減と生活の質向上
特にマレーシア・タイは、日本と比べて生活コストが40〜60%程度低いとされています。クアラルンプールでの生活費(食費・交通費・光熱費・外食費含む)は月15万〜25万円程度(現地の快適な生活水準の場合)で、東京での同等の生活と比べて大幅に安く済みます。
一方で、医療水準・教育水準・インフラ整備(特に高速インターネット)は先進国に近い水準にあり、「安かろう悪かろう」ではないのが魅力です。
タイ・バンコクのプロンポン・エリア(日本人街)では、日本食レストランやスーパー、日本語対応のクリニックが充実しており、日本にいる感覚に近い生活を送りながら、物価は全体的に日本の50〜60%程度に抑えられます。
よくある失敗事例と対策|海外不動産で損しないために必ず読んでください

失敗事例①:開発業者の倒産・工事遅延でオフプラン物件が完成しなかった
海外不動産投資で最も多い失敗の一つが、オフプラン(建築前・建設中)物件の開発業者の経営悪化・倒産や、工事の大幅遅延です。特にタイでは、2018〜2022年にかけて複数の開発業者が経営破綻し、日本人投資家が頭金(物件価格の15〜30%)を回収できないケースが相次ぎました。
あるバンコクの日本人投資家(50代・男性)は、2019年に郊外の新興エリアのオフプランコンドミニアムに750万タイバーツ(当時約2,490万円)を投じましたが、開発業者が2021年に経営破綻し、2026年現在も返金交渉が続いているという事態に陥っています。
対策:開発業者の財務状況・過去の竣工実績・登録ライセンスを必ず事前調査してください。タイであれば土地局(Department of Lands)への登録状況、マレーシアであればCIDB(建設業界開発委員会)の登録を確認することが欠かせません。オフプランへの投資は、実績ある大手デベロッパー(AP Thailand、セントラルグループ系、シリ・ハウス等)の物件に絞ることを強くお勧めします。
⚠️ 注意:オフプラン物件の「価格が安い」だけで飛びつかない
市場価格より15〜20%安いオフプラン物件は魅力的に見えますが、開発業者の信頼性・財務健全性の確認なしに契約すると、頭金を失うリスクがあります。必ず弁護士によるデューデリジェンスを行い、エスクロー口座(第三者預託)の設定が可能かを確認してください。
失敗事例②:現地の不動産規制を知らずに購入できない物件を契約してしまった
タイでは、外国人はコンドミニアム(区分所有建物)の49%枠以内でしか購入できません。にもかかわらず、「外国人枠が残り少ない」と煽られてインターネット上で見つけた物件に申し込んだところ、実は外国人枠が既に満杯であったことが判明し、手付金の返金交渉でトラブルになったケースがあります(40代・女性・タイ在住経験あり)。
また、タイでは外国人が土地(一戸建て・タウンハウス)を名義上所有することは原則禁止されているにもかかわらず、「法人名義で購入すれば大丈夫」と不正確なアドバイスを受けてトラブルに発展した事例も報告されています。
対策:購入前に必ず各国の外国人向け不動産所有規制を確認し、疑問点は現地弁護士に直接確認してください。「エージェントが大丈夫と言ったから」という理由だけで進めることは絶対に避けてください。特にタイではCondominium Act(コンドミニアム法)、マレーシアではNational Land Codeの理解が必須です。
⚠️ 注意:タイの「法人名義購入」には重大な法的リスクがある
タイ法人(有限会社)を使って外国人が土地を実質保有しようとする手法は、タイ当局が「名義貸し」として違法と判断するケースがあります。2024〜2026年にかけて取り締まりが強化されており、発覚した場合は資産没収のリスクもあります。(*8)合法的な手続きを必ず弁護士に確認してください。
失敗事例③:現地の賃貸管理を丸投げして空室・家賃未払いに気づかなかった
購入後の管理を現地の不動産管理会社に任せきりにした結果、実は半年以上空室が続いていたにもかかわらず報告を受けておらず、固定費(管理費・固定資産税相当)だけが流出し続けていたという事例は、マレーシアでも複数報告されています。
あるクアラルンプールの投資家(60代・男性)は、購入から3年間で家賃収入がほとんどなく、管理費・維持費だけで累計60万リンギット(約1,920万円)以上が流出していたことに帰国後に気づき、大きなダメージを受けました。
対策:管理会社には月次の賃貸状況レポートをメールで送付させる契約を締結することが欠かせません。また、現地の銀行口座を開設し、家賃の入金状況を自分でオンラインバンキングで定期確認する仕組みを作ることを強くお勧めします。管理会社の選定は口コミ・実績を必ず確認し、複数社から相見積もりを取ってください。
⚠️ 注意:管理会社への「丸投げ」は定期的なモニタリングと組み合わせてはじめて機能する
優良な管理会社でも、投資家が全く状況を把握していない場合、問題が大きくなるまで報告が遅れるリスクがあります。少なくとも月に一度はメールまたはアプリで状況確認を行い、年に1回は現地を訪問して物件の状態を直接確認することを習慣にしてください。
ちなみに、マレーシア不動産投資における具体的なリスクと失敗事例については、こちらの記事でもさらに詳しく解説しています↓

エリア・物件タイプ別の選び方|あなたに合うのはどこか?
香港:高額だがキャピタルゲイン狙いの玄人向けエリア
香港は、4エリアの中で最も物件価格が高く、外国人購入税(BSD 15%)の負担も大きいため、総投資額が5,000万円以上となるケースがほとんどです。その分、流動性は非常に高く、世界的な金融センターとしての地位は揺るぎないものがあります。
2026年現在、香港政府は一部の外国人向け購入規制緩和策を検討しており、今後の政策動向次第で再び大きな上昇が見込まれるエリアとも言われています。(*1)
向いている投資家:潤沢な資金(1億円以上)を持ち、中長期のキャピタルゲインを狙うビジネスオーナー・富裕層。香港での就労・ビジネス展開と組み合わせた「実需+投資」の二刀流戦略に向いています。利回りは2〜3%と低いため、純粋な賃貸収入を目的とした投資には不向きです。
シンガポール:安定性・透明性はトップクラスだが外国人には高いハードル
シンガポールは4エリアの中で最も法制度が整備されており、契約の透明性・資産保全の確実性という点では世界トップクラスと言えます。
しかし、外国人の住宅購入に対するABSD(追加印紙税)が60%という現状では、純粋な投資目的での新規参入は極めて困難です。一方、コマーシャル用途(オフィス・店舗・工業用地)についてはABSDが課されないため、事業用不動産への投資という切り口も検討に値します。(*2)
シンガポール不動産で現実的な選択肢となるのは、REITs(不動産投資信託)を通じた間接投資です。SGX(シンガポール証券取引所)に上場しているS-REITは45本以上あり、配当利回り4〜6%の商品が多く、外国人でも証券口座経由で購入できます。(*5)
向いている投資家:安定性・透明性・資産保全を最優先する高純資産の投資家。シンガポールでの就労・法人設立と組み合わせてPR(永住権)取得を目指すビジネスパーソンにも。住宅購入は資金力のある長期保有前提の場合のみ検討可。
タイ(バンコク):利回り重視・観光需要を活かすなら最有力候補
タイ・バンコクの不動産は、4エリアの中で最も利回りが高く(表面5〜7%)、エントリーコストが中程度(1,000万円〜6,000万円)というバランスが評価されています。
特にスクンビット周辺(プロンポン・アソーク・エカマイ等)や、シーロム・サトーン地区は日本人を含む外国人居住者・観光客の賃貸需要が旺盛で、空室リスクが相対的に低い傾向があります。
2026年現在、バンコクでは2027〜2028年に延伸予定のBTS・MRTの新路線沿いに投資家の注目が集まっています。例えば、MRTイエローライン(チャルンクルン〜ラートプラオ)沿線や、ピンクライン(ミンブリー〜ノンタブリ)の沿線物件は2025年比で8〜12%の価格上昇が見込まれており、先行投資の好機とも言われています。(*3)
向いている投資家:500万〜4,000万円の予算でインカムゲイン重視の投資をしたい方。タイ・バンコクでの長期滞在(年3〜6ヶ月)を組み合わせたプチ移住を考えている方。短期賃貸(AirBnB等)との組み合わせを検討している方(ただし現地規制の確認が必須)。
マレーシア(クアラルンプール):コスパ最強・MM2Hで長期滞在も実現
マレーシアは4エリアの中で最もバランスが取れたエリアと言えます。外国人最低購入価格は100万リンギット(約3,200万円)ですが、その価格帯でKL都心部の70〜100㎡の高層コンドミニアムを購入できるのは、アジア主要都市の中では破格の水準です。
MM2Hビザを活用すれば5〜10年の長期滞在も可能であり、「住みながら投資する」というプチ移住の理想形に最も近いエリアです。
人気エリアの一つ、KLCC(クアラルンプール・シティ・センター)周辺の高層コンドミニアムは2026年現在、1㎡あたり1,800〜2,800リンギット(約57,600〜89,600円)で推移しており、前年比+9.2%の上昇を見せています。(*4) また、モントキアラ地区・バンサー地区・アンパン地区は日本人コミュニティが充実しており、日本語学校・日本食スーパー・日本語対応クリニックが揃い、生活環境の面でも非常に整っています。
向いている投資家:3,000万〜6,000万円の予算でインカムゲイン(4〜6%)と中長期のキャピタルゲインを両立したい方。MM2Hビザを活用して年の一部をマレーシアで過ごすプチ移住スタイルを希望する30〜60代の方。初めての海外不動産投資で、日本人サポートが充実したエリアから始めたい方。
| エリア | 推奨予算 | 主な投資目的 | 長期滞在ビザ | 日本語サポート |
|---|---|---|---|---|
| 香港 | 1億円以上 | キャピタルゲイン | 限定的 | ○ |
| シンガポール | 2億円以上(住宅) | 資産保全・REIT | EP・PEP等 | ○ |
| タイ(バンコク) | 500万〜4,000万円 | インカムゲイン | LTR・タイランドエリート | ◎ |
| マレーシア(KL) | 3,000万〜6,000万円 | インカム+キャピタル両立 | MM2H | ◎ |
出典:各国政府機関・現地不動産業者調査(2026年)をもとにオクマン編集部作成
よくある質問
まとめ:今すぐ始める3つのアクション
香港・シンガポール・タイ・マレーシアの4エリアを、不動産投資と「プチ移住」の両面から徹底比較してきました。最後に、それぞれのエリアの特徴を端的にまとめておきます。
香港は世界的金融センターとしての地位と底打ち感からキャピタルゲインを狙う玄人向けエリアですが、外国人購入税15%・平均物件価格1億円超という高いハードルがあります。
シンガポールは透明性・安定性では4エリア最高水準ですが、外国人のABSD(60%)がほぼ実質的な参入障壁となっており、REIT活用という代替手段を検討すべきエリアです。
タイ・バンコクは利回り5〜7%と高く、エントリーコストも比較的抑えられますが、外国人所有規制・オフプランリスクへの注意が必須です。
そしてマレーシア・クアラルンプールは、コストパフォーマンス・利回り・日本語サポート・長期滞在ビザ(MM2H)のバランスが4エリアで最も優れており、初めての海外不動産投資の方に特に強くお勧めできるエリアです。
日本では不動産価格の高騰・低利回り・円安という三重苦が続く中、アジア新興国の不動産市場は依然として魅力的な投資機会を提供しています。ただし、現地の法制度・税制・市場動向を正しく理解した上で動くことが、成功と失敗を分ける最大のポイントです。
今すぐ取るべきアクションは3つです。
①自分の目的・予算・滞在スタイルを紙に書き出す
②信頼できる専門家(海外不動産に詳しいエージェント・弁護士・税理士)に相談する
③候補エリアに一度足を運び、現地の雰囲気・物件・生活環境を自分の目で確認する
この3ステップを踏むことで、あなたに最適な「プチ移住×海外不動産投資」の第一歩が踏み出せます。オクマンでは、これらすべてのプロセスを経験豊富なスタッフがサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
出典元
*1 香港差餉物業估價署(Rating and Valuation Department)「Property Review 2026」
*2 Singapore Urban Redevelopment Authority(URA)「Real Estate Statistics Q1 2026」
*3 Thailand Real Estate Information Center(REIC)「Bangkok Condominium Market Report Q1 2026」
*4 Malaysia National Property Information Centre(NAPIC)「Property Market Report Q1 2026」
*5 Monetary Authority of Singapore(MAS)「Exchange Rate Policy 2026」
*6 Thailand Board of Investment「Long-Term Resident (LTR) Visa Program 2026」
*7 Tourism Malaysia「Malaysia My Second Home (MM2H) Programme 2026 Updated Requirements」




